2話 異能力:炎
1話を読んでくれてありがとう。
小説って難しいですね。
アドバイスなどあれば感想でください。
・・・どうしてこんなことに。
ヘッドフォンから流れる歌はいつしか消えていた。
異能力なんていらない。
もっと大事な物が欲しい。
誰も助けてくれない。
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炎天がゆっくりと死んでいく午後16時40分。
シロとルカは毎日のように一緒に授業を受けていた。
シロは徐々にコミュ障から解放されていた。
「ルカ。今日の放課後に楽器屋さん一緒に行きたいな」
「いいよ」
まだ緊張してる。
けど、安心してる。
そして・・・。
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炎天の勢いは消え、世界が2人を眺める午後17時30分。
商店街にある小さな楽器屋さんに足を止める2人。
少し笑みを浮かべながら1人だけ足を進める。
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心臓が震える。
時折、にやけてしまう。
今日、ルカにプレゼントを買ってあげる。
自分の物を買うより何故か嬉しい。
「ほら、開けてみて」
ルカはそっと渡されたプレゼントボックスを開く。
「これ!!ずっと欲しかったやつ!」
笑顔が綺麗に弾ける様を俺は眺めていた。
ルカはさっそくヘッドフォンを頭に付けた。
スマホにコードを差し込み、音楽を流し込む。
俺は依然、にこにこが止まなかった。
「あれ?あれあれ??」
ルカは焦ったようにスマホをいじっている。
次の曲へとスクロールをやめない。
「どうしたの?」
涙目になりながら俺にそっと視線を向ける。
「知らない歌が流れるの。もしかしたら不良品かも」
「スマホが壊れてる可能性もあるよ。俺のスマホで試してみて」
ルカに俺のスマホを渡す。
コードを繋ぎ直して音楽を流し込む。
「やっぱり同じ歌が流れてる。それに・・・コードを外したときも流れていたの」
ルカは何かに怯えたように俺に語りかけた。
あり得ないだろ。
コード無しで音楽が流れるなんて。
「俺もそのヘッドフォン付けてもいい?」
「だめ!絶対だめ!!嫌な予感がするの。このヘッドフォンを付けると呪われちゃう気がする。シロは絶対に付けちゃ駄目だからね!!」
ルカはその日、ヘッドフォンを貸してくれる事は無かった。
そしてすぐに帰ってしまった。
・・・初めてのプレゼントは失敗に終わっちゃたな。
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暗い闇が空を包み込む午後22時10分。
世界は哀れな目で1人を見つめる。
誰も通らないような路地裏に1人でふらふらと入っていく。
コードの繋がってないヘッドフォンをつけたまま。
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「これは・・・炎?」
私の掌から炎が溢れ出る。
熱くない炎は私の足元にぽたぽたと落ちていく。
まるで自分の血が零れ落ちるように。
薄暗い路地裏を明るい炎が仄かに照らす。
「これから私、どうなるのかな。死んじゃうのかな。手から炎がでるなんてそんな病気聞いた事もない。呪いなのかな。」
誰にも話掛ける事ができなくて友達がいなかった私が初めてシロくんと友達になれた。
そんなシロくんがくれたプレゼントはとても嬉しくて、こんな事になってもずっと付けていたい。
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足音が鳴り響く。
ビルとビルに反射して路地裏は賑やかに変わる。
4人の黒い影が1人に近づく。
次の日からルカは学校に来なくなった。
2話を読んでくれてありがとう。
3話はルカを探しにいくお話です。