目覚めるハゲと眠る踊り娘?
今回、ベッドシーンがあります。
あたしは何をする訳でも無く正さんが寝ている少し大きなベッドの隣に座り、彼が目を覚ますのをぼんやりと待っている。
泣き疲れてベッドの縁に顔を埋めて寝てしまったリールちゃんや正さんが寝ているベッドに潜り込んで寝ているトイちゃんを何も考えられずに眺める。
それは嘘。
あたしは考えられないフリをしているだけ。
血が足りず蒼白い顔で意識の無い正さんを見ていると、頭がぐちゃぐちゃになるから。
子供を守ろうとした正さんを誇らしく思う事。
正さんに守られた子供、リールちゃんを怨み憎んでしまいそうな事。
正さんを守れなくて誰かに八つ当たりしそうな自分の事。
正さんが大変な時でもマイペースなトイちゃんにイライラする事。
いつもボロボロになるのに無理して無茶して心配をかけさせる正さんの事。
正さんの無理と無茶に支えられている情け無い自分の事。
誰か他人の夢を応援して支えてくれる正さんがあたしは本当に好きなんだと言う事。
魔法が余り効かなくて血が足り無い正さんがこのまま死んでしまうかもしれない怖さとかの悪い想像が浮かんでしまう事。
全部が頭の中で混ざってぐちゃぐちゃで訳が分からないのに頭の中の別の所で冷静な自分がいる事。
あたしは冷静な自分にぐちゃぐちゃした考えを押し付けて何も考えないフリをする。
もう2日も目を覚まさない正さんをぼんやりと眺め続けて。
「やっぱりここにおった。うーちゃんもちっとは休まんと食べて寝ないと身体持たんよ」
いつの間にか部屋に来ていた下井さんが気遣ってくれているって冷静な自分が教えてくれたけど、あたしは動かない。
冷静な自分が怒りを爆発させろ、悲しみを吐き出せ、心を動かせって囁いているけど、あたしには分からない。
どうしたら良いのかな。
あたし頭悪いから教えてよ正さん。
「あかんな、こりゃ。ヨウ姉さん頼むわ」
「眠りなさい。主殿が目覚めた時に貴女が倒れていては主殿が心配するわ、だからお休みなさい卯実ちゃん」
薄れて行く意識のなかでヨウさんもいたんだと初めてヨウさんが部屋にいた事に気付いた。
寒い
痛い
暗い
寂しい
苦しい
動けない
いや本当に痛えし息苦しいってか、酸素! 息出来ねぇ! 身体も動かんねぇ! マジ死ぬ!
両腕や上体が動かず顔を覆う何かから逃れる為に目を覚まして必死に顔を振り酸素を求めると、金髪と黒髪と細い指が目に入る。
呼吸を封じていたのは細い指、つまり他者の手。
その手の元へと視線を動かせば見慣れた銀髪の少女が寝ている。
自分が寝ているベッドに良く知る銀髪の少女、トイが寝ている。
なしてトイさんが同じベッドに寝ているのでしょうか、誰か教えてください。
トイが同じベッドで寝ている事に少し戸惑いと羞恥を覚えて俺は顔を逆に背けると、肩の辺りに黒髪の頭が見える。
割と見慣れた黒髪の頭。
なして卯実さんも同じベッドで寝ているのでしょうか、誰か教えてください。
更に訳が分からなくなり戸惑っていると、トイが寝返りをしたので顔を前に向けると胸の上に見慣れぬ金髪の頭がある。
髪の量が多くて撫で心地の良さそうな頭なのだが、今はその金色の髪の毛が鬱陶しいし地味に重い。
なしてリール王女が俺の上で寝ているのでしょうか、誰か教えてください。
「どう言う状況だよ、コレ」
3人の少女達が俺を囲んで寝ている状況が分からず俺はぼやいた。
以下、ノベプラ版ではお馴染みのモノクソどうでも良い事
作者 「嘘は言ってない、嘘は」
( ・-・)
下井 「あー、うん、なんや、嘘じゃぁないな、嘘じゃぁ」
(´・ω・)
山本 「あー、うん、なんだ、嘘じゃぁないが状況説明してくれ」
(´・ω・)
作者 「次回、下井がしてくれるから『待て次回』」
( ・-・)
下井 「本編に関わる事なん?」
(´・ω・)
作者 「バレバレでしょう、どう言う事か」
( ・-・)
下井 「せやね、バレバレやね」
( ・-・)
山本 「予想はつくけど説明してくれよ」
(^_^;)
マキ 「ベッドシーンってもっとエロエロしたのを言います! コレはベッドシーンとは言いません!」
(ノシ`Δ´) ノシ バンバン
作者 「違いますぅー、ベッドのあるシーンだからベッドシーンですぅー。エロシーンなんて言ってません、この助平」
(ノシ`Δ´) ノシ バンバン
山本 「まあ、俺は意識不明の重体じゃ何も出来んし、嘘は言ってないな、嘘は」
(^_^;)
下井 「作者が良くやる言い回し詐欺やね」
( ̄▽ ̄)ニヤリ
山本 「その顔、何か嫌な予感がするのだが……」
(^_^;)
下井 「さてのぅ。答えはいつも次回!」
b( ・`ω・´)グッ
山本 「ぜってー録な事してねぇよ、コイツ」
(´д`|||)




