2 たぬき大地に立つ
近未来ゆえ、高性能AI搭載のNPCです。
「さぁ!新しい人生の始まりだ!」
》キャラクター製作の完了
ポティッとな
おぉ、視界が白くなっていく。目がー目がー
▽▽▽
ムービー流れ始めたんですけど…
格好いいけど世界観分からないし、キャラクター知らないのに、しかも長い……
スキップできないの?…あぁ、できないのね。
VRだから離席も出来ない。
おぉ、戦闘シーンヤバい!
つか、猫耳少女いるけど……まさか…ね
ん?終わりか
最後にタイトルどーん
New Life Phantasy
▽▽▽
「やっと始まりか」
周辺を見るとどうやら草に埋もれている様だ。
青臭い、嗅覚が鋭くなっているのだろう。
身体はもふもふしている。
「草で何も見えんwww」
そう、コボルトの身長は人間の腰辺りである。
普通なら近くに先に進める目印が見えるはずなのだが。
「取り敢えず持ち物確認だな」
武器:初心者のショートソード×2
防具:初心者の胸当て
初心者のグローブ
初心者のブーツ
[アイテム]
回復ポーション(微)×5
お詫び石×2
[スキル]
気配探知 Lv1
(ソード)
ステップ Lv1
スラッシュ Lv1
――――
「石あるのかよ!」
鑑定は現時点では無理なようだ。
「よし、この剣の切れ味試して見よう」
両手に初心者のショートソードを持ち
「はぁぁ、回転斬り!!」(気分です)
[回転斬りを覚えました]
[雑草×1を入手]
「なるほど、草を斬ってもお金は出ない…と」
オカリナ吹いたり、妖精を瓶に詰めるゲームと間違えているようである。無論そんなシステムは無い。
周りの草が無くなったことにより、木造家屋の屋根が微かに見えるようになった。
そちらに歩いていくとどうやら村のようだ。
門をくぐるとと老人に声をかけられる
「旅のお方かな?村へようこそ。何も無い所だがゆっくりしていってくだされ」
「すまないが、ここの村の名前を教えて欲しい」
「ただの村ですなぁ。あえて言うなら村長、つまり儂の名字、ドリュッセン村ですかのぅ」
村長の名字カッケー!!
「名乗りが遅れましたが儂の名前はジジ、ほとんど村長と呼ばれてますがのぅ」
「あらまきと言います。もしかして奥さんの名前は?」
「ババと言いますが?何か?」
「いえ、何でも」適当過ぎだろ!
取り敢えずお金が100Gしか無いので村長に仕事が無いか聞いてみたところ。
「お願い出来る仕事はこれぐらいかのぅ」
[薬草の納品]
[村周辺モンスターの討伐]
[山頂ドラゴンの討伐]
まぁ、初めてのクエストだしこんなもんか。
イヤイヤイヤ
「ちょっ、ドラゴンって!」
「お?受けますかのぅ?」
「何だそのボケ待ちの振りは!」
「全部受けます!」(ドヤァ
「おぉ、受けてくれますか!宿が必要なら儂の家をお使い下され」
▽▽▽
「ハイ無理ー!!」
ウルトラ上手に焼けました。
そらぁ、ブレス一発っすわー。
何かドラゴン討伐隊の姫とかと会うんじゃね?
っていうフラグでもあるのかと踏んだんだが。
あの村長め、一人で身体張ったボケやっても恥ずかしいだけと思わんのか!
「ふむ…足元のサークルは何だ?UFOでも来たのか?」
「あぁ、初期位置か。屋根が見える」
「もう夕方だし村長の家に行って文句のひとつでも言わないとな。」
そんな訳でアフロとなったたぬき
しっぽをズリズリ引きずりながら村へ帰って行った。
所持金50G
負けイベントは運営の罠