底辺のおっさんは、ダメ出しする
再び遅刻したよ
ホルダー先生の悲しいお知らせを聞き、俺は死にかけている久能の側に行くと悲しいモノが作られていた。
うん、そうさ、予想通りだよ、知ってたさ!『この野郎が水溜まり生産者』だって事はさ!
死にかけの久能は1人で痙攣しており、お供の狼は恐怖で硬直し、竹井君のブラッシングを受け入れている。
猿の方も恐怖で震えながら狼の側に座っている。
俺はカドゥに無い方が良い仕事である治療を頼み、ヨウに『水溜まり』や周囲に『浄化』の魔法を頼んでテーブルに戻る。
俺は意を決し『年末のラスボス専用ドレス』をデザインした彼女等をテーブルに呼ぶ。
「朝丘のドレスのデザイン画は素晴らしいのだがな、これだとジャンのおっちゃんと朝丘が並べ無いから。
そのなんだ、あー、うん、なんだ、言い難いが今回は見送りと言う事で、どうでしょうか?」
ここら辺が俺の限界さぁ、笑いたければ笑うがいいさ。
「そっか、朝丘だけじゃ無いんだった。
ジャンさんの事も考え無いとダメだったんだ」
「マスター、ジャンの存在を失念していました」
「む、確かにその通りだな。
ジャンも主役の1人だと言う事を失念していた、すまんなジャン」
「そうでありましたな、ジャン殿すみませんでした、であります」
無事に『年末のラスボス専用ドレス』を作らずに済んだな。
ふとジャンのおっちゃんと朝丘を見ると。
「ええべ、ええべ、夕は幸せもんだべ、たんと祝福さしてくれっとな」
「ええ、ジャン。でも貴方の事も祝福してくれているのよ、ジャン。
山本や凛花、卯実にシャルローネ、竹井やゴブリン達、この間まで死にかけていたアンまで、わたしと貴方の2人を祝福してくれてるのよ」
「そだな、夕」
「ええ、ジャン」
などと言い、見詰め合って固有結界『二人の愛の世界』を生成開始しだす。
はい、結界使いの朝丘らしい固有結界です。
じゃねーし! 全くこの2人ときたら隙あらば、ブチュブチュとべさめむーちょをしやがって、お幸せに爆発しやがれコンチキショウめ!
ともあれ、久能については竹井君に一任するとしても、オーク共が気になる。
ヤツ等が繁殖するには哺乳類の雌が必要だと言う事が気になる。
オークのボスである転移者が何故、あの様に狂っているのか?
ヤツは個人の性欲以外にも、女を求めているのか?
女性の多い俺達はヤツに狙われずに済むのか?
ヤツを放置していて問題は無いのか?
嫌な予感がしてならない。
「マスター ヤマモト、4匹目の『アイバット』がこちらに向かって来るオークの混成部隊を発見した。
オーク15、ノーマルゴブリン15、槍持ちゴブリン3、ハイオーク4、オーガー2、杖を持つオーク1の合計40だが、今回はどうする」
ホルダーの報告は全面対決を予感させるには十分だった。




