底辺のおっさんは、ぶち込むと決める
あの後、バイク形態のガードランに跨がる竹井君の後ろにシャルローネ王女とウィクトルが乗ろうとして言い合いになったり、狭いだなんだとワガママを言う奴が出たりと色々とあったが帝都を目指し進んでいる。
ざっくり4時間程で帝都に到着する予定と、時間があるのでホルダーを通じて帝都の情報を共有したり、作戦の再確認等をして時間を潰したのだが。
作戦と言っても帝都上空にシャルローネ王女の姿を投影し降伏勧告する。
相手が降伏しなければ、俺が岩を落として再び降伏勧告する。
それでも降伏しなければ、竜帝とジルバが攻撃を開始し、コンテナを城にぶち込み強襲するだけ。
まあ、いつも通りの脳筋力押し。
いつも通りだが、ぶっちゃけ俺は降伏勧告なしで大量の岩を貴族街にぶち込みたい。
帝国の裏社会と言うか、腐った娯楽と言うか。
帝都に送られた奴隷の多くは貴族街にある闘技場で。
親兄弟で殺し合わせて見世物にし、生き残った方に死体を食わせたり。
猛獣をけしかけて食い殺させたり。
ゴブリンやオークによる陵辱を受けていたり。
死んだ方の子供を生かすなんて口約束で、母親同士を殺し合わせた挙げ句に親子共々殺すなんて人間がやっていい事じゃない。
子供の命を守ろうとして自害する母親なんて見たくないしこれ以上、絶対にやらせちゃなんねえ!
「マスター ヤマモト、ならば降伏勧告の前に脅してやればよかろう。
分かり易く目に見える被害があった方が降伏勧告もスムーズに行く可能性が高い。
何より、我々の優先順位は真帝国の貴族や奴隷の生命なぞよりも君のストレスの緩和の方が上であり、不快感を覚えているのは君だけではない。
人命の被害を懸念しているのであれば、無駄に数あるスロの像を目標にすれば何1つ問題はない」
「あー、うん、なんだ、確かに自己顕示欲の塊って言えるくらいの数があるな、ヤツの像」
「外門に8、貴族街へと続く内門6、城壁2、4方から伸びる大通り分岐点に合計6、貴族街闘技場に1、総合計23体。
確かにスロが自己顕示欲を発散した結果の数だと言えるなマスター ヤマモト」
「ぶちのめした後に撤去するだろうし、城壁と闘技場の像なら人通りも少ないからやってみるか」
「ヤマモト殿、力を示せば被害も抑えられるでしょう」
「せやな、関係あらへんモンや捕まっとるモンに被害が出えへん様にシャルルんの言う通りビビらせといた方がええやろ」
シャルローネ王女と下井が同意してくれたが、今すぐに攻撃を開始する訳じゃない。
まずは手近な所に降りて最終準備をしてからだ。
「確かに最終準備は重要だな、マスター ヤマモト」
重要だよな、昼飯は




