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底辺のおっさん、回せず

山本正さん←主人公は、まだJKから逃げます。

 ヨウに小さな、と言っても25メートルのプール位はある泉に連れられて、謎生物JKは顔洗う。

 バカめ、此処にはタオルなぞ無いのだよ。

 とか思いながら眺めているとヨウが自分の外套マントで謎生物JKの顔を拭き始めた。

 シンに『化けモンっス』と言われた顔を洗って多少はマシに成ったと思われる謎生物JKが戻って来る前に、俺は謎生物JKから逃げるべく洞窟の入り口で釜戸を作り始める。

 穴を掘って周りに石を積むだけの釜戸と言うには手抜き過ぎな物だけど。

 作りながら気が付いたが、金属製の鍋や土鍋と言った燃え無い器具が無いので釜戸を作っても意味が無いのだが作る事が楽しくて俺は周囲の声に生返事を返していた。

 その為に「マスター、魔力チャージしましょう」や「あの、夕食の時にちゃんと話してください、約束ですよ?」とか「主の体調を鑑みて『滋養強草』を採取してあります故、夕餉にでも」等に当たる必要が生まれてしまったのだ。

 まぁ魔力チャージは元々するけど、トイも自己主張が激しく成ったなぁ。

 

 オーガーの魔石が3つある、俺の拳程のサイズの赤く丸い石なのだけど見た目が『そこらにある石をラッカースプレーで色を塗った物』とまぁ安っぽい。

 とは言え左手に魔石を持ち右手でトイの手を握り魔力チャージと念じると、ゴブリンの魔石の時はゾワッとしたのが1往復だったがオーガーの魔石はゾワッが数十回も繰り返された。

 後2つもあるのか······

 難とか魔力チャージを終了し、トイの魔力チャージ量は173まで増えたが、何故そんなに半端な数字なんだ?

「マスター、魔力チャージ総量が初期値を上回りました。

 『シークレットボーナスガチャ』が1度だけ回せます。

『シークレットボーナスガチャ』は魔力チャージ量が規定値を超える事で1度だけ魔力消費なしで回す事ができます。

『シークレットボーナスガチャ』の回数は持ち越しや上乗せはありません。

 ガチャの内容はランク無制限のランダムガチャになります。

『シークレットボーナスガチャ』を回しますか? 『シークレットボーナスガチャ』に限り権利譲渡が可能です」

「へー、トイ殿のハンドルを主殿以外でも回せるんだ」

歯車が噛み合うガチャリと言う音がしトイが召還演出をし出した。

 ま、回しやがった!! ヨウが勝手に回しやがった!! ちくしょう!!

 回したヨウ自身もぽかんとした顔でトイの召還演出を見ている中、トイの発光演出で謎生物JKが「キャ」と小さく悲鳴を上げていたが、んな事はモノクソどうでも良い。

「ランク7です」

演出終了後、トイは召還された銀のカプセルのランクを告げた。

「えーっと、主殿? 何故回せたかは分かりませんが、お怒りでしょうか? その、申し訳ございません。

 譲渡された訳では無い故に回らぬと高を括って居りました」

お、怒るに怒れねーよ、ちくしょうめ、なんでランク7!! 当たり引くかなぁ。

「マスター、私のハンドルを回す事で権利譲渡が成されたと見なされました。

 また、譲渡されるのは回す権利のみであり、カプセル及び中身の所有権はマスターにあります。

 マスター以外の顕現リアライズ能力所有者で有っても、顕現リアライズは不可能です」

あっぶっねー、下手したらランク7のカプセルがヨウの物に成っていたのかよ。

「あー、なんだ、結果オーライだ、ありがとう。

 開けて中身を確認しよう、ヨウが開けてみたら?」

「え、よ、宜しいのですか?」

「ガチャを回したのはヨウだし、気になるだろ?」

「は、はい、では、開けさせて頂きます主殿」

ヨウの顔が緊張で強張り銀のカプセルをゆっくりと捻る。

「主殿、開きました、開きましたが···」

カプセルの中には調理器具一式と桶とでこぼこした板が置かれた机とサイドテーブル兼用のキャスターの付いた小さな引き出し棚、その上に置かれた芋虫の様な何かと取説の様なメモがある、家具フィギュアと言うヤツだ。

『異世界日本の基本的な生活必需品。

 販売価格39,800円の負け組貧乏人に優しいセット』とメモに書いてある。

 嫌がらせだ、絶っ対に嫌がらせだよ!! これ。

 ランダムガチャの最大ランクが5なのにこれはランク7だ、レベルを上げて真っ当に入手出来る頃には、要らない物に成ってる様な物ばかりだし、ガチャの内容を決めたヤツは絶対に性格が悪い。

「あのーそろそろ食事にしませんか? 日も暮れ始めてるし」

関わりたく無いから存在を忘れていた謎生物JKが手を挙げて提供してて来やがった。

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