底辺のおっさんは、旅立つ
幾つかのエピソードに欠落があり、修正しました。
大変申し訳ありませんでした。 m(_ _)m
俺はホルダーからモノクソどうでも良い『古代ペルシャ軍並みのクソ野郎ども』について説明をしてもらったが、余り意味はなかった。
俺達をゲームのコマにしているクソ野郎どもの干渉を断ち切る必要があるのだが手段が無い。
家族の元に戻るにしても手段が無くてどうにもならなくて正直、手詰まりだ。
今の俺に何が出来て何が出来無いのかも曖昧なのに、転移転生先を選べと言われても実際、困る。
困る訳なので、目の前の神様にヒントでも貰うとしょうかね。
「は、はい。山本さん、今なんと申されましたか」
「いや、だから俺も目の前の『俺の義理の母』を名乗る機械神を使う事が出来るのか」
最も簡単で最も確実な手段を試していない訳なので、俺は目の前にいるご都合主義の存在を俺にも使えるのか尋ねると『ソレは』瞳を見開き口を半開きにした間抜けな顔で驚愕した。
なんでもありの願望機で願望を叶える事が最も簡単確実な方法だが、使用コストやリスクが無いはずがないし無闇に使えない様にロックが掛かってるかもしれない。
まぁ、モノは試しだ。
「あー、うん、なんですか、まぁ、その、使えない事も無いのですが内容次第です」
「よし、なら使用条件と使用方法を教えてくれ。
完全世界平和を願ったら、無の世界に放り出されても困るしな」
「そんな事はしませんよ、全く。
そう言う事が起きない様に意識を過去に送って改変するんですから。
良いですか、なんでもかんでも改変出来る訳ではないんです。最低必要限の統合性が無い世界に改変する事は不可能なんです。
過去から今に繋がる理由が無いとダメなんですからね!」
また怒られたよ、何でかな……
ホルダーをベルトに差して俺はこの空間から旅立つ。
俺が選択したのは俺が望む未来が待つ世界を探す事だ。
目的の世界にたどり着いたとしても、旅の記憶は失われ未来は改変されるかもしれない。
それでも俺は家族と再会する為に無限の平行世界を旅する事を選んだんだ。
「山本さん、確かに世界を確認して回ればいずれは望む世界にたどり着くでしょうが、貴方の精神が保たれるかが心配です。考え直しませんか」
「卯実との約束もあるからな。すぐに見つかるさ、探している過去さえあれば、見つかる未来が生まれるんだしな」
俺は首を振って意思が変わらない事を示し、心配気なヤツの頭を乱暴に撫でて、怒られる前に走り出した。
「死んだらまた来る、じゃあな『マキ』」
俺は『俺の義理の母を名乗る存在』に名前を残して無限の平行世界へと旅立った。




