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底辺のおっさん、再び回せず

「待て怪物共! その人達を解放するんだ!」

いきなり現れたボロボロな格好の男がシブを指差し訳のわからん事を言い出すと遅れてボロボロな格好の女が現れる。

 辛気臭くうつむく長い髪の女とサバイバル生活で肉が落ちたのか、萎びたミカンに口と目の辺りに切れ込みを入れた様な顔をした長身の男の男女だ。

 ぽかんとした表情を浮かべる俺達を余所にミカン男が構えをとると我に返ったシゴが前に出た。

 ミカン男が気合いの声を発するとミカン男が魔力の光に包まれる。

『身体強化』の異能だ、二ノ宮さんも異能を発動すると同じ様に光に包まれている。

 ぶっちゃけ、あの超野菜人の漫画やアニメのまんまだ。

「解放する気はなさそうだな、行くぞ」

ミカン男が俺の前から消え、二ノ宮さんが慌てて異能を発動すると、盾を構えたシゴが大音響と共に吹き飛び転がる。

「4人共、早くこっちに!」

4人? 俺達は俺、トイ、二ノ宮さん、シブ、シゴ、シン、ヨウの7人だ、トイと二ノ宮さんは一目で人間だと分かるとして、後の人間は俺だけなのだが···あっ、このミカン男、ヨウを人間と間違えてやがる。

 シゴが転がされるとシブとシンがミカン男に迎う。

 シブは横殴りの一撃をコンパクトに繰り出して、シンがシブの攻撃から一呼吸置いて薙刀を返して石突で突きを繰り出した。

 シブの一撃はカンフー映画宜しく脛で受け止められ、シンの突きは左手の裏拳で弾かれた。

 ミカン男からシブとシンが離れ、シゴが復帰し前に出るが、シゴの左腕はダラリと垂れ下がり盾も変形している。

 昭和が生んだスーパークリーチャー菊●に似た、このミカン野郎は顔だけで無く戦闘能力も怪物級の様だが···

魔女の一撃(ストライク・ウィッチ)!!」

俺達にはヨウのこれがある。

 ミカン野郎は苦痛の声を小さく上げるも構えを解かず、動きの無い辛気臭い女の前でガラスが割れる音と共に良くわからん何かがキラキラと舞う。

「な、防がれた」

ヨウが驚き声を上げ、辛気臭い女を睨む。

 二ノ宮さんはその場で小さなジャンプを繰り返して強襲するタイミングを取っている。

 なんとも好戦的に成った事で···

「あのな、女連れの兄さん。

 助けようとしてくれたのは有難いし、感謝もするが、此処にいる連中は俺の仲間と言うか、家族みたいな物なんだ。

 兄さんも腰やっちまてんだ此処までにしないか?」


 探索を中止した俺達は二ノ宮さんが辛気臭い女を背負いヨウがミカン野郎を背負って『へのへのもへじ洞窟』に戻ってきた。

『へのへのもへじ』言うと二ノ宮さんがキレるが、入り口の傍にデカイ『へのへのもへじ』がいつの間にか描かれてるので、誰もがこの洞窟を『へのへのもへじ洞窟』と呼ぶだろう。

 二ノ宮さんが辛気臭い女を風呂場に連れて行き「わぁーお風呂だ」と歓声が聞こえた。

 この我が家たる『へのへのもへじ洞窟』は現在木の板で作った幾つかの仕切りがある。

 風呂場や女性用の空間、調理場、俺の作業場、ヨウの作業場等がある、頑張って掘ったり埋めたりした結果だ···シブ達が。

 野郎共が雑魚寝する草を敷き詰めた場所にミカン野郎を寝かせてカドゥに治療を頼んでからトイに魔力チャージをする。

 今日の収穫物にゴブリンの魔石が3つある。

「あ! 主、トイ様のハンドル、次はオイラに回させて欲しいっス」

一寸(ちょっと)まったぁー」

風呂場から二ノ宮さんが文字通り飛び出して来た。

 大昔の集団デート番組かよ、君······

だいたい『シークレットボーナスガチャ』が都合良く発生する訳が無いだろ。

 とか思うとお約束、発生したよ魔力チャージ総量300の『シークレットボーナスガチャ』が······

シンと二ノ宮さんが言い合いを始めると、シロリやイットゥー、ヨウも参戦しだし収拾が着かなく成っていたのでジャンケンで決めた。

 俺が回そうとすると、二ノ宮さんが吠えるし··· 猛犬見たいに。

 ジャンケン大会の結果は二ノ宮さんがガチャの権利を手にしたが酷い大会だった。

 ジャンケン大会はイットゥー対カドゥで始まり、カドゥが打ち下ろしの『グー』パンチでイットゥーをノックアウトし、カドゥの反則負けや。

 余りにも普通にしていたので忘れていたのだが骨折したシゴの哀れみ作戦とシゴの怪我を無視して普通に負けるシン。

 治療を餌に八百長を強要するヨウが失格に成ったり。

 イットゥーに土下座させられるカドゥや、その上にトイが座ったり、座られたカドゥが「母なる聖器様にお座り頂き恐悦至極でございます」と気持ち悪い歓喜の声を上げたり。

 「聖器言うな」と二ノ宮さんが怒鳴ったり。

 トイの椅子に成りながら「さては小娘、聖なる器たる聖器と生殖器を混同しておるな、この大淫婦め」とカドゥが言い返したり、俺も止めて欲しいので二ノ宮さんの肩を持ったり。

 シゴに勝ったシロリがシブの棄権で二ノ宮さんに吠えられて棄権したり。

 二ノ宮さん対俺の最終戦では二ノ宮さんの威嚇が酷いので俺も棄権したりと。

 兎に角、酷い戦いに勝利した二ノ宮さんがトイの胸元のハンドルに手を伸ばし握る。

「うにゃ」

二ノ宮さんが気合いの声を噛みながら上げてハンドルを回す。

 召還演出の後、現れたカプセルは赤、ランク5とまぁまぁ当たりのカプセルだが、PKを外したサッカー選手の如く二ノ宮さんは嘆き悔しがっていた。

 何で良いからカプセル開けてよ······

 二ノ宮さんを宥めて開けて貰った赤のカプセルから『異世界の安売り衣類』と言う有難微妙な物が出る。

 案の定メモがあり『異世界日本の貧乏負け組の御用達、格安衣類量販店の更に格安な処分品のワゴン』と相変わらずケンカを売ってくる内容だった。

 二ノ宮さんは「着替えゲット!!」って喜んでるから良いけど、まだ顕現(リアライズ)しないよ。

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