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底辺のおっさんは、大賢者www

 彼、ジャンが分析の異能スキルを持つと告白した後、直ぐに下井がスキルを使いお粥を完成させてテーブルに鍋ごと置いたので、俺はジャンを解放して食事を与えた。

 しかし、ジャンは他の面々を気にして食べずに遠慮していた。

「おっちゃんはーっと、まだ名前を聞いてなかったな、俺は山本正だ、宜しく」

「おではジャンだぁ。

 山本さ、姫さまさ許してやってくんろ。

 おでが代わりさぁなる、おでを転が(コロ)してくんろ」

「殺してって、んな面倒な事しないさ。

 それと他の連中は落ち着くまで、解放させられない。

 次に暴れられたら手加減してもらえそうにないから、ジャンのおっちゃんが説得してくれよ。

 食うもの食って、無事を確認させれば流石に落ち着くだろ?」

「そうけ? 山本さぁ頭ええなぁ」

「どちらかと言えば、俺は」

「相棒に任せれば、大体、大丈夫だよジャンさん。

 あ、あたしは二ノ宮卯実だよ、よろしくね」

被せた上にハードルを上げるな、相棒。

「『召還姫』のトイ、コンゴトモよろしく」

トイさんはどこの仲魔だよ。

「ウチは下井凛花やで、おっちゃん。

 んで、荒ぶる左手がシリンちゃん」

間違って無いけど、中二臭いぞ、下井·······

「オレは竹井猛です。宜しくお願いしますジャンさん」

礼儀正しく頭を下げて笑顔を見せてるけどな竹井君······ ジャンのおっちゃんがさ、ビビってるんだ、君の笑顔に······

「朝丘夕よ、お粥食べたら? 冷めるわよ」

バカな!! あ、朝丘が毒を吐かないだと!! 明日は嵐か!?

「はぁ、えらいべっぴんさんだべ。

 あんたぁ、山本さのヨメだか?」

「止めてよ、気持ち悪い」

朝丘は身を震わせ直ぐさま否定しやがった。

コッチこそ、止めてよ、朝丘が嫁なんて悪夢だよ! 大賢者(童貞)でも選ぶ権利ぐらいあるよ!!

「相棒の相手はあたしが予約済みよ」

卯実、ドヤ顔で言う事か それ? 後、親指で自分を差すのって、流行ってるのか?

「マスターのパートナーは私『召還姫』のトイです。

 二ノ宮卯実は違います」

トイが無表情で卯実を見つめ、卯実がトイを睨んで唸る。

 えー、なんだ、卯実もトイも、張り合う事なの? それ。

 ジャンのおっちゃんは卯実とトイを一瞥して朝丘を見つめる。

 まさかと思うが朝丘推し? おっちゃん、趣味わる······

「早く食べなさいよ、せっかく作ったんだから」

朝丘の奴、お粥になにかしたな。

 こんなに急かすなんて、辛気臭い毒舌家の奴にしてはおかしい。裏があるはずだ。

「んだな、夕さ、言う通りんだ、頂くだよ」

俺が止める間もなく、ジャンのおっちゃんはお粥を口にして目を見開く。

「う、旨いべ、夕さ、この粥は目玉が飛びでっほど旨いべさ」

「嘘!? アレが入ってるのに!?」

朝丘が馬脚を表しておののく。

 アレってなんだよ。

「チッチッチッ!! 夕ちゃん、そいつぁ、違うぜ。

 作りたい物と作るべき物が1つに成った時、世界の声が聞こえるのさ。そして、その声に従い腕を振るえば自ずと答えはでる!!」

下井、なに? その銀河な美少年染みたセリフは?

 俺は『千駄ヶ谷、立川、三鷹』の逆読みがお気に入りだったけどな、あのアニメのセリフ。

「乾燥した『滋養強草』を粉末状にし、それに対して塩胡椒を最適量入れるとお米そのものの味が引き立ち、渋味が程好いアクセントに成りつつお米の甘さを感じ易くしてくれるのさ。

『滋養強草』は粉末にする事でエグ味苦味が無くなり、渋味のみ残る。その渋味も胡椒の辛味に勝てず、塩に支えられたお米の甘さの引立て役に成り下がるんだ!!」

下井、セリフが長い。そして内容が重複しとるぞアホめ。

「マスター、この粥を所望します」

「あ、あたしも欲しい!! 凛花おねーちゃん、お願ーい」

「しょ、しょうがねーなぁー。おねーちゃんだしなぁ。本当は面倒なんだけどウチはおねーちゃんだしなぁ」

すげえニヤニヤしてるぞ下井、気持ちわる。

「夕さも、食って見るべさ」

そう言い、ジャンのおっちゃんは朝丘の口にスプーンを突っ込んで無理矢理にお粥を食べさせると朝丘が目を見開く。

「美味しい、本当に美味しいわ」

ジャンのおっちゃんは「んだ、んだ」と何度も繰り返し頷いて、朝丘に食わせ。朝丘も口を開けてスプーンに乗ったお粥を素直に受け入れる。

 周囲のみんなは、ほっこり、ニヤニヤに別れて2人を見守る。

 素直な朝丘が気持ち悪いのって、俺だけ?


「おかわりは、するかい?」

 朝丘を餌付けし終えたジャンのおっちゃんは首を左右にふり、手を皿の上で開く。

「十分だべさ。山本さ、ありかとだべ」

皿の上の手が気になる俺に、ジャンのおっちゃんは、その行為の説明をしてくれる。

 簡単に言えば日本で言う『ご馳走さま』だ。

 手を蓋に見立てて『皿に蓋をする』その行為は、相手に対して十分ですと伝える、この地域で一般的な合図らしい。

「でも『滋養強草』が旨いなんて信じらんねーけど、旨いんだろうなぁ、ハァ」

惨状を見れば溜め息も出る。鍋に残っていたお粥を卯実とトイの他にゴブリン達が食いつくしていたのだ。

 それはお前等のじゃないだろ。


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