底辺のおっさんの魔力はゼロ
短いです
『召還姫』を名乗る少女の右手を両手で握り目を閉じ『魔力チャージ』と心の内で俺は何度も唱えるが結果は失敗。
「エラー。
現時点でのマスターの魔力はゼロの為、チャージが失敗しました」
無表情で平坦に失敗を『召還姫』は俺に伝える。
俺の生命線であるガチャ召還をする為には魔力が必要なのだが『召還姫』の存在維持する為にも魔力が必要であるが、今の俺には魔力が無い。
「な、なあ、魔力ってのは自然回復するのかな?」
「はい、この世界は魔力が満ちています。
魔力保有存在であれば自然回復は可能ですが、現時点のマスターは魔力を保有しておりませんので自然回復する事は有りません」
つまり、最大MPゼロって事かよ……
「存在階位の上昇に寄り魔力を保有する可能性は有ります」
「『召還姫』さんの魔力は何時までもちますか?」
「自己保全の為に消費する魔力は状況に寄り変動します。
通常稼働であれば1日辺り1の魔力を必要とします」
つまりこの娘の寿命は現時点では110日、ガチャ召還を1回、回せば10日づつ減る訳だ。
かと言ってガチャ召還しなければ10日と経たずに俺が死ぬのだが、どうする?
単発で回して『召還姫』の寿命を伸ばすか、11連に賭けるか?
……考える必要も無く11連だ。
「『召還姫』さん、11連ガチャを回す。
ただ、貴女が嫌なら単発で回させてくれませんか?」
「了解しました。
11連ガチャ召還を設定致しました。
マスター、胸元のハンドルを回して下さい」
『召還姫』は迷いも無く了承し、服のボタンに成っているハンドルを回してくれと俺に伝えた。