マギナの研究室?#55
俺はそのことを聞いた。
「これは、マギナが作ったのか?」
「うん。10歳ぐらいの時にあのエレベーターを見て作った。お金の無駄遣いはいけないから再利用した」
「そ、そうか」
と、マギナは言うもののそんな簡単なことではない。確かにアイデアは子供らしく変なものだが、それを実現するプログラムが出来たことが凄いのだ。プログラムは現代でもとてもじゃないが10歳の子供には無理だ。c言語などは特にそうだが、総じてプログラムとはとても複雑なものである。
簡単なブログラムなら10歳でも、出来ないことは無いかもしれない。それにしてもプログラム言語とか、作っただろうか?もしかして、機械語でそのままプログラムしてたりしてなハハハ。まあ、そんなことはないだろうが。
そんなことを考えていると、マギナがエレベーターを使い下に降りていった。しかし、数分後にエレベーターは帰ってくる。すると、無言で顔を赤くしながらマギナが、手を差し出してきた。普通は逆じゃないか?なんてことを考えながら俺はマギナの手を取りエレベーターの中に入った。
実は後ちょっとしたら、帰ってこなさそうだし部屋に帰って召喚して環境を整えるか。と、思っていたのは内緒だ。そこで、俺は召喚獣のアニメを思い出した。あー早く環境を整えて、アニメを見たい。
そんなことを考えているともう地下に着いた。地下は既に綺麗に俺三人分ぐらいの高さで整えられかなり奥まで、部屋?はあるらしい。暗いせいか奥の壁がみえない。部屋の壁は多分すべての壁が綺麗に黒で塗装されていた。多分と言ったのは奥の壁と上下左右すべての壁の奥までが見えなかったせいである。
暗い中で黒なのでなおさら判りづらい。少し進んでいくと、あの近未来感溢れる作業机が置いてあった。ここで、ものを作ったりするのだろう。
そして、気になるのが奥の部屋だ。何かさっきからあの部屋から物音がするのだ。恐らく生き物がいるのに違いない。マギナのペットなら、まだいいのだが(不安は残るが)。もしも、改造生物とかそんなのだったら最悪である。
たぶん、普通の人は「そんな訳ないじゃん」と思うかもしれないがマギナの凄さを見ているとそんな不安も出てくるのだ。マギナ、恐ろしい子!!そんなふうに怖いという気持ちを紛らわせながら部屋に入った。
すると、打って変わって白い部屋でガラスのケースに様々な安全そうな動物達が入れられている。マギナが言った。
「各地で安全だけど特出した能力を持つ動物を集めてみた。これで、世界1最強な生物を作れる」
「目をキラキラさせているところ悪いんだが暴走するんじゃないのか?」
「大丈夫。あの中に忠誠心がすごく高いのも入っているから」
「別に単純に足し算な訳でもないだろう?止めておいたほうが良いよ」
「わたしの夢が。いや大丈夫、ちゃんと必要な遺伝子を見つけてやるから」
「そうか。こんな施設をどうやって一発で作ったんだ?」
さっきからちょっと気になっていたことだった。明らかに建築スピードがおかしい。道具類は魔法で持ってきたとかはよくありがちな設定なので、別段怪しいわけでもない。ただ、魔法建築でも限度があるだろ!この世界は小説でないのだ。土から凝固させて石を作れたとしてもガラスはそんな簡単に作れるわけではい。すると、マギナの回答は意外に簡単なものだった。
「魔法で作っておいた部屋を取り出しただけ」
「お、おう。それにしても機材とか見当たらないけどどうやって遺伝子組み換えするんだ?」
「簡単。魔法で一発」
魔法って恐ろしいな。何でファンタジー世界の科学が進歩しないのかが良くわからないな、この話を聞くと。昨日あたりになんで元の世界が負けてるんだ。とか言っていた自分がバカらしいな。そういえば、ラノベとかWEB小説とかでよく主人公が簡単に地球のものを再現出来てたな。
そう考えると、ファンタジー世界の住人がなんで科学が進まないんだろう。まあ、物語の事情という奴なんだろうが。そう思い出してみるとなんだか俺Tuee主人公は俺じゃなくてマギナみたいだな。
俺が主人公だとしたら新種の仲間Tueee!!!!ラノベだな。そういえば意外とこのジャンルに該当するのあった気がする。そう考えると新種ではないのか?そんなことを考えていると、マギナにいつの間にか現れた扉の奥へと連れ込まれた。
扉の奥はうっすらとベッドが見えるぐらいの暗い部屋で、明かりはロウソク一本だった。たぶんだが、ベッドは二人が余裕を持って寝れるが三人はギリギリといったサイズだ。部屋の壁の色は見える範囲はすべてオレンジだ。マギナがもじもじしだした。無表情で良くわからないが覚悟を決めたのか話し始めた。
「こ、こはわたしが夜伽をヒョウガにするための場所」
「え、」
俺は驚いた。なぜなら、女子とは性欲がない生き物だと思っていたからだ。もしかしたら、ただ、純粋に子供が作りたいのかもしれないが、だとしたらあんなに挙動不審にはならないだろう。その後俺は驚愕の事実を胸に刻みながらリーフィアを呼びに行った。




