底辺のおっさん、自分の遺品を手に入れる
ゴブリン7体、顔がヤバいダークエルフ3体? 人? のフィギュアを手に入れた俺は赤いカプセルを手にし、カプセルを開封する。
「異世界のポーチです」
前世で愛用していたズボンのベルトで腰に固定出来るタイプの工具入れでファスナーで開閉出来るヤツだが、これもフィギュアでしか無い。
「これをどうしろと?」
我に帰り途方にくれそうな俺に『召還姫』が告げる。
「顕現する事で使用可能になります。
フィギュアに向けて顕現を宣言する事で顕現は成されます。
顕現すると原寸大になりますのでご注意下さい」
俺は『召還姫』の言葉に従い、恥ずかし気にポーチにリアライズと宣言した。
顕現したポーチは俺が愛用している物と同型の物でポーチの内側に複数のポケットが有る。
ポケットにマジックやボールペン等の筆記用具、、ハサミ、除光液、薄め液、アルミ製の受け皿、オイルライター、100円ライター、ライターのオイルとその他色々入っていた。
これって俺のポーチだよ! 財布に入れたスタンプカードやネカフェの会員証等の氏名が『山本正』で、ポーチの内側にあるネームタグに『山本正』って書いてある。
ん、何だこのメモは?
『異世界の日本で販売しているツールポーチ。とある負け組底辺な中年男性の遺品』
俺は自分の遺品を手に入れたらしい。
まぁこれからの事はゴブリンたち次第か……