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8 たぬきピンチ

それ程ピンチではない。

 

 本日も魔法の書を買うために1匹がせかせかと、1人がゆったりと歩いている。


「レベルも上がったし今日は残りの金額を一気に稼ぐ為に森の奥に行ってみようと思う」


 すでにラビならサキのマジックボールで一発で倒せるのでたぬきが暇なのである。


「分かったb」

 自動モーションを使いこなしているむらさきさん

 VRで意味も無いのだが昔のゲームの名残で挨拶やらの動きが設定されている。今のはサムズアップ、もちろんモーション使わない方が早い。



 ▽▽▽


 森の奥ではハグレではない普通のウルフとベア、ビーが出る。

 まんま熊と蜂である。

 ウルフは2匹以上確定で連携してくるので難易度が高いが、ハグレとステータスは変わらないようだ。


 気配探知に何か引っ掛かった。

「こっちだ」


 ベアがのそのそと歩いている、しっぽ小せぇな。


 先手のステルスアタックをたぬきが与え、大ダメージでタゲを取る。立ち上がるベア、デケェ。

 しかし前足はちっこいたぬきにはと届かない。背後からマジックボールが頭上を通りベアに当たる。

 ベアは四足に戻り引っ掻き、噛み付きを繰り出す。

「ぐぅ」ベアの攻撃をいなすのに精一杯で攻められない。


 このままダメージ与えられないとサキさんにタゲが移ってしまう!

 無理矢理小ステップでベアの引っ掻く腕の下に潜り込み脇へ出る。ぎゃー、しっぽかすった。

 転がりながらも剣を振り上げダメージを与え、振り向きつつ飛び上がりベアの首へ剣を突き刺す。


 ベアが立ち上がりぶっ飛ぶたぬき、直後ふらりと倒れていくベア、ポーンと飛んでいくたぬきを呆然と見ているむらさきがいた。

「たぬき、飛んだ」


 ▽▽▽


 ポンポン跳ねて転がるたぬき

「ぐっ!」

 衝撃と共にやっと止まったのはいいが目が回る。


 最初に持っていた微ポーションを取り出し、一気に飲み干しHPを回復。

「苦っ!水、みず!」


 背後でゆっくり動き出す何かにたぬき振り返ると、それはそれは大きなラビでした。


[キングラビ]

 巨大一角ラビそのものだが角に王冠が刺さっている。


「ぶち当たったのはこいつか」

「ギュー」


 巨大故に避けきれず剣を当て、吹き飛びながら地を滑るたぬき。突進の連続で徐々にHPを削られていく。


「ぐっ、不味い」

 残りの微ポーションを使いきったたぬき、二重の意味で不味い。


「お困りのようですね、手伝いましょうか?」

 木の影から姿を現す男性。

 死に戻りを覚悟していた中でのヘルプに飛び付く。

「頼むっ!」

 大柄で角が生えた男性がキングラビにタックルし、押さえつける。


 たぬきはステップで横に移動し双剣をふるう。


[みだれ斬りを習得]


 覚えたみだれ斬りをふるい続ける。


 マジックボールが右目に当たり暴れるキング。

 魔女っ娘むらさきさんの登場だ。

 キングのHPゲージも半分を切った。


 離れたたぬきにむらさきが近寄り、アイテムトレードの表示が出ると微ポーション4個が渡される。


 むらさきの優しさと、明らかに苦いポーションを処分しようとする思惑にたぬきの涙腺が緩む。


 回復したたぬきは男性と共にキングに近づきキングの右目にみだれ斬りをふるい、男性はナックルで殴りかかる。

 男性の動きはVR慣れしている。突進の初動で押さえ、噛み付きを軽くかわし的確にパンチを打ち込む。


「ラストッ!」

 飛び上がり剣を振り下ろすたぬきの後頭部にマジックボールが当たり地面へ激突する。

 男性がストレートを放ちキングがダウン。新王者の決定だ!



 ▽▽▽


「ごめんなさいb」

 むらさきさん、モーション間違えてます。

「ダメージ無いから大丈夫だよ」

 そうだ彼にお礼しないと

「いやー、助かりました。私はあらまき・カチカチ・たぬき、彼女はむらさきと言います。素材の半分どうぞ」

 ファーストアタックしたptに報酬が入るが、今回のようなpt外の男性には何も入らないので分けるのがマナーである。


「ご丁寧にどうも、羅刹と申します」


 鬼のような角と牙が生えている、八重歯が大きな感じだ。

 何故かスーツ姿でインテリ眼鏡をかけている。

 しかし、マッチョだ…背広はゆったりしてるがYシャツからはち切れそうな大胸筋、羅刹さんサイドチェストはいいですから。


「羅刹さんは鬼族ですか?」

「いえ、オーガですよ。下品な筋肉でしたので絞りましたが」

 羅刹さん曰く、オーガのタフネスと筋力の成長率から選んだものの、初期振りの体格変更が嫌で器用値と素早さに振ったそうです。


「その眼鏡とスーツは?」

「これは、町の生産プレイヤーに作って貰いました。眼鏡が賢さアップ、スーツは素早さ上昇で、初心者防具より硬いのですよ」

「へー。因みにその人のお名前は?」

「マッドスミスというお名前ですね、町の鍛冶場に運が良ければいると思います。」

「なるほど、ありがとう」

「ところでたぬきさん達は砦への護衛クエストやりました?」

「いや、魔法の書を買ってからにしようと思ってました」

「それならば現実の明日、この時間頃に一緒にクエストを受けませんか?1人で護衛は厳しいと思われるので」

「もちろんいいですよ。フレンド送っておきます」

「それではまた」


 バックダブルバイセップスで去っていく羅刹さん…

 真似するむらさきさん

 たぬきも真似してモーション追加しておいた。


 ムキッ!

マッチョは必須。オーガ基準ではガリガリですが。

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