底辺のおっさんは、少女の主張とかはモノクソどうでも良いので禁断のフィギュアを作るようです
新ゴブできました。
主張を終えると、照れで顔を赤く染めた二ノ宮さんは座る。
二ノ宮さんの相棒宣言に俺は溜め息を吐いて呆れた。
下と対等に成ってどうするんだよ······
二ノ宮 卯実と言う少女は明るく前向きで超人的な身体能力を持ち、この世界ですら自分の夢を諦めない強者だ。
それに比べ俺と言えば、この集団の内では非力貧弱の部類で飽き安く後ろ向きな思考をするハゲだ。
客観的に見ても向こうが上で俺が下『中卒のハゲたおっさんと現役女子高生』『ラジオ体操で息が上がるおっさんとダンサーを夢見る超人少女』比べるまでもない。
無いのだが、後の黒歴史となるであろう少女の主張に対してゴブリン達の反応は。
「ニノはアホっス、主とニノが対等な訳が無いっスよ」
「王様と兵士が対等な訳無いわね」
「無謀な目標ですね」
「二ノ宮、無理」
「えっと、努力は無駄にならないと思います」
「主が認めたとしても皆が認めんだろう。
だが、その志しを我は買うぞ二ノ宮嬢」
「不可能です。
二ノ宮 卯実はマスターと対等と足り得ません。
不可能です」
とまぁ、俺の下だと散々な言われ様で、二ノ宮さんは矛先を竹井君に向けたのだが。
「なんか酷くない、シブさん以外のみんな。
そう思いません? 竹井さん」
「少し否定されたら諦めるのかい?」
二ノ宮さんの質問を竹井君は主旨をすり替えてやり過ごす。
「絶対に認めさせるからね! 覚悟しときなさいよ!」
何故か俺を指差して二ノ宮さんが吠えた。
「ハイハイ、頑張れ相棒」
投げ槍な俺の言葉に二ノ宮さんは締まりの無い気味の悪い笑顔を浮かべた。
食事を終えて朝丘さんをゴブリン達に任せ、メスゴブリンの制作作業に戻る。
と言っても残りは塗装と接着だけだが。
作業中に入口の方から朝丘さんがギャアギャア喚き散らす声が聞こえるがモノクソどうでも良いので、本命の作成に取り掛かる。
メスゴブリンはただのリハーサル、本番は『食料10日分』だ。
コイツにオプションを追加し、顕現が狙い通りに成功すれば、俺達の生活は間違い無く激変する。
まず、プラスチック粘土で白ダンボールの作成だ。
ダンボールらしさを出す為にカッターで四角い塊に溝を彫る。
次に全体をヤスリがけして整えて塗装に入るのだが、プラスチック粘土自体が白いので溝にスミ入れをして、ただのダンボールは完成。
次に、ダンボールに書き込みを入れる。
そう書き込みだ、このダンボールが何なのか示す為に書き込みを入れる必要がある。
米粒に絵を描く中国人の如く小さなダンボールのフィギュアに中身を示す文字を書き込んで行く。
攣る、攣っちゃう、指プルプルし過ぎでマジ攣る。
『蓋を立て掛けられた木箱のフィギュア』これが『食料10日分』だ。
この木箱のフィギュアを上から見下ろすと木箱の中に袋詰めされたブツがある。
この木箱のフィギュアの横に先ほど作成したダンボールのフィギュア2つを接着する。
ダンボールフィギュアは縦に積み上る形にして2つを接着して固定してから木箱のフィギュアに接着して『食料10日分改』の完成となった。
コイツが上手く行けば味気無い食料事情は激変し、コイツを巡り争いが起きる可能性すら有り得る。
俺の実力がもっと高ければダンボールの他に小分けした商品を配送するのに使用される『折り畳み式コンテナボックス』折りコンと、その中に納めた商品も作ったのだが、今の俺の実力では狙い通りの物を顕現する自信が無い。
さあ、前世の日常を取り戻す革命を初めようか······
食料事情が激変し前世の日常を取り戻す革命とは一体何なのかは次回で。
大体バレてると思うけど···




