底辺のおっさんは、蹂躙劇を眺める
俺は4番目のアイバットを肩に乗せ、ホルダーが見せてくれるアイバット達の視界で状況を確認している。
ゲームなどに良くある半透明のウインドウが複数、俺の視界に映し出されている。
ウインドウに映されているのは各アイバット達の視界だ。
シロリを乗せて移動中のシドを映すアル君、洞窟の入り口付近で警戒するシン達を映すミイちゃん、バリケードの奥で待機するシブ達を映すアイン君、奥に避難したトイ達を映すヨンタ、そして俺達が待機する食堂を映す4番目の子、合計5つのウインドウをチェックするが、特に問題は無さそうだ。
「マスター ヤマモト、そろそろの様だが」
ホルダーの念話で俺はシロリ達のウインドウに注目すると、シドが尾を腹の辺りに回し、その尾の上にシロリが座ってバスターランチャーを構える。
アル君はシロリの肩に移動した様で、眼下のオーク共の混成部隊が良く分かる。
オーク共の混成部隊は現在、俺達が作り上げた川までの道を進んでいる。
「マスター ヤマモト、ランチャーの魔力フルチャージ完了したとの報告があった。何時でも行けるが?」
「ああ、行くぞ!『開戦!」
「「了解!」」
シロリのバスターランチャーが光球を打ち出し、着弾する。
この一撃で混成部隊の前衛が吹き飛び、おおよそ半数を倒した事になる。
シドのガトリングが逃亡するオークを撃ち殺す。
ショートチャージでバスターランチャーを撃ち、オーガーを始末するシロリ。
キャノンを展開してハイオークを狙い撃ちするシド。
杖持ちオークの反撃だと思われる火炎弾は、シロリがバスターランチャーから光線を出して迎撃し、光線はそのまま杖持ちオークを始末する。
シロリとシドによる一方的な蹂躙は直ぐに終了したのだが、洞窟の入り口に、離れていたイットゥーが飛び込んで来る。
「別動隊15、オーガー3、オーク12! ソウセキが牽制中です!」
イットゥーの報告を聞きブロゥが前に出る。
「少し本気を出すポか」
ブロゥはそう言うなり、全身を発光させて進んで行く
アイン君が入り口に移動し、ミイちゃんはブロゥについて行き、直ぐにソウセキを発見する事が出来た。
ソウセキは4足歩行で走り、魔力弾と思われる光球を背後に撃ちながらブロゥの方へ進んで来る。
ソウセキを追って来るのは、オーガー2、オークが6から9ぐらいだ。
「ポァ!」
ブロゥが先頭のオーガーにジャンピングラリアットをかまして始末する。
ソウセキはブロゥに飛び越された直後にUターンしてから2本足で立ち全身を発光させる。
「『ニャーンにゃくっる』!」
ブロゥの背中を狙うオークに飛び込みパンチを繰り出してソウセキはオークを吹き飛ばす。
「はんげきかいしにゃ!」
ソウセキが構えを取るのだが、一寸間抜けで可愛い。
ブロゥはオーガーを一方的に撲殺し、ソウセキは謎の技でオークを切り刻む。
こちらも問題なくカタが着きそうだな。




