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底辺のおっさんは異世界で叫ぶ

 ダークエルフの野郎は塗装が除光液で落ちずラッカー薄め液であっさり落ちた。

 肌の部分の塗装をチマチマと綿棒で落としウィッチ、イビルプリーストの2体のダークエルフも美白化をしながらクールタイム終了を待つ。

「あのー『召還姫』さん、一寸いいですか?」

腹を鳴らしながら俺の作業を見たり、見える範囲をフラフラと歩いたりしている『召還姫』に俺は声を掛け手招きした。

「質問なのですが、ガチャフィギュアを加工しても顕現リアライズって出来ますか? 後、複数同時とか?」

「フィギュアとは素体の事と断定しますが、フィギュアの加工等の行為は存在の改変に当たる為、回答を確定出来ません。

 ランクの変動やフィギュアの消失等が予想されます。

 複数同時に顕現リアライズは待機時間が増加しランクに関わらず、1体辺り1.5倍になります」

「そうですか、ありがとうございます」

顕現リアライズしたらイケメン化する訳じゃ無いだろうからエルフ共は惜しく無いが、ゴブリンの数が減るのは不味いな。

 ああエルフのコイツ等が女王ズ・ブレイドの戦士長みたいなエロフだったら眺めるだけでも時間が潰せるのに何で80年代のアメリカ製メタルフィギュアな顔なんだよ! 誰得だよ! ゴブリン共は変にデフォルメされて、ほぼ全ての登場人物に名前でしか呼ばれ無い博打打ちの伊藤さん顔なのにさ! ざわざわ言っちゃうよ俺。

 イイ歳してアホな事を考えながら現実逃避する俺を『召還姫』が見ていた。

 一蓮托生なんだよな、この娘と。

 俺が死ねば存在理由が無くなり消失、魔力がゼロになっても消失する少女型のガチャ。

 俺自身は生前? まぁ元の世界にいた頃と何一つ変わらない、バカで無力な底辺のおっさんでしか無い。

 俺が生き延びるには、チートアイテムの『召還姫』の協力が絶対に必要だが、この娘は自主性てのが無いのか? 何も主張し無いし出来の悪いアンドロイドとかだと言われても納得しそうだ。

「マスター、顕現リアライズのクールタイムが終了致しました。

 また、目視範囲内に食用可能な野草『滋養強草』を発見しました」

前言撤回、無表情だけど主張はする様だ

「えっと、名前はわからないけど滋養強壮の効果がある草って事でしょうか?」

「一部否定します。

 『滋養強草』は滋養強壮の効果がある野草であり、この世界では主に薬草として活用されております。

 一般的な食し方は細かく刻み煮込むスープとして食されます。

 直に食す事も可能です」

野草を直食いは嫌だなぁ、マーキングとかされてるかもだし。

 直食いは最終手段にするとして、目視範囲にあるらしいし、現物を見て見るか。

 俺は『召還姫』に頼み『滋養強草』を見せて貰う。

『滋養強草』はバイオなゾンビゲーに出てくるハーブの様に青く、両腕で力こぶを作るポーズか良くあるサボテンの様な形の一枚葉で何故か右側の部分は、振り下ろしと振り上げを繰り返していた。

「さあー元気良く進行ぉー

 おっP、Oっパイてかぁー、ハハ、ハァ」

異世界てっキツいな。

『召還姫』は相変わらずの無表情だけど『滋養強草』を真似て右腕を振ってるし。

 陸上の神と呼ばれたアスリート染みたフォームで葉っぱが2足歩行で走ってるしさ。

「『走り草』です、マスター」

うん、走りそうで無くて走ってるよね。

「『走り草』が人前で走るのは稀で、幸運の兆しと言われています」

『召還姫』さん、説明してくれるのは有難いんだけど、アンタ何時まで腕降りしているのさ。





 正気に戻った俺は野草の直食いを最終手段として保留、ゴブリンの複数顕現リアライズを行う。

 対象は白ゴブリンと通常のゴブリンを1体を選ぶ。

 複数同時に顕現リアライズする感覚やゴブリンの性能差等を知る為だが準備する俺の姿はマヌケな事だろう。

 イイ歳のハゲたおっさんが一人で真剣な顔で地面にフィギュアを置く姿なんぞ割とヤバい人か趣味人のどちらかだ。

 俺はフィギュアを設置して少し離れる。

 もしかしたらこの世界のゴブリンが巨体なのかも知れないからだ。

 ざっと5メートル程離れ指先確認してから宣言した。

「ゴブリン、顕現リアライズ

2体のフィギュアが閃光を放ち、直視していた俺は恐らく世界的に有名なアノ台詞と共に目を押さえながらのたうつ。

 視力が回復する頃にはフィギュアの置かれた場所に薄汚いゴブリンと白く輝くゴブリンが立っている。

 加工した白ゴブリンもちゃんと顕現リアライズ出来たな。

 で、ゴブリンの様子はと言うと。

 白いゴブリンはボサっと立っているだけで、薄汚いゴブリンは忙しく周囲を見回している。

 あ、薄汚いゴブリンと目が合った。

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