底辺のおっさんは、相棒に救われる
カドゥの単語を続ける罵倒が面倒臭い······
「マスター ヤマモト、そこの汚物が『夜明けを告げるモノ』ならば始末するのは待って欲しい。
腐り切っても魔王だ、何かしら有益な知識記憶があるやも知れない。私が動く生ゴミの全てを『視て知る』事を終了し次第、焼却処分する事を提案する」
ホルダー! 貴様もか! 無茶苦茶な事を言うな。
いつの間にかトイからホルダーを回収していたヨウは低魔圧になる程、魔女の一撃を放った為に座り込んで「気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、死ねば良いのに、死ねば良いのに、死ねば良いのに、死ねば良いのに、死ねば良いのに、死ねば良いのに、死ねば良いのに、死ねば良いのに、死ねば良いのに、死ねば良いのに、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す、殺す」等と不穏な事を呟き続けていて、シブ達の抗議を聞いていない。
「自分、兄弟、守る」
「ヨウ!! 兄弟に謝罪と治療をしなさい!! 兄弟が何をしたと言うのですか!!」
「主の許しも無く兄弟にこの様な仕打ち、この筋肉兄弟達のシブが許さんぞ!! 魔女ヨウ!!」
いつの間にか『筋肉兄弟達』などと言うグループを作っていたシブ達がヨウを睨み付けるとヨウを守るかの様にカドゥがシブ達の前に出て吠える。
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぃ、愚物共!! 母なる聖器たるトイ様を不快にさせる珍妙奇妙奇天烈不愉快な肉ダル魔王の出来損ないを庇う等愚かな振る舞いをする愚物共め良く聞けぃ。
神たる我が主の下僕の末席に連なる者が、奇怪不快な肉ダル魔王擬きの出来損ないを兄弟などと呼ぶなど神たる我が主が許してもこの神徒たる我が許さん!!」
「貴様の許しを乞う必要などあらん!!」
シブが胸の筋肉をピクピクさせる。
「自分、兄弟、守る!!」
シゴが太ももの筋肉をピクピクさせる。
「カドゥ、貴方とヨウは本質を見失っています。
鍛え上げた筋肉は偽りを述べ無い!!」
イットゥーが腹筋をピクピクさせる。
悪いけど筋肉語は分からんのよ、俺。
「黙れ! 薄汚く獣臭い理知品性礼節の欠片も無い珍種悪魔風情などは神たる我が主には不要!! 化け物枠は既に竹井がおるわ」
「まあ!! ライト、聞きまして?」
「レフィ、確かに聞いたよ。閣下のみ成らず、レフィを薄汚いなどと罵った!! 万死に値する大罪だ!!」
山羊夫婦は参加すんなよ、面倒臭い。
「竹井、兄弟、師匠」
竹井君は何の師匠なんだ? シゴ。
「大恩ある竹井さんになんてとこを!!」
竹井君はトレーナーか何かなん? イットゥー。
「師匠にして強敵への侮辱、許さん」
強敵って、どこの世紀末だよシブ。と言うか、飛び火した竹井君が凹んでテーブルに突っ伏してるから止めてあげて。
下井は『リアルさぶ』とか『薔薇』とか『ゲイ術は爆発』とか涎垂らして言わないの。お前は雑食過ぎだ!!
シャルローネ王女はおののいて首を左右に振っていて、それを見ているイケメンじいさんと金髪のにーちゃんは泣いてるし。
テーブルの卯実とシロリは唐突に腕相撲しているし。
「主、どーするっスか?」
テーブルで頬杖つきながら聞かないでよシン。でも本当にどーしよう。
国家名称に初代国家元首の名前を着けるなんてある種のイジメだよなぁ、ジONのヤツ等とか、Gオン軍ですとか、ジOンの新型とか、事あるごとに名前を呼ばれるし、暗殺されて国を乗っ取られても国名だから悪く言われてる様なモンだし、イジメだ、イジメ。でもまぁ、大クン共和国じゃ無かっただけマシかもしれないけど無いよなぁ『ダイ君共和国ってどこの風俗店だよ!』だし、死んだ後に公国になって更にイジメられてるよなぁ、普通は家名じゃないのかなぁ? あー、でも、ダメだ『DIEクン公国』ってやっぱり風俗店だよ、素直に都市の名前とかにすれば良いのに国の名前に着けるから、3倍の赤いロリコンマスクが誕生してしまうのだな、ハハハ······
アホな現実逃避を初める俺の前でシブを筆頭にする擁護派とトイを筆頭にする始末派が睨み合う。
問題の鶏頭はうつ伏せで泣きながら「主······」と懇願して俺を見つめている。
誰かたっけて······
「あのさー、相棒が困ってるから止めなよ。
そこのブラザーとか言う鶏頭も仲間なんでしょ? 始末とか物騒な事を言う止めなって。
大体さ、筋肉が気持ち悪いのは分かるけど、服を着て貰えば済む事でしょ。あ、でも、マントだけとかは止めてよね、余計にキモいし」
シロリに勝ったのか右腕をマッサージしながら卯実が告げる。
流石は相棒!! ありがとう愛してる!!
それなりに人名由来の国名はありますが、フルネームの別読みや縮めたモノが多いみたいです。
『大クン公国』ってまるで幼児の遊びか風俗店ですよね。
おや? 背後に誰か······




