底辺のおっさんは、本当に出る作品を間違える
短い上に汚い描写があります。
ギリギリセーフ!
奇声が響き渡り、豚の頭部を持つ大男の上半身が宙を舞い地に落ちる。
「ポーポァチャ!!」
黄色のジャージがトレードマークのアクション俳優染みた奇声を上げて鶏頭の悪魔が、豚の頭部を持つ大男、オークに翔び蹴りを叩き込むと、オークが破裂する。
鶏頭の悪魔『夜明けを告げるモノ』と呼ばれし魔王だったモノにして、俺の家族たるブロゥだ。
ブロゥは軽くステップを踏みながら上半身を揺らしオークの集団を迎え撃つ。
何が在ったかと言うと、今、俺達は30体を超えるオークの集団に襲われている。
斥候として先を行くイットゥーがオークの集団を発見し、俺達は隠れてやり過ごす事を選んだのだが、鼻の効くオークの群れから女の匂いを隠し切れずに襲われている。
襲われているのだが······ 『逃げてー! オークさん逃げてー!』と叫びたくなる程に凄惨な光景が俺の目の前に広がる。
ブロゥの突きや蹴りで風船の様にオークが破裂したり。イットゥーが弓矢を射てば、オークの身体を貫通して、1射で2体以上の被害を与えたり。シブの棒が2メートル位に伸びて、その棒でオークを叩き飛ばしたり。シゴの盾が光の壁を生み出してシブの飛ばしたオークを受け止めたり。シンもシブの真似をしたり。カドゥが光の壁に叩き付けられたオークの頭を潰して廻ったり。トイがホルダーを掲げ索敵してから振り下ろして首を傾げたり。俺に襲い掛かるオークを卯実が手にする2振りの小剣で細切れにしたり。俺とトイ以外の仲間達は超野菜人みたいに光ってて眩しかったりと、オーク達からすると地獄が広がっている。
「ポア、ポア、ポァター!!」
ブロゥが腹、胸、顔を足刀の3連発でオークを仕止めると、残りのオークが纏まって逃げ出し始める。
「兄弟達!!」
ブロゥがイットゥーの方へ翔び、空中で身を屈めて足をイットゥーに向ける。
イットゥーがブロゥの足の裏を蹴りブロゥはイットゥーの蹴りを蹴りかえしてシゴの盾へと翔ぶ。
再びブロゥは身を屈めてシゴの盾に足を着けると、シゴが盾を押し出しブロゥが斜め上に翔ぶ。
なぜか身を屈めてプロペラの様に横回転しながら翔ぶブロゥを追いシブが跳び、ブロゥの足を目掛けて棒を振り抜く。
シブの一撃を蹴り、真っ直ぐに頭の上で両手を握るブロゥは逃げるオークの残党に突撃して土煙を上げた。
「真流魔王元滅弾ポゥ」
土煙の内からブロゥが歩き出て来るが、俺は血の匂いに負けて、ゲロっていた。
また、出る作品を間違えちまったよ······




