底辺のおっさんは、逃げ出した
誤字の報告ありがとうございます。
銀色のカプセル、つまりランク7のカプセルだ。
前回ヨウが引き当てた物は日本の生活必需品セットだったが、今回は何が出て来る事やら。
アンがカプセルを開け首を傾げながら俺に差し出して来る。
「ヤマモト殿、何でありますか? コレは?」
カプセルの中身は黄ばんだドレスを着たマネキンのフィギュアと同じく黄ばんだタキシードを着たマネキンのフィギュア、そして嫌味なメモ紙がある。
『レンタル品なのに地味でシンプル過ぎるデザインが不評過ぎて誰にも選ばれず、未使用で放置された結婚衣装。放置され過ぎてカビ、黄ばみ、黒ずみがある』
相変わらず嫌な説明だが、コレはありがたいかもしれない。
加工すれば朝丘とジャンのおっちゃんの結婚衣装に使えるなコレは。
衣装担当兼、料理担当兼、小道具担当兼、司会進行兼、舞台監督兼、音響監督兼、友人代表の下井にフィギュアを見せて加工プランを俺達は話し合い、そしてオプションパーツとして指輪やブーケ等を作る事を決定したのだが。
暇なのか卯実やシャルローネ王女等ってか、女性陣全員が俺と下井に注目している。
ウエディングドレスとか、女性は好きだもんな。
「ねえ、相棒。そのドレスを加工するって事はさ、相棒は歌うんだよね」
なぜか卯実は能面の様な顔を俺に向ける。
「マスター、フィギュア加工に歌は不要です」
トイが相変わらずの無表情で俺を見る。
「ヤマモト殿の歌と言うと、あの呪詛の様なヤツか!?」
シャルローネ王女が驚愕して俺を見る。
そこまで酷くないと思うが? シャルローネ王女。
「あら、アタシは主殿の歌は好きよ。独特で」
ヨウ、それ、誉めて無いから······
「良いじゃないのみんな。山本が歌っても。
山本が歌うのはそれだけ楽しいからなのよ、きっと」
朝丘が、朝丘が、変だ! 何、その母親が小さな子供を見守る様な慈しみの目で俺を見るなんて変だ!
「山本や凛花が頑張って素敵なドレスにしてくれるのよね。本当にいつもありがと、山本、凛花」
朝丘が笑顔で俺と下井に頭を下げたので俺と下井は戦き、お互いに顔を見合わせる。
ヤバい、ヤバ過ぎる。
朝丘が明るく素直だ······ 近い内に隕石でも降るかもしれない。
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俺と下井は『恐怖!? 明るく素直な朝丘!!』から逃げる様に洞窟を出て男性陣と合流しそのまま探索に参加する。
朝丘から逃げる為だけでは無く、ソウセキとシドの能力を確認をする為でもある。
シドはアイン君と上空から探索し、地上はイットゥーとミイちゃんが探索する。
アイン君達アイバットは念話が使え無いのだが、ホルダーの中継機の様な役割が出来るので、問題無い。
まぁその分ヨンタがトイ達にオモチャにされるのだろうがな。
シドが空から先行して索敵してくれるので、俺達は直ぐに川沿いに出れた。
暫く川沿いを下って行くとイットゥーが足跡を発見する。
オーク共の足跡らしいが、今回の探索はどうなる事やら。




