底辺のおっさんは、崇められる
念話を全員に伝えられていた事から土下座王子を始めとしたおこぼれで略奪したい連中は俺を睨んでいるのだが、こんな連中に付き合う気は俺には無い。
「取り敢えずサバ王国方面から進んで、義勇兵として解放した国の人達に協力して貰うなんてどうだろ」
「義勇兵ならば同様の立場だった故に略奪などの行為は最小限に抑える事が出来る訳だな、マスター ヤマモト」
俺はなんとなく思いついた案を出すと、案を補足した上でホルダーも賛成みたいなので作戦としては悪く無さそうだけど。
「やれるポか」
「ハッ! 我らブロゥ陛下の命令とあればやり遂げて見せましょう」
ライオン頭の王様やら虎頭の騎士がブロゥの前で片膝ついてるけど。
うん、ブロゥ君、王位をちゃんと返上しましょうね……
「リオン殿、獣人の王たる貴方が何故この悪魔に頭を垂れられるのだ」
いつの間にか狼頭の人が四つん這いでブロゥの椅子になっていてサバ王国の皆さんだけ異様なのでベルギアの王様の疑問はもっともです。
家の鶏頭が申し訳ありません、ハイ。
「ブロゥ陛下は我らを圧倒し王位を勝ち取ったまでの事だが、何の問題があると言うのだイクセル殿」
当たり前に事情を知らない面々からすれば、訳が分からなくて表情を失くすのも無理は無い。
「わ、我がライデンはカレーなる神の名に誓って協力を惜しまんぞ」
「ジルもこのサンの名に懸けて全力で協力する事をカレーなる神に誓おう!」
あー、うん、なんだ、その、カレーなる神と言うのは誰の事ざんしょ。
「ほう、カレーなる神に誓うと言うのであらば何故に貴殿等は神とその神徒を愚弄したのか問おう」
シャルローネ王女が竹井君に張り付いたまま各国の代表者達に尋ねてるけど。
女王殿下、下井やヨウが舌打ちしたりしてて怖いので竹井君から離れてもらえませんでしょうか。
「カレーなる神にして我が主に誓うと言うのであらば頭を下げよ!!! 脆弱惰弱かつ無知蒙昧にして無知無能たる愚物ども、一句一言たりとも聞き逃さすその心身魂にカレーなる神の名を刻み、そのカレーなる御姿を眼に焼き付け一族郎党にあまねく広めよ!
こちらにおわす御方こそ、唯一絶対にして至高なる絶対神、山本 正神皇聖下だ」
カドゥ君、音も無くいきなり出て来て訳の分からん事を宣うのは止めてください、割とマジで。
後、頭を下げてたら地面しか見えないと思いますよ、カドゥ君。
「ミス シモイ、トイ様や子供が退屈している様なのでお茶とお茶請けなど出してやってはどうだ」
「せやな、アホな連中なんぞほっといて茶ぁしばこか」
あー、うん、なんだ、その、自分勝手な連中だけど一応は王様とか貴族の皆さんなので、余りイジメるのはどうかと思いますよ、下井さんとホルダー先生。
「姐さん、菓子は兎も角、飲み物はどうしやす」
「ヨウ姉さんに冷やしてもろうてあるジュースの類いでエエやろ」
シホさんや、女の子なんだからその下っ端臭い言葉使いはどうかと思いますです、ハイ。
「あ、あたしコーラとポテチお願いね、相棒は何にするの」
「あー、うん、なんだ、その、皆さんにも何か適当に……」
「粘土を柔らかくするのに使った水っすね、旦那」
「出すなこの野郎!」
「モッさんの言う通りやでシホ! そこら辺のどぶ水で十分やで」
「了解でさあ姐さん」
「笑顔とサムズアップで応えるんじゃありません! ちゃんとしたの出しなさいよ、お前等タチ悪いぞ」
俺が下井やシホにツッコミを入れてると、いつの間にかカドゥに土下座だか五体投地だかをさせられている各国の代表者さん達は。
「カレーなる神よ……」
とか
「愚かなる我らにカレーなる神が慈悲を……」
とか
「愚物たる我らに対しこの御心遣い、まさしくカレーなる神……」
「ああ、カレーなる神や神徒の皆様に対してあの様な赦されざる真似をしてしまった……」
とか、土下座王子とかも含めて全員が俺に土下座しているのは何故!
「マスター ヤマモト、ヤツ等はただのカレー教の入信者だ、君が気にする必要は無い」
逆に気になるけど気にしたら負けなんだろうなぁ……




