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脱出作戦#13

「起きてください。起きてください。ヒョウガさん」


 俺はリーフィアに体を揺すられながら、そう声を掛けられながら起きた。ここは何処だ。わたしは誰。とふざけて言おうとしたのだが


「ううううう。うううううう」


 となってしまった。口の周りに布が巻かれているせいだ。しかも手首や足首は縄が巻かれている。

 で、リーフィアを見ると、なぜか俺とは違い、口に布が巻かれていないし、縄が巻かれている様子も無い。すると、リーフィアが


「あ、忘れてました。ヒョウガさんの拘束もすぐ解いてあげますね」


 と言うと、リーフィアの手の中に水の刃がすぐに形成され、縄を残らず切って布も取ってくれた。

 拘束から解き放たれると、俺はすぐに周りの観察を始めた。まず俺達がいる部屋は土で構成されていて、前面は鉄の柵になっている。

 

 鉄の柵の前には土の壁があり、ロウソクが立てられていた。中はとても暗く地下にある、牢獄と言った感じだ。

 時々「帰りたいよー」とかガシン、ガシンといった音が聞こえるので音のほうはともかく声からすると本当の牢獄ではなさそうだ。


 俺がそんな風に考え事をしているとジーっと細い目にしながらリーフィアはこちらを見ていた。

 そのことに俺は気づくと親しき仲にも礼儀あり。という言葉を思い出し言った。


「ありがとう」

「どういたしまして、わたしほどの優秀な魔法使いがいなかったら拘束は解けませんでしたよ」

「本当か?」

「なんですかその目は!村の中でも頭脳、魔法ともに子供達の中では一、二を争う実力だったんですから」


「失礼だと思うだけど、何歳?」

「十五歳ですけど」

「ずいぶんと大人びてるね」

「喜んでいいのか微妙ですね」

「それはともかくどうしますか?これから」

「そうだな。あと、エルフの寿命は?」

「大体、70歳ぐらいですけど」


 エルフの寿命が人間と変わらない事に驚きながら俺は本題のこれからどうするかについて考えた。


 俺はいろいろ考えた。まず、とりあえず俺達だけならば楽勝に出れるかもしれない。なぜかと言えば魔法が優秀なエルフの中でも優秀な部類に入るらしい、リーフィアがいるからだ。

 人族が接近戦に持ち込む前に無力化できるだろう。しかしだ。この中には恐らく声からすると無罪であろう子供も一人はいるのだ。

 なんとしても助けたい。だが、子供なので足が遅かったりするので、脱走自体が失敗する可能性が高い。考えてもらちが明かないので、リーフィアに相談することにした。


「これからどうする?」

「さっき、わたしも似たようなことを言いましたよね?」

「あ、そういえばそうだった。テヘペロ。」

「テヘッ、じゃないですよ。まったくもう。できればこの組織ごとつぶしたいですね」


「え?組織?」

「どうも、聞いたところによると、人をしょっちゅう攫っている組織らしくて、この柵の中に入れられている人は全員奴隷市場に売られるそうです。」

「奴隷!?あ、そうかここ地球じゃないのか、確かにファンタジーでも結構あるよな奴隷」


「地球?そこがヒョウガが元々住んでいた所ですか」

「ああ、そうだが、優秀なリーフィアでも組織をつぶすのは難しいのか?」

「さすがにきびしいですね」

「そうか」


 俺は再び考える。なんとかできないかな?あ!そういえばオリジナル魔法という手があった。じゃあ俺達が目立つと後々面倒になるし、召喚魔法でも作るか。


「これから召喚魔法を使おうと思うんだが、いいよな」

「召喚魔法ってなんですか?」

「召喚魔法ってこの世界にはないのか」


 漫画なら?マークを頭の上に浮かべてそうな感じで首をかしげているリーフィアを見て笑みをこぼしつつ俺は魔法作成に取り掛かった。やはり作ってみたところイメージが重要らしいので、パ○○ラで水パーティで行くときにお世話になっていた。

 

 というか、普通に容姿が気に入っていたウンディーネを召喚することにした。心のなかでパ○○ラで出てきたウンディーネ(水の体を持ち中学生ぐらいの女の姿で水の太い髪と水の羽衣を纏い、紫色で胸の真ん中に水色の宝石があるドレスを着て、黄金の槍を持つ)を想像しながら、詠唱しているのがバレ無いように心の中で


「ああ、美しき水の精霊ウンディーネよ。我に力を貸しておくれ。美しき水の精霊ウンディーネよ。なんと人は醜いのだろう。美しき水の精霊ウンディーネよ。我とともにその美しさとウンディーネを体現するかのような美しい浄水で醜い人の心を浄化しよう。召喚!ウンディーネ」


 と、叫んだ。え、ウンディーネを美しいとか幼女趣味じゃないかって?ロリコンじゃないよただ単にどっちもいける口なだけだよ。

 とこんな感じで自分の中にいる何かに俺は弁明しつつ、不思議そうに見ていたリーフィアに説明した。


「作りたい魔法のイメージをしながらそのイメージに沿っていて、かつ、その規模に見合った文の量にして詠唱文を考えるとその魔法、もしくは似た魔法が作られて、使えるようになるんだよ」

「つまり、新しい魔法を作っていた。ということですね。どんな魔法をつくっていたんですか?」

「さっき言った召喚魔法だよ」

「何かを召喚する魔法ですか。あ、そういえばあの魔法もそれで作ったんですか?」

「ああ、そうだよ」

「いつかはわたしも作りたいですね」

「とりあえず出てからな」

「そうですね」


 俺はそんな説明を終えた後にすぐイメージしながら小声で詠唱を始めた。


「ああ、美しき水の精霊ウンディーネよ。我に力を貸しておくれ。美しき水の精霊ウンディーネよ。なんと人は醜いのだろう。美しき水の精霊ウンディーネよ。我とともにその美しさとウンディーネを体現するかのような美しい浄水で醜い人の心を浄化しよう。召喚!ウンディーネ」


 そう、俺が言うとイメージした通り水の体を持ち中学生ぐらいの女の姿で水の太い髪と水の羽衣を纏い、紫色で胸の真ん中に水色の宝石があるドレスを着て、黄金の槍を持つウンディーネが召喚された。

 リーフィアは驚いた後、小声でブツブツ言っている。なんかとても怖い。ふと、MPゲージを見ると、もうあるのか無いのかわからないぐらい減ってしまっていた。気をつけなければ。そんなことを思いつつ、俺はウンディーネに指示した。

まだ無双してないので最強系主人公とは呼べないかも。でも次回はウンディーネが無双、脱出とギルドにいきます。お楽しみに。

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中二部!  新しく勉強の息抜きとしてはじめた新小説です。学園ラブコメ、中二病ネタが好きな人は見て見てください。
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