底辺のおっさんは、コンテナハウスを建てて見た
日も落ち出しているのでトイを追い返す訳にも行かず、今日の所はこの場のメンバー全員で完成した6メートル四方のコンテナに泊まるとして俺はコンテナの内部をヨウに明かりを付けて貰って確認している。
コンテナの内部は女性用の部屋が1つあるだけで他には中心の柱と梁があるだけで他には何も無い、元々が壁を取っ払った箱なのでこんな物だろう。
うーん、女性用の部屋にしにているブロックの上が無駄な空間になってるから壁に階段でも付けて上も部屋にしようか迷うな。
内部を確認して分かったが、寝るだけの場所と割り切っていても、人数が人数なのでとても狭い。
特にブロゥがいるだけで1ブロック潰れるから次回からは12メートル×6メートルに拡張した方が良さそうだな。
「内は狭いポね」
内部に入って来たブロゥの不満気な呟きで俺は気が付いた。
箱で建てる必要は無いんだった、要は風除けの壁と屋根があれば良いんだし……
「マスター ヤマモト、他人を信じ過ぎはよろしく無いぞ」
「騙したなホルダー!」
「騙したとは人聞きの悪い。1人1箱にする方法や箱を壁代わりにして屋根を乗せる方法など色々とあるのだが、箱を組合わせる方法を選択したのは君だ、マスター ヤマモト」
ホルダーに気を取っ払っていた俺の肩にブロゥがそのデカイ手を置き、空いた手でサムズアップをして見せる。
「ミー達はちゃんと外で寝るポから安心ポよ」
有難いけどチミのサイズが問題なんだよブロゥ君。
「何を言っているのだ兄弟、某達が交代で使用する分には問題なかろう」
「ポ? ダディとプリンセストイ達の愛の巣じゃ無いポか?」
「ここ、移動拠点! 話、ちゃんと聞く! オーケー?」
「ダディ、片言になってるポが、大丈夫ポか?」
お前のせいだよ!
卯実はくねくねしてるし、ヨウは帽子で顔を隠してるし、トイも無表情なのに心なしか顔が赤いし。
鶏頭め、セクハラいくない言ってるだろうが。
「コンテナハウスは女性陣と探索に出るメンバーが使うとして、留守番はどうする? 廃棄しても良いけど」
狭いコンテナハウスの外で干し肉などの保存食で夕食を済ませた俺達は明日の行動について話し合う。
どうでも良く無いが鍋が欲しいぞ、干し肉だけってなんか侘しいし。
「留守番って、相棒とトイちゃんの他に?」
「俺とトイの他にだ。こんな防御力ゼロの建物じゃ安心出来無いだろ。
俺とトイは戦闘能力が無い訳だし、俺とトイは帰るって選択もあるけどな」
「主の安全を考えれば、帰還していただきたですな。
シド、主達を同時にお連れする事は出来るかお主」
「条件付きで肯定。
マスター及びトイ殿を連れた場合、本機の戦闘力は36パーセントまで低下します」
「危険ですね、それは。
シドの空からの探索も惜しいですから、我々が陸路でお連れした方が安全では」
「陸路だとするとメンバーは、山本さん、トイちゃん、ヨンタの他にイットゥー、ソウセキのどちらかが付くとして他はどうしますか、山本さん」
「ソウセキです、マスター」
竹井君にすかさずトイが返答するのだが、トイさんはソウセキで遊びたいのね、全くこの自由人は……
「ソウセキを連れてくとなると、道が分かるブロゥと防御力の高いシゴかな。
いざと成ればブロゥに運んでもらえるしな」
「主殿、探索を明日以降に延期するべきじゃないかしら。
シドとシロリの空からの探索と少数の留守番を残して他は主殿の警護兼ルートの確保するのはどうかしら」
最後のヨウの提案が一番無難だし、そうするか。
でも俺は何の為にここまで来たんだろう?




