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脱出(後編)#16

旅立ちまで行きませんでした。

 そんなこんなで、水の幕を全部氷にすると足場兼、死体を隠すための蓋が完成した。完成するとウンディーネは氷河に頼まれた最後の任務、牢屋に閉じ込められている人を救出する。という任務を完遂するべく、牢屋に向かった。


 牢屋の前に着くと、氷河達が起きたときとは打って変わってシーンとしていた。それもそのはずで、さっきのドカーンという音が聞こえてきたり、監視役が消えたりと異変が続いているので牢屋に囚われている人たちが恐怖で振るえていたり、何が起きているのか、わからずキョトンとしていたりしているからだ。


 そんなことは露知らずウンディーネは全部の牢屋の鉄格子を水の刃でまるでバターのようにスライスすると、自分の子分的な存在を作り出した。

 ウンディーネよりさらに小さいウンディーネだ。だが、その代わりにウンディーネ自身も少し小さくなっている。

 恐らく、自分を構成する一部の水を核として使い、小さいウンディーネ作り出したのだろう。さすがに、ウンディーネ自身は複製できないのようだ。


 そんなミニウンディーネというにふさわしいちっこいウンディーネにウンディーネは命令した。


「ヒョウガさん達以外の牢屋に入っている人達を外に連れ出すのです」

「わかったのです!!」


 そう一斉に言うとミニウンディーネ達は牢屋の中に向かっていった。一応それをウンディーネは見届けると前と同じように氷河達がいる牢屋の前に水を飛ばし、自分をいったん崩して、飛ばした所で形成するという擬似的なテレーポートを使い、氷河と合流した。


 俺が何も喋ることがなくなってしまい黙っていると、いきなりウンディーネが抱きついてきた。そういえばさっきと今、ウンディーネが抱きついてきたせいで俺は今かなり濡れている。

 ビショビショだ。そういうイベントは普通リーフィアの方に起きて、俺が「見てないよ」と言って、リーフィアが「見てんじゃないですか」と言いながら殴るって感じだろ、普通。俺が濡れたって本当、誰得だよ。


 そんなことを思ってもウンディーネがリーフィアを濡らすわけも無く、俺は「離れろ」と言ってウンディーネに抱きつくのを止めさせた。すると、ウンディーネが不安そうに、こっちをチラチラと見てきた。

 ちなみにリーフィアの方は前にウンディーネが抱きついたときとは違い、にこやかにウンディーネの方を見ていた。


 なにか勝ち誇っている様にも見える。俺はなんとなくウンディーネがチラチラと不安そうに見ている理由が解ったので、ウンディーネに言った。


「ありがとう」

「怒ってないのです?」

「怒ってないよ。ただほら、俺の服が濡れちゃうからさ。止めて欲しかっただけだよ」

「本当なのです?」

「本当だよ」

「やったーなのです」


「俺はやさしいな」とそんな気持ち悪いことを思いつつ俺はここを脱出しようかと思い、なぜかここに無いはずの水溜りでパシャパシャと水を上げ全身で喜びを表しているウンディーネに「よし、行くぞ」と声を掛け、階段の方まで行こうと歩き出した。

 すると、後方から「え、わたし空気になってる!!?」と言いながらリーフィアもついて行き、階段を上ると何の変哲も無い家に出た。


 家の中はこの世界の基準の品質の長い四角いテーブルにイス、そして石で出来た台所、そして壁には振り子時計が掛けてあった。床はもちろん木だ。この何の変哲も無い家が人攫いのアジトだとは、とても思えない。

 そんなことを思っていると、リーフィアが突然大きな声を出した。


「振り子時計が置いてあります!!こんな高級品が置いてあるなんて、よっぽど儲けてたんでしょうねこの組織は」

「そんなに高価なものなのか?」

「はい。うちの村にもわたしの家。つまり、村長の家に置いてあるだけですよ」「お値段のほうは?」

「いい時計だと金貨50枚はくだらないですね」

「金貨50枚か高いな」


 とは言ったものの俺はこの世界の金貨の価値がよく解らなかった。だが、推測することは出来るかもしれない。と思い推測してみることにした。

 俺がしっている物の値段と言えば、物かというかサービスだが、宿屋の代金である。もしも推測通り宿屋が一流の宿屋すなわち高級な宿屋だとしたら地球で考えれば恐らく、一枚100万から10万と言ったところだ。

 

 もしもそうだとするならば値段は5000万から500万ということになる。やばい、めっちゃ高い。そんなことを考えるとリーフィアが少し顔を赤くしながら「速く行きますよ」といいなが手を握って俺を強制的にこの家から出させた。

次回は事後処理と旅立ちです。次回もお楽しみに

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中二部!  新しく勉強の息抜きとしてはじめた新小説です。学園ラブコメ、中二病ネタが好きな人は見て見てください。
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