火龍事件の事後処理(後編)#29
龍殺しというスキルを入れ忘れていました。あとで火龍事件の事後処理(中編)で確認してください。
そんなことを思うとすぐにマギナが声を掛けてきた。
「wwwって何かの暗号?」
「それは面白いって表現だよ」
「そう」
まあそうだよなどんだけ知力が高くても解る分けないよねこんなの。知力が高いってことはイメージ制御能力と具現化能力について解るかも知れないな。というか解ってるんじゃないのか。それについては聞いてこないし。ということで俺はマギナに聞いた。
「イメージ制御能力と具現化能力って何だ?」
「魔法の発動に必要な三大力の二つ。一つ目は魔力。魔法を発動するときに必要な力。二つ目は具現化能力。魔法をどれだけの規模発動できるか。最後の三つ目はイメージ制御能力。イメージで上手く制御する力。これが魔法の発動に必要な三大力。この三つの能力が高くないと凄い魔法を使えない」
「へー良くそんなの知ってるな」
「魔法については賢者と謳われた水の英雄であるわたしの祖先からずっと引き継がれてきた研究。わたし一代で見つけたわけじゃない」
「しかも、始めに魔法を見つけたのは火の英雄だから、祖先が凄いわけでもない」
「いや、十分凄いだろ。ここまで解ったんだから」
「少なくともこの理論のベースは水の英雄の発見によるところが大きいからわたしを含めた子孫はあんま凄くない」
「いや、十分すごいから」
「ちなみにこのステータスカードは火の英雄と水の英雄の合作。火の英雄は発想力が高い」
「へー」
意外とマギナは照れやなようだ。褒めるたびに「すごくない」といいつつ顔をほのかに赤くし、最後にいたっては顔を真っ赤にて話題をそらした。うん。すごく可愛いな。というか俺ってSなのかな?リーフィアもいじめると可愛い反応するな。って思っちゃうし、まあでも、魔人と戦うとなればいい性格なんだろう。苦しむ姿を楽しく見れるんだから。殺したときに葛藤とかしなさそうだし。
あー秋アニメ中途半端に見てないな。○グ○ホライズ○とか旦那が何を○っているかわからない件とかガ○ダ○ビル○フ○イタ○ズとか見たかった。というかいきなり秋アニメの話がでてくるとか意外と俺ヤバイな。
閑話休題。
というか、今の話聞かれたんじゃ。後ろを見てみるといかにも疑っているという目で見るリーフィアと前にはまだ、か。二回目、なのか7人は固まっていた。聞かれたらまずいな。そんなことを思っているとマギナが「問題ない」と相変わらず無表情で平坦な声で言ってきた。
待てよ。何かひっかるような。あ!そういえば。なんで魔法の発動に必要な三大力を説明しなかったんだ。「何か陰謀があるのか!!」そう心の中で叫んでちょっと自分でも中二くさいなと思ったが十分に有り得ることなので自称神に問い詰めてみたいところだ。
そろそろもうフリーズ状態から脱してもいい頃合なのだがまだフリーズしている。そんなにショックだったのだろうか。というかフリーズ状態って本当にあるんだな。
実は神が話をややこしくしないようになけなしの神力を使ってフリーズさせているのだが、そんなことは氷河にはもちろんわかるわけもない。もちろん実際に人がこんなに長くフリーズすることはない。
まるで俺の話を聞いていたかのように数秒、放置しておくと七人はフリーズ状態から脱した。みんな揃って「ハっ!!」と言うのだから思わず笑ってしまった。そういえば笑いが最近は少なかった気がするな。そんなことを思っているとリーフィアが気まずそうに聞いてきた。
「な、何を話してたんですか」
「スキルとか魔法についてとか」
「おーいマギナこっちに来い」
「うん。今すぐ行く」
「マギナ!?ってもう呼び捨てなんですか」
「あ、そういえば」
そういえばそうだったなと思うとマギナは周りに何かを話すとすぐにこっちに来て話しかけてきた。
「よろしく。わたしはマギナ。ヒョウガのパーティメンバーの人」
「よろしく?」
「わたし、ヒョウガのパーティーに入るから」
「え!?」
「そういうことで」
そういうとすぐに七人の下へと走って行った。
「どういうことですか。ヒョウガ」
若干引きつった笑顔でリーフィアはそう聞いてきた。
「お前と同じく英雄の後継者だし、ステータスカードを見せて欲しいって言ったから見せたんだけどスキルに勇者って書いてあって、勇者と一緒に冒険がしたいからって言ってきたから断れなかったんだよ」
そう冷や汗をかきながら隠したい事実は隠し、事実を伝えた。すると納得できないのかリーフィアは疑わしい目つきでこちらをジロジロと見た後聞いてきた。
「じゃあなんでニヤニヤしていたんですか」
「い、妹のことを思い出して懐かしくてニヤニヤしちゃったんだと思うよたぶん」
「そ、そうなんですか」
もちろん俺には妹などいない。しかし、我ながらナイスだった。これならバレないだろう。そう高を括っているとマギナが俺を指しながら言った。
「嘘発見」
どうしよう終わらなかった。




