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11 迷宮都市

やった!やりとげた!

 イージス町へ戻ったたぬき一行は冒険者ギルドにて迷宮都市について確認する。


 受付が女性だったのでしっかり確認する。

「護衛クエストのクリアでポイントが一定値を越えましたのでEランクになります。ご確認下さい。

 迷宮都市はこの町の南にあり、ダンジョンには今まで以上の強力なモンスターと、最奥の50階層にはドラゴンがいるとされています。」


 ドラゴンやだぁ。

 アフロのフラグにしか感じられない。


 南門から街道を進むたぬき達、羅刹は腕を組んで馬に乗って走っている。たぬきも真似したいがライオンの上は相当跳ねる、首輪にしがみつくので精一杯だ。




 ▽▽▽



 道中は特に何もなかった。

 賊に襲われているお偉いさんの馬車を助ける突発イベントで懐が潤った位だ。

 都市に着くまでに3回遭遇する位のよくあることだ。

 見た目王冠のたぬきの方が偉そうではあるが気にしない。



「デカいな」

「大きい」

「そうですね」



 昔のゲームの世界だと住んでる人が少な過ぎない?って程、都市のサイズは小さかった。大きくてもプレイヤーには不便だからだろう。


 イージス町もそこそこ大きいがその比じゃない。

 迷宮都市の迷宮って都市自体のことではなかろうか。

 この広大な都市の探索は燃えてくるぜ!



 ダンジョン探索は後にして各自都市の探索し、宿で情報の共有をすることにした。

 むらさきは明日学校の少年野球大会を応援するので不在だそうだ。リアルの情報は言わなくて良いと注意しておいた。


「野球か…魔球ファイアボール、いいかもしれない!」


 ギルドの練習場を借りて、魔球の開発に勤しむたぬき。

 目の奥には炎が燃え上がっている!


 ファイアボールが映っているだけなのだが。


 コボルトは魔法精度が良くないので何処へ曲がるか分からない悪魔のファイアボールが完成した。


 特訓で情報を得られなかったたぬきは、罰として羅刹のヘッドロックを受けてプラプラしながら次の日から情報集めようと思うのだった。



 ▽▽▽



 最初は大通りの店を見ている歩くことにしたたぬき。


 武器屋・防具屋は性能は良いがダンジョンで苦戦したら買い替えるべきだろう。買ってからダンジョンで手に入るとテンションが下がるし。

 もしかしたら攻略組がオークションにお下がりを安く出してる可能性もある。

 オークションは好きな値段で出品できる。1%を手数料に取られるが店売りよりは高く売れるので大体こっちに出品される。

 例外は需要の無い余る素材位だろう。

 雑草売ってたら野菜炒めにして出品してやろうか。


 道具屋ではとうとう用途不明のアイテム[お詫び石]が鑑定出来るという高レベル鑑定持ちの店主を発見した。


 店主曰く、必ず逃げられる!というアイテムでちょっと微妙な顔になった。

 基本的に勿体無くてアイテム余らせる派で使いどころが難しいアイテムはまず使わない、使えないのだ。


 トボトボと道具屋を出て次の店を探す。

 隣に料理店の看板を見つけ、昼飯にすることにした。


 横道に入ると寂れた料理店が見える。

 穴場的なお店だろうか、店に入るとカランコロンと音がする。

 客が1人もいない、ガーンだな。これは外れを引いた。

「いらっしゃいませ!」

 リスの獣人の少女がメニューを持ってやって来た。

 まさか、お詫び石の使い時か?アイテム確認したが残念、戦闘時にしか逃げられない。


 観念してぴょんと席に座るたぬき。

「ハンバーグ定食を」

 外れの少ない無難な選択



 トテトテと厨房へ向かう少女、多分、母親なのだろうハンバーグを焼いている。


「お待たせしました」

 見た目は普通のハンバーグだ、やはりこの選択は間違ってなかった。

 一口食べるたぬきのしっぽの毛がぶわっと広がる。

 焦げてパサパサの肉にくどいソース。これは酷い。


 水を一気に飲み厨房へむかう。

「私が料理というものを教えてやる!」


 リスの母娘がオロオロする中、ハンバーグのタネを作り焼き上げる。肉汁とワインを使ってソースを仕上げハンバーグにかける。

 ついでに食べたかったビーフシチューを作り出す。


「食べてみろ。料理ってのはなぁ、人を笑顔に出来なきゃだめなんだ」


 一口食べる母娘

「お母さん、美味しいね」

「うん、美味しいね」


 そこには笑顔の娘と涙を拭きながら笑っている母がいた。



 ▽▽▽


 ビーフシチューが出来たので鍋に向かうとカランコロンと音がする。お客さんのようだ。


 どうやらビーフシチューの匂いに釣られて来たようで注文が入る。よそって出す。

 次々と客が入り追加で作る羽目になり、結局材料切れで自分が食べる分も無くなった。がっくし。


 母娘にレシピと作り方を教えておく。



 お腹が空いたので余りのご飯を使っていなり寿司を作る。


 席に座ると横からいなり寿司を掴む手が現れた。


「残念!それは私のおいなりさんだ!」


 手に向かってしっぽを叩きつけるたぬき。

 いなり寿司を掴んだ人はネコ耳で狐しっぽの獣人女性であった。



 ライバル現る?!


海馬氏だろ。

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