底辺のおっさんは、義肢フィギュアを作ります
短くてすいません。
何気無い下井とヨウのやり取りで俺は全身鎧のフィギュア加工の方向性が見えた。
義肢だ、それも右腕左足が義肢のフルメタルな錬金術師のヤツが目標だ。
とは言っても狙い通りになるかは運任せなので、それらしく加工をする。
各所に刺が付いているこの鎧の加工だが、まずは腕から。
加工するが手順はこんな感じかな?
全体の塗装を落とす。
全体の刺や出っ張りを切断する。
刺の断面をヤスリで削り形を整える。
腕全体に繋ぎ目の溝をカッターで作る
全体をメタリックシルバーで再塗装する。
溝にスミ入れをする。
肩から切り離して断面をヤスリなどで処理して右腕の完成。
左腕も同様に加工するが、脚部をどこから切り離すかで難易度が上がるな。
膝の上で切断すれば手順は腕と大差無いので、腰周りのパーツの垂れ (スカートとも言う)を本体に残す。
頭部、フルフェイスのバケツ兜は切断して悪趣味な生首ランタンにしょう。た
残りの胸、腹、腰の部分はスミ入れして終了だな。
元が鎧だから失敗しても普通の鎧として使えるだろうな。
俺がフィギュア加工を終えると何故かこの場にいる全員が俺を見ている。
「モッさん、そのフィギュアはオートなメイルなんだね」
なして分かったんだ、下井!
「そのオートなんとかって、何?」
卯実が首を傾げながら下井に尋ねるとトイが歌を歌い出して下井は卯実の質問をそっちのけでエアギターでトイに続き、サビの部分でヨウと竹井君まで歌い出す。
アジアなカンフーが歌う鋼なアルケミストのオープニングだ。
「へ? なに? 相棒が歌っていた曲だけど何? 何なの?」
卯実が戸惑い、俺はへこむ。
つまりは歌ってたんだね、俺······
「モッさん、知ってる人ならコレを歌ったらバレるって」
歌い終えると下井がニヤニヤと笑いながら俺に告げる。
畜生······ 何で無駄に上手いんだよ、みんな。
「いやー『書き直し』は歌いたくなるよね。竹ちゃんの年だとリアルタイム?」
「道場に通ってたんで録画して見てましたし原作の漫画も単行本ですが、全部読みましたよアレは!」
「ほほう、ウチは弟推しだが、竹ちゃんは?」
「オレは大佐ですね。あの理想に燃える姿が良いですね」
「アタシは強欲ね。アイツの最後は格好良くて好きよ」
「中尉です」
下井、ヨウ、トイ、竹井君が某錬金術師の話で盛り上がっているが卯実だけ蚊帳の外で、俺に泣き付いてきた。
「あー、うん、なんだ、割と古い漫画の話だ。
実写映画化されてるが知らないのか?」
「なんとなくポスターを見た事があるような、無いような?」
「気になるならホルダーに見せて貰えば良いさ。
俺が加工したフィギュアもその漫画が元ネタだ」
「そーするよ。でも相棒、本当に今日はここまでにしてね」
卯実はそう言ってから、下井の背後に移動して下井の頭に手を置いた。
「それ位にして夕飯、作ろうか?」
卯実が異能で腕を発光させながら下井に告げる。
「う、うーちゃん。縮む、ウチ縮んじゃう」
「二ノ宮さん、やり過ぎ! やり過ぎだから」
下井の頭を圧している卯実を竹井君が止めに入る。
「下井凛花、食事を所望します」
「そう言えば、シモイは料理中だったわね」
全く、家の家族は賑やか過ぎるよな




