底辺のおっさんは、開けられない
まずはランク1からと手を伸ばすと卯実に手を掴まれれた。
「今日は此処まで、明日にしようよ」
コイツ、悪魔か? ガチャの結果がお預けだと······
「うーちゃん、そいつぁー頂けねぇぜよ!! ガチャてぇーのは中身を確認する事までを含めて、初めてガチャを引いたって言えるのさぁ。うーちゃん!! あーたのそれは鬼の所業だよ!!」
良いぞ言ったれ小鬼。
「じゃ、あたし達で開けるわよ下井さん」
卯実がそう言い捨て、俺は固まった。
は? なんと? おっさんだから最近、耳が遠くて良く聞こえ無いな。今なんとおっしゃいました?
「ウチ、赤とっぴぃー!」
下井が赤いカプセルを拾い上げた。
下井! てめえ、裏切りやがったな。
「ランク4の緑を開けます」
へ? トイさんまで!?
「なら、せっかくだからオレは青にしようかな」
そ、そりゃ無いぜ正義の味方。
「ジャンも開けましょ」
「おでも開けてええだか?」
「良いのよ、誰が開けても中身は変わらないわよ」
朝丘、そうじゃねぇよ!! 中身が見えないガチャカプセルてのは、中身を観測するまでは不確定な夢と希望の宝箱なんだぞ畜生!
結局全部捕られたよ、畜生!
「ランク4、フレイムリザードマンです」
トイが自分で開けたカプセルの中身を告げる。
クソ! 俺が自分で開けたかったよ。
「ランク1、食料10日分です」
ジャンのおっちゃんは有り難い食料を引き当てたか。
「ランク1、異世界のヤスリ (ステンレス製)です」
シンも当たりかよ。
「ランク1、食料10日分です」
ダブりでも当たりだな、シロリ。
「ランク2、全身鎧 (金属製)です」
シブは初の武具か。
「ランク1異世界の眼鏡です」
ヨウは外れだな。誰が使うんだよ眼鏡。
「ランク2、眼帯です」
ほへ? 眼帯? なんか、海賊が着けてそうなのが出たけど、ランク2なの? 当たりか外れか分からんよ竹井君。
「ランク1、食料1日分 (水のみ)です」
あー、うん、なんだ、ペットボトル入りだから外れじゃ無いぞ、シゴ。
「ランク1『レッサータイガー』です」
卯実は外れか······ それただの猫だし······ でもある意味当たりか?
「ランク1、|異世界の粘土 (プラスチック粘土)です」
マジで!? 朝丘のクセにぃ。
「どぅれ、真打ちのウチの出番!!」
下井が赤いカプセルを開け、中から出たのは。
「異世界の安売り衣類 (女性用のみ)です」
び、微妙だな、下井は。
「よ、ヨッシャー!! 着替えとワゴンをゲットー!」
そんなに嬉しいのか? よー分からん。
「やったよモッさん! 着替えとワゴン。ワゴンだよ!」
何が言いたいのか分からんぞ下井。
「何を訳ワカメな顔してんのさ」
古いな、訳ワカメって。
「服も嬉しいけど、空のワゴンを加工すれば缶詰とかが量産できるかもだよ!」
へぁ? 缶詰の量産? どーゆー事?
「前のワゴンはどうなるか分からないから使えなかったけど、予備のワゴンが手に入ったから実験できるよ、モッさん!!」
下井は興奮しながら俺をペチペチと叩き、左手にぶん殴られる。
あ、そうか、ワゴンか! 確かに加工してみる価値はあるな。
下井の言いたい事を理解した俺はニヤリと笑った。
「なるほどな、実験する価値はあるな、下井」
「だしょ、モッさん次第でビールやおつまみもゲットできるんだよ。ビールや缶詰や袋入りのおつまみ!! 超期待しちゃうよ!!」
「おー、良いねぇ。缶ビールのワゴン。菓子やパン等の惣菜も期待できるよなぁ、最高だ······ ん? 待て、それを作るのって俺だよな? 不味い。作れる気がしないぞ、下井······」




