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龍殺しの英雄#32

俺がそんな風な感想をいだいているとギルド職員(女)が騒ぎを気にしたのか、マギナとクリスティーネの方を見た。すると、顔からたちまち冷や汗を出し血相を変えこちらに走り出す。そしてギルド職員(女)はマギナの前に着くなり頭を下げ言った。


「お気づきできず申し訳ありません。オウター家のお嬢様。あまりにも火龍を倒すのが早かったもので火龍を退治するのはもっと後だろうと高を括っておりました」

「わたしが倒したわけじゃない。そこの二人」


マギナはそういって俺と近くに居るリーフィアを指差した。もちろんギルド職員(女)は驚き俺たちに疑惑の眼差しを向けた後マギナに言った。


「この者達はよく覚えていません。さすがにBランク以上の冒険者は少ししかいないので覚えています。つまり、この者たちは少なくともBランク以上の冒険者ではありません。それなのに火龍を倒せるとは思えませんが」

「倒したのは事実。そんなにあの者達が火龍を倒していないと思うならステータスカードを見ればいい」

「そ、それもそうですね。見せてください」


俺は恐らく面倒になるだろうなと思いカードを出した。俺はカードを出すと同時に出さないで俺はやっていませんと言う事を思いついたが結局後々の討伐依頼などでバレてしまうことに気づきがっくりしながらも俺は出したステータスカードをギルド職員に渡した。そしてギルド職員が裏を見た瞬間顔が驚愕の表情に染まった。するとギルド職員は「ありえない」と言った後ステータスカードの表を見てまた驚愕に表情を染めた。


「練度20で600越え!?有り得ない。このステータスは人族じゃなくて一握りしかいないぐらいのエルフのステータスですよ。偽造したんじゃないですか!!」

「じゃあ誰が火龍を倒した」


マギナにそう言われギルド職員は慌てふためいて俺に頭をさげ謝った。


「す、すみません。龍殺しの英雄様」

「え、」


俺は驚いた。龍殺しの英雄という中二にとってはカッコイイ名前にたいしてだ。俺は今から龍殺しの英雄という中二とってはカッコイイ名前で少なくともこのギルド職員に言われるということだ。もちろんこの名は中二ににはカッコイイ名前と言うことだ。残念ながら俺はオタクである中二ではない。オタクである俺にとっては龍殺しの英雄というのはただの痛い称号だ。つまりどういうことかというと超恥ずかしい。


今までアニメで幻○殺○《○マジ○ブレイカ○》とか○帝《オ○バ○エレメ○ト》とかそういう中二な感じのネーミングを見てきたが別に痛いとかは感じなかった。だが、現実でしかも真顔で言われるからか、ものすごく痛い。それにしても龍を殺しただけでもこれって凄いな。


あ、でもジークフリートの話だと結構軽かったけどな。俺も龍の血でも浴びて置けばよかった。もしかしたら体が硬くなるかもしれない。そんな冗談を考えていると俺にギルド職員が話しかけてきた。


「あの龍殺しの英雄様。お金を受け取って頂きたいのですが。そのためカウンターに来てください」

「はい」


大それたことにはなら無そうだな。俺がそう思い息を吐いた後俺はカウンターに向かった。さっきのギルド職員が「ちょっとお待ちください」と言ったので少しカウンターの前で待つとさっきのどっかで見たことがあるようなスーツの男と一緒にギルド職員が恐らく金貨が詰まっているだろう袋を持ってきた。


ギルド職員が笑顔を引きつりながらカウンターに男の人と一緒に置くと話し始めた。


「龍殺しの英雄様。今この袋には金貨百枚が入っています。さらに火龍の状態にもよりますが良くて金貨百枚上乗せ、悪くても金貨十枚を乗せられるのですが、さすがに金貨百十枚は持てませんよね」

「たぶん」

「ですので龍殺しの英雄様は」

「あの、ヒョウガと呼んで欲しいんですけど」


「失礼しました。ヒョウガ様。ヒョウガ様にはギルドの預金制度を利用していただきたいのですがいいですか?」

「はい。お願いします」

「ありがとうございます。説明を忘れていましたが前金として銀貨一枚次に毎年の利用料として銅貨五十枚を徴収させていただきます」

「ちょ、まあいいか」

「次にヒョウガ様は冒険者ランクが火龍を討ったことによりFランクからランクアップしAランクの冒険者になりました。説明は以上です」


ちくしょう。俺が若干気が弱いのを利用して金をふんだくりやがった。まあ金貨百枚は確実にもらえるし、お金には困らないからまあ良いよね。


お金をふんだくられた俺にスーツの男ニヤリと表情を変えてそれを元に戻した後に声を掛けた。


「君はカリーの宿屋で見かけたことがあるね。よろしく龍殺しの英雄ことヒョウガ。私はベルンの冒険組合支店会長のアーサーだ。君は今の火龍の倒したときの冒険組合が支払う値段におかしいとは思わなかったようだね。田舎から来たのかな?」

「はい、そういうのには疎くて。どこがおかしいんですか?」

「今の値段よりも普通なら五十枚は高い」

「そんなにですか。仲間にそういうのはフォローしてもらっていたのでさっぱりわかりませんした」

「なるほど。だから、いい依頼を受けられたのか。気も弱いようだしくれぐれも気をつけるようにね。たまにそういう奴もいるから。ちなみに彼女は私の我がままに付き合ってくれただけだ。彼女が悪い奴。というわけではない」

「ありがとうございます。預金制度の利用料は金貨から差し引いてください」

「わかりました」

次回は旅立ち。次回もお楽しみに

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中二部!  新しく勉強の息抜きとしてはじめた新小説です。学園ラブコメ、中二病ネタが好きな人は見て見てください。
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