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底辺のおっさんは、死の気配を感じる

 最悪、竹井君や何故かついて来たアンに壁をぶち破って貰う事を考えてはいたが、アイバットのフューラちゃんが後部のロックを解除してくれたので、空を飛べるガードランに乗った竹井君、魔法で飛ぶ事が出来るブロゥ、ヨウ、ソウセキ、そして変身してないアンがコンテナから飛び出す。


 ん?


 ちょっと待て。


 あのへっぽこ娘! 変身しないで飛び出しやがった!


 金ぴかに変身しないと飛べないだろお前!


 アンさん、驚き慌ててしまいますので、落下中に変身するとか止めてもらえませんでしょうか、このへっぽこが!


 紛らわしいへっぽこ娘は兎も角、ブロゥとソウセキがコンテナの下に入り魔法で落下速度を落としてくれてはいるが、落下そのものは止める事は出来ない様子。


 ホルダーを手にするヨウはコンテナの上に降り立ち、ヨウは電磁加速砲(レールガン)を放って虎の姿をした大天使に攻撃をするが避けられてしまった。


 だが避けた隙を突き、金ぴかのライガーに変身したアンの砲撃とシドのガトリングの集中砲火で大天使は回避で手一杯となり、コンテナが地面に激突する前にジルバが間に合い俺達は危機を脱する事が出来た。


 ここは既に岩だらけの山岳地帯の為、コンテナを置ける場所は限られているが置ける場所を探す暇なんぞないので俺は無理矢理にでも設置場所を作る様にブロゥとソウセキに指示を出す。


 邪魔な所をぶっ飛ばして整地すると、なんとも頭の悪い方法だが仕方ないだろう。


 大天使との戦闘はかなり高い位置で行われており、ヨンタと合体したブロゥは兎も角、ソウセキやヨウではたどり着くのかやっととの事で、ヨウとソウセキの他にイットゥー、シロリにはジルバに乗って参戦して貰おうとしたのだが。


「手出し無用!」


 竜帝(ドラグカエサル)が吠え、竜翼を羽ばたかせ大天使へと迫る。


 あのトカゲ野郎、手を出すななんぞ不山戯(ふざけ)た事をぬかしやがったが、魔王級を倒すこのチャンスを逃す訳には行かない。


「竹井君、変身して一気に倒そう。


 アンとシドはそのまま牽制をお願い」


「魔王級が1体とは限らん! この獣の大天使は我がこの場に押さえ込んでおく」


 竜帝(ドラグカエサル)の魔王級が複数いるかもと言うのは最もだが、それこそ1体づつ確実に倒しておいた方が良いはず。


「黒竜、獣を統べる我を押さえるとは片腹痛い!」


「弱体化した貴様なぞ今の我の敵では無い!」


 竜帝(ドラグカエサル)の吐き出す火球と大天使の放つ大量の羽根がぶつかり合い、上空で爆炎が上がる。


 因縁とかありそうだけど、こっちは知った事じゃない。


竜帝(ドラグカエサル)の支援、んでここは確実に仕留めよう」


 そう俺は指示を出したのだが、誰からも返事はない。


 それどころか上空にいた竹井君、アン、シドがコンテナの上に降り立つ。


 比較的に安全なコンテナの中にいるのに


 魔力がないから魔力を感じる事が出来ないのに


 どこか覚えのある微かな異臭と圧迫感


 そして想像が生み出す恐怖


 生きる為に様々な仕事を経験済みの俺はこの異臭を知っている。


 コンテナの外に出て異臭のする方を確認するがおかしな物は何も見当たらない。


 強制的に作った場所のせいか見通しが悪く、岩肌があるだけで道すらない。


 道すらないのだが、こちらに向かって来る何かがいる事だけはしっかりと感じる。


「マスター ヤマモト来るぞ!」


 ホルダーの警告と同時に岩山の斜面とは逆の空中で大爆発が起こり、即座にシゴが光の障壁を作りだして爆風を防いでくれた。


 さっきの大爆発はヨウの魔法だとすぐに分かったが、爆煙が晴れるなり遠距離攻撃が可能な面々が一斉に攻撃を開始し出す。


 シロリのバスターランチャー


 シドのキャノンとガトリング


 金のライガーのランチャー


 ソウセキとブロゥの手から出すビーム


 イットゥーの放つ矢


 フューラちゃんとガードランの目から放たれるビーム


 銀竜ジルバのレーザーブレス


 そして最後にヨウの放つ電磁加速砲(レールガン)


 まともな相手なら最初の大爆発でカタがついているのに、全力で追撃する様な相手となれば決まっている。


 魔王級の化け物


 ホルダーによって他者と視界が共有されて俺は獣の大天使に続く2体目の魔王級の姿を目にした。


 腐り爛れた巨体


 剥き出しの頭蓋骨と骨組みだけの翼


 抉れた腹部には光を通さない黒い何か


 さながら改造されたドラゴンゾンビと言ったどこだ。


 腐り爛れた死肉は異臭を発し


 死体だけが持つ禁忌感と圧迫感


 俺は日本で事故物件の後始末をした経験があり、この世界にやって来てすぐに転移者の死体を埋葬した事があるが、このドラゴンゾンビが発する死の気配からは逃れられそうにない。

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