底辺のおっさん、異世界で襲われる
全く移動しない内に戦闘
薄汚い緑ゴブリンの瞳が歓喜に輝く。
薄汚い緑ゴブリンは大きく口を開け乱杭歯を見せて嗤う。
唾液が糸を引きより醜悪に映る。
ダメなやつだ、あの目は暴力で人を貶めて喜ぶクソ野郎の目だ。
薄汚い緑ゴブリンまで5メートル程離れているが2歩で跳びかかれる距離、動きを見せない白ゴブリンがどの様な行動をとるか分から無い以上は下手に動けない。
「ーーーーーーGiaーーーz」
聞き取れない叫びののち、緑ゴブリンは標準装備の棍棒を両手で持って大きく振りかぶりながら俺に跳びかかる。
1歩踏み込んでジャンプしただけで緑ゴブリンの間合いになり、アニメやマンガに有りがちな大ジャンプから全身を使った叩きつける攻撃がくる。
ゴブリンはフィクション染みた身体能力を見せるが、俺はただの底辺のおっさんでしか無く、緑ゴブリンの攻撃を大袈裟に飛び退いた事で避けられたが俺はその場に倒れた。
緑ゴブリンは倒れた俺に一瞥くれ、あのやり取りで俺が脅威で無いと判断した様だ。
俺以外のターゲットと成得るのは『召還姫』のみだ。
案の定、緑ゴブリンが先ほど同様に聞き取れない奇声を上げて『召還姫』を威嚇するが『召還姫』は逃げる成り隠れる成りする訳でも無く無表情でただ立っている。
反応を見せない『召還姫』を警戒してか、緑ゴブリンは棍棒を振り上げるも、直ぐに襲い掛からず様子を見る様に『召還姫』の周りを回る。
お陰で立ち上がる余裕が出来たが現状を打開する手立ては無い。
腐ってもザコと呼ばれても、相手は怪物だ、俺が逃げ切れる保証は無く『召還姫』はあの通り動きもしない。
不意に緑ゴブリンが痺れを切らして『召還姫』に襲い掛かるが、俺が間に入りつつ『召還姫』を突き飛ばす事が出来る距離と位置。
「逃げろ!」
俺は怒鳴りながら『召還姫』突き飛ばし、緑ゴブリンの棍棒を背中に受け意識が遠退き倒れる中『召還姫』を見るが、よろめきその場を動こうとし無い。
「不忠者が!」
誰の声がしたが俺は確かめる事無く意識を手放した。
 




