14 ダンジョン
♪しょ しょ しょジョウジ しょジョウジの庭は
ポージングに余念がない羅刹と、
道具屋で買ったダンジョン用のアイテムをむらさきさんに分けるたぬき。
今いるのはギルドホームだ。
ホームは結構なお値段だったがポーションの金がある。
キャッシュでポンと払った。ぽんぽこ
隔離空間にホームがある。
フィールド上の非戦闘時か街中の安全区画で、ギルド員のみ入れる。防犯はバッチリ。
背景は精神と時の部屋っぽく白い石畳にした。
何と!現実の10倍修行が行えるのだ!
人数もいないし一軒家タイプで、移動式の宿みたいな便利さ。
みんなバラバラでもホームで集まれるのだ!戻るとバラバラだけど。
準備も出来た、【ダンジョン踏破者】の初ダンジョンだ!
▽▽▽
ダンジョンはオーソドックスな10階層で中ボスだ。
各階層の階段横には転送陣があるので登録しとけば次から行った階層に直通できる親切設計。
マップ機能もあるので迷わない。VRでマップ無しは泣く。
一階層は土の巣穴っぽい。脆そうな壁に剣を当てるが削れない。
「ダンジョンは破壊不可能みたいだな」
「床ぶち抜けない」
「例外で隠し通路に行けたりはありそうですね」
現在たぬきの頭は光っている。
王冠の装備を外してランタンを頭に装備中。
出てくるのはネズミとコウモリ、カサカサ動く黒いヤツだ。
運営め、初心者の心を折りに来ている。心折設計
むらさきさんは積極的にヤツを滅ぼしている。
「ひゃっはー、Gは消毒だー」
たぬきも炎を吹き出して援護する。
羅刹は後方の警戒だ。
3階層からヤツは消え去り別のモンスターが登場し始める。
スライム、スケルトン、アリだー!
アリが大型犬サイズはちびる。
VRで昆虫類はやめて欲しい。
因みに二足歩行の昆虫族も作れる。
自分がその姿で動くのだ、相当好きでもなければやらないだろう。今のところ使っている勇者はみられない。
スケルトンとスライムがいたのでスケルトンにステルスアタックを仕掛ける。
「わっ!?」転ぶスケルトン
わっ?スケルトンがしゃべったー、きゃー!
「たぬき、プレイヤー」
うむ?頭上表示をオンにする。
『スラ次郎』
『スケ三郎』
なんという紛らわしい、太郎は何処だ。
「これはすみません、モンスターと間違えてしまいました」
「大丈夫です、よく間違えられますから、ハハハ」
PK有りのゲームだったら諦めちゃうよな。
せめて人ともpt組まないとこのエリアはダメだろう。
「10階層まで一緒にいきませんか?」
「いいんですか?」
「ええ、それ以降はスライムとスケルトンも湧かないようですし。」
他から見ると、まともな人がむらさきだけの臨時ptが結成された。
9階層まで突破したたぬきpt
スラスケのコンビもそこそこ出来る。
たぬきの魔法は封印扱いとなり、前衛で頑張っている。
魔球ファイアボールを速射で放ったら跳弾でえらいことになったのだ、ダメージ入らないけどそばを掠めていく魔法は怖い。
10階層のボスはオークキング
臭い
…くさい
たぬきは鑑定のスキル書を読んでいる。
スラスケとむらさきさんはサンドイッチを食べている。
羅刹はオークキングとタイマンで殴りあっている、道中暇だったのだろう。ボッコボコにしている。
流石うちの殴りタンク、安定感半端ない。
オークキングが光となり、宝箱が出現する。
「こん棒と斧か、使わないな」
話し合った結果、斧をスケ三郎さんに、こん棒は羅刹に渡した。
「何だろう…こん棒が似合ってる」
眼鏡とスーツ、悪コートにこん棒担ぐ姿は頼もしかった。
スラスケコンビと別れてホームに帰る3人。
「まだまだ余裕ではあるが、ここからが本番だ!」
シチューかき混ぜながら話すたぬき
「頑張る」
宿題しているむらさき。
こん棒を磨いている羅刹。
俺たちの冒険はここからだ!
▽▽▽
11階層
石のダンジョンである。
ギルドで仕入れた情報によると、ここから罠に気を付ける必要があり、モンスターが連携してくる。
ゴブリン、オーク、タランチュラが主に出現。
「注意すべきはゴブリンアーチャーとコブリンメイジだ、優先的に自分とサキさんで対処する」
倒してしまってもかまわんのだろ?
気配探知を持つたぬきが前だ、ガンガン罠を踏抜く。
ロープに足をかけられ天井からぶら下がるたぬき
[罠探知を習得]
狙い通りである。(魔法店でスキル書売っている)
何故か頭上のランタンは逆さでも落ちない不思議。
15階層を通行中にすすり泣く声がする。
女の子が1人うずくまっている。
「どうしたんだ?」声をかけるたぬき
「迷ったの」迷ったのか、オークキング倒してか?
「それじゃあ、出口まで送ろう」
「ありがとう、お兄さん」おじさんじゃなくて高評価
「よし、二人とも20階層まで急ぐぞ!」
「えっ?えっ?!」
驚く少女をむらさきさんに任せて前衛二人でモンスターを蹴散らす。高品質ポーションを湯水の如くたぬきだけ使用して。
羅刹はほとんどかすりもしない。連邦のオーガは化け物かっ!
そのまま20階層のボスへと挑むあらまきと少女。
「えーーー!!」
ボスはゴーレム。相性的にたぬき戦力外。
10階層の焼き直しである。
こん棒でゴーレムの身体を削っていく羅刹、目を狙うむらさき。
少女とたぬきは声援。
「どうして私を連れてここまできたの?」
少女の質問に答えるたぬき
「戻ってまた来るの面倒じゃん」
無駄に往復するのが嫌なタイプなだけだった。
しちゃいけない顔でたぬきを見る少女
「外に戻ったらイベント有りそうだし」たぬきメタい
無事ゴーレムを倒した羅刹とむらさき。
宝箱が出現する。
宝箱の中身は『ゴーレムコアの杖』
むらさきさんに渡す。
これでたぬき以外の装備が充実していく。
奥への階段の扉は塞がったまだ。
扉のそばに魔法陣が出現する。
10階と違う現象だ。
「奥に行くには鍵がいるようですね」
羅刹が扉を調べて答える
「とりあえず戻るか」
魔法陣に乗り、むらさきと少女が来るのを待ちながら
夕飯何を作ろうかと考えるたぬきであった。
ネタがなかったのであっさり。




