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底辺のおっさん、キレられる

山本さん(←主人公)は果たしてJK二ノ宮さんとまともな会話が出来るのか?

 トマトの出番は有るのか?

 俺が謎生物JK二ノ宮に『所有する異能は何か』と尋ねると、困惑された。

 なぜに?

「あ、山本さんの言う『異能』ってのは分かりますけど···あたしは、その······」

「言いたく無いなら別にいいよ。

 ただ、俺は君を信用しない、それだけだ」

「あの、ちが、違うんです。

 あたし、自分の『異能』が分から無いんです、隠すとかじゃなくて」

「異能が分から無い? なぜ? 神を名乗る奴に望んだモノを貰ってるだろ」

「あの時にあたしが望んだモノですか? 特に何かを望んだ覚えは無いです」

「フン、言う気は無いって事か」

俺は呆れ謎生物JK二ノ宮、いや、ただの寄生生物のクズを鼻で笑ってやった。

 俺達から貰うだけ貰って何も返さないクズ。

 はっ『ボーナスハゲ』には何しても良いってか? クソガキが!!

「違います!! 本当に何かを貰って無いんです!!」

「あのさ、俺は言いたく無いなら別に言わ無くても良いって言ったよな? 俺は『アンタを信用しない』それだけだ」

「あたしはただ忘れたく無かっただけなんです!! 皆の事やダンスの事を忘れたく無かっただけなの!! 全部忘れて生まれ変わりたく無かったのよ!! だから此処に来たの!! 応援してくれたお父さんやナマぴーの事とかダンサーに成る夢とかを忘れたく無いのよ!! あたしは!!」

泣きながらキレやがって、知るかよクソガキ。

「はいはい、そこまでよ。

 主殿、今は食事の時間、主殿が言った事よ。

 卯実ちゃんも泣かないの、ほら座って、ね。

 主殿と卯実ちゃんがどう言った経緯で『異能』を手に入れたのかは分から無いからなんとも言え無いけどね、アタシは卯実ちゃんが嘘を吐いて無いって事は分かったわ。

 アタシには2人には認識のズレがあると思うのよ」

ヨウが促してクソガキを座らせるとの頭や背中を撫でて落ち着かせようとしながら俺を見詰め、他のゴブリン達も俺を見詰める。

 ゴブリン達が無言で見詰め俺の決断を待つ内で舌打ちし俺は顔を背けた。

「マスター、どうぞ」

トイが差し出した木のコップを受け取り中身を一気に呷り、余りの不味さに俺は噎せた。

「マスターの主食『滋養強草』汁です。

 マスター手製のコップに移し変えました」

主食ちゃうわ!! なんつーモンを飲ませるんだよ全く。

「マスターヤマモト、秘匿対話を願う。

 普段の様に声に出さずに応答して貰いたい」

え、声を出してたの俺···

「今も出ている、応答は思い浮かべるだけで良い。

 まず、マスターヤマモトとミスニノミヤが遭遇したとされる『神を名乗るモノ』の存在を私は『視て知る』事が出来なかったのたが、その時の状況を明確に教えて貰いたい」

俺はポーチにあるタバコを吸う。

 タバコを指で挟んで持つ事で口を隠す為だ。

「そうか『視て知る』事ができるのは、見た奴の記憶だったから『神を名乗るモノ』を目で見ていない俺から知る事が出来なかったのか。

 確かアイツは肉体が無いから五感も無いみたいな事、言ってた」

「成る程、対象に視覚が無い以上はその件を『視て知る』事は不可能だ。

 マスターヤマモトはその時、肉体を失っていたが為に死亡時からトイ殿と出逢うまでの視覚情報の断絶が起こったのだな」

「で、俺の場合は『元の世界での生まれ変わり』『異世界転生』『異世界転移』の3選択で、異世界への転移が30人転生が22人って事とライトノベルの様なチートの有無の確認した位か?」

「ふむ、其処だなマスターヤマモトの認識とミスニノミヤの認識のズレは。

 真っ当な人間は自己の死に戸惑い、チート『異能』等の習得入手の有無等は出来ない、精神余裕が無い為だ。

『異能』を保有していない可能性も考慮すべきだ、マスターヤマモト。

 だが、ミスニノミヤは魔力を保有している点から『異能』を保有していると見て間違いないだろう。

 しかし、ミスニノミヤは自身の『異能』を認識していない可能性もある。

 例えば『忘れたく無い』と言った事から『記憶強化』や『ダンサーに成る夢』から『総合身体強化』等の『異能』が上げれる。

『記憶強化』ならば認識されない恐れもあるだろう。

『総合身体強化』ならば魔力活性化次第では最悪、誤差の範囲に収まる事もあるだろう」

「そうか······ヤッパ余裕ねーな俺···」

俺は夜空を見上げながら紫煙を吐きホルダーに頼んでみた。

「二ノ宮さんに魔力の活性化とやらを教えてやれるか? ホルダー先生は」

「了承した、ミスニノミヤの『異能』を確認し有効ならば教育してみよう」

「ありがとう」

ホルダーの返答に俺は声に出して礼を言う。

 異世界転移した連中は27人も残っているんだ、多少は味方を作らんとな。


「俺が悪かった、許して欲しい」

俺は謎生物JK二ノ宮に頭を下げて許しを乞うと、謎生物JK二ノ宮は泣き張らした赤い瞳で俺を眺めてから顔を背けた。

「謎生物じゃ無いモン、へのへのもへじでも無いモンあたし」

何か呟いているが何を言ってるのかは聞き取れかった。

「卯実ちゃん何か言ったかしら? 何か主殿に言いたいのならアタシが間に入って上げるわよ」

「あたしは『謎生物』なんかじゃ無いモン!! あたしの顔は『へのへのもへじ』なんかじゃ無いモン!!」

いきなり怒鳴り出されて、側にいたヨウは目を白黒させてる。

 てか、モンって···

「あたしはちゃんとした人間だモン!!」

二ノ宮さんが見せられた山本さんの記憶では『空中をブン回される顔の分から無い縞パン少女』から『面倒臭い謎生物JK』と成っています。

 その為に『空中をブン回される顔の分から無い縞パン少女』時の顔は『へのへのもへじ』で山本さんの記憶は補完されていました。


トマト「ふー、喰われずに助かったぜ」

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