ドラゴンスレイヤー
バトルサイド : B
黒いドラゴンをガトリングで牽制、黒いドラゴンの突撃を回避、同時にキャノンによる砲撃。
地上にて砲撃準備をするシロリの合図を半生物兵器である『デストロイド・ドラグナー』のシドは待つ。
機械化された彼にとっては、黒いドラゴンの単純な攻撃は全く苦にならない。
実体弾が弾切れになったガトリングランチャーのモードを変更して魔力弾モードで牽制する。
腕にある3連パイルバンカーを黒いドラゴンの頭部に打ち込めば撃破出来る。
そう判断したシドは行動に移り、黒いドラゴンの突撃を上昇して回避して、そのまま黒いドラゴンの背に降りる。
「本機はこれより目標の撃破を試みる」
宣言の後にシドは黒いドラゴンの頭部へと駆け上がるのだが、黒いドラゴンも馬鹿では無い。
黒いドラゴンは不意にシドを背中に乗せたまま錐揉みしながら急降下しシドを振り落としてその場に留まる。
単純な繰り返しで危機感が欠如していたシドは不意を突く錐揉み回転で空中に投げ出されるも、シドは竜翼を展開して空中に留まる事に成功してしまった。
黒いドラゴンの狙いはシドをその場に留める事。
黒いドラゴンはシドに向け口から火炎球を吐き出す。
竜の息吹き。ドラゴンの代名詞とも言える攻撃であり、この黒いドラゴンは球体状の竜の息吹きを吐く。
シドに何度となく避けられた火炎球だが、今回は地上に向けている。
シロリのいる地上にだ。
シドは回避するなら簡単に出来る。
たが、シロリの存在と自らが招いたミスの不始末から動く事が出来ず、シドはその身で火炎球を受け止める覚悟を決めるのだが。
「フルチャージ完了! 避けてシド!」
シロリの声がシドに届いた。
シドが黒いドラゴンの背中に降りたのをシロリは目にして直ぐにアイバットのアインを通じて山本に報告する。
「今はシドに任せてチャージして。
でも、状況次第ではチャージ完了前でも撃ってくれ」
山本の指示にシロリは「了解」と短い返事をしてシドを見守る。
黒いドラゴンはシドを背中に乗せたままシロリのいる方にクルクルと錐揉み回転しながら急降下して来た。
シドが空中に投げ出され落下して行く。
シド空中で体勢を整えて空中に留まるのだが、その位置は黒いドラゴンとシロリを結ぶ直線上だ。
シドはこの状況をミスと判断して自分を盾にする覚悟を決めたが、シロリはチャンスと捉える。
「フルチャージ完了! シド避けて!」
シロリはバスターランチャーのトリガーを引く。
バスターランチャーから光線が放たれる。
シドはシロリの声を聞き直ぐさま落下して光線を避けてみせる。
射出口より太い光線が黒いドラゴンを目掛けて伸びる。
竜の息吹きがシロリを目掛けて飛んで来る。
火炎球とバスターランチャーの光線が空中で激突すると火炎球は爆発し、バスターランチャーの光線は黒いドラゴンの頭部を貫通した。
サイド : 山本
シロリのバスターランチャーが黒いドラゴンの頭を撃ち抜いた。
黒いドラゴンは糸が切れた操り人形の様に地上へと落ちて行く。
「シロリ、シド。油断せず確実にドラゴンを始末するんだ」
ヨンタを通じてシロリ達に指示を出して俺は他のグループを確認する。
竹井君達のグループは問題無し。
戦闘中のシブ達のグループを確認するとこちらはカドゥが参戦した為、状況は拮抗していた。
一時離脱を指示したソウセキだが槍持ちオーガーに目を着けられていて離れられずにいる。
手が足りていないな、こっちは。




