5 ボッチ卒業
ステータスの数値は出しません!ノリで書いている弊害と思ってください。私は数値あっても読み飛ばす派です。
現在たぬきは豪快にしっぽを振り回しながら爆走中。
町と町を繋ぐ大きめの道まで出ると目的の町まで一気に加速した。(逆の町方向に行ったが途中の看板で気付いて戻った)
「筋力にしか振ってないが腐ってもコボルト、誰も追い付けまい、わはははー!」
ステップ挟みながら笑い声を響かせピョンピョン跳ねるたぬきがそこにいた
▽▽▽
「ぜー、はー」
どうやら隠しパラメータのスタミナが底をついたので。道の脇で食事を始めることにする。
「スタミナが空腹に直結か、最悪HPが減ってくのはリアルっぽいな、腹が減っては戦は出来ん。握り飯うまー」
そんな爆走を朝から続け、おやつ時にはイージス町までたどり着いた。
「ステップもLv5になったし、狙い通りだな」
門前までいくと
膝に矢を受けたようなアクセサリーを着けた見張りのおっさんに目的を聞かれた
ヤベェ、あのアクセサリー欲しい。
「ポーション納品と、冒険者ギルドへの登録に来ました」
「冒険者ギルドは正面右側の大きな建物だよ、そこで納品も出来る、ようこそイージス町へ」
完全に初めて町へ入る人のみ声をかける膝矢の人、間違いなくプロである。デキル!
ギルドの受付はおやじだった、そう受付嬢じゃないのである!
ポーション渡し、20Gもらい、冒険者ギルド登録し、Fランクになり、登録料20G渡した。
受付嬢なら会話をきっちり聞いているが、おやじである。
話し半分でクエストを受けた。
[町の周辺モンスターの討伐]
[ポーションの納品]
[砦への食糧運搬(護衛)]
ギルドを出て、流石に今回はクエスト詳細を確認してると、重大なことに気がつく。そう、村のモンスター討伐クエストだ。
「しまった!ポーションに気をとられて忘れてた。うーむ、なかったことにしよう!」
取り敢えず町の探索でもしようとすると。
「ん?体が前に進まない」
ステータス確認、問題なし。
周囲を見ると後ろに人影が。
「何奴っ!」
そこにはローブと三角帽子の魔女がしっぽを掴んでいる。
掴まれてるので半分位しか見えないが成人前の日本人っぽい顔立ちをしている、かわいい。無表情に近いが若干笑顔なのはmyしっぽを堪能しているからだろう。
明らかにコスプレみたいに浮いている。
元々リアルにないしっぽは意識しないと触られている感覚すらないが、意識すれば動かせる不思議。
海馬氏の執念がうかがえる。
彼女が質問に答えずこう言った
「これちょうだい」
「ひぃっ!」
「しっぽちょうだい」
「あのですね、私のしっぽは体の一部でしてあげられないのです。いや、そのナイフしまって!部位欠損とか無いから!全年齢対象だから!痛みも衝撃としてくるから痛くないけどって、違う!」
彼女が若干しょんぼりしながらナイフをしまう。
「わっはっは、魅惑のしっぽに捕らわれてしまうのも仕方がない。」冷や汗だらだらでのたまう
「私の名前はあらまき・カチカチ・たぬき、火魔法を極めんとする漢だ!」
「むらさき」
ツッコミ無しの返答に若干ヒゲがしょんぼり。
「むらさきさん、しっぽを離してもらえないか?」
「やだ」
「…あそこのパフェでも食べないか?奢るよ」
「食べる」
ふぅ、何とかしっぽの危機は去った。
パフェ2つ10G支払い食べながら彼女に聞く。
「なぁ、むらさきさんは魔法はつかえるのか?」
「無属性だけ。属性魔法の本を魔法店に買いに行くところ」
「ふむ、自分も一緒に行っていいかな?」
「うん」
パフェを食べ終え魔法店に行く途中、彼女に待ってもらい道具屋に寄り魔法店に着くのだか
「ザ、魔法の店って感じだな」
裏路地にありそうな怪しさ満点の店なのに表通りにあるのはファンタジーだからなのだろう。
結構広い店内だがトカゲの黒焼きやら謎の草が吊るされている。
プレイヤーも結構いるようだ。設定から頭上に名前を出せるが邪魔なので消している。
「ポーション20G、高いな」二本しか買えない
「魔法書発見!火の初級編は、1000G!?」
「高いね、私100Gしかない」
多分むらさきは初めたばかりなのだろう。
これはクエスト進めて金策しないと無理だ。
「お金稼がなきゃならんがもう3日目だし、10倍の時間加速だから夕飯時か。そろそろログアウトしないとな。おっと忘れてた、むらさきさんよこれをあげよう」
たぬきはインベントリから幸運のラビしっぽを出してむらさきに渡した。
道具屋によったのはこれを作ってもらっていたのだ!
残りのラビ素材は制作費に消えた。
[残金50G]
「いいの?」
「あぁ。」しっぽの安全の為なら安い買い物だ。
「ありがとう」
初心者の魔法の杖に着けられ揺れるラビしっぽ
普通なら帽子で隠れて照れた顔は見えないだろうが、ちんまいたぬきなので丸見えである。ニヤニヤ
「自分はこれで落ちるからフレンド登録を送っておくよ。また昼過ぎからインするだろうから運が良ければまた会おう!」
手を振る自動モーションをかけながらログアウト操作をしてたぬきが消えていく。
「またね」
そんな声が消えていく中で微かに聞こえた気がした。
ほっこりラストにするとボケられないというジレンマ。流石に50Gの天丼はここまでのはず。