第一章 届け、この想い
丁度良い暖かさと、新しい気持ちが人を奮い立たせる季節。
何か始めるのなら、この時期と言われる中で、僕も影響を受けて心機一転。
無理だからと、望まれていないからと、自分を諦めることを拒絶した昨日。
そして、無理ではないと、望まれているかもしれないと、希望で爆発しそうな胸を抑えている今。
僕は、ある人に告白をしようと、始業式に彼女をここへと誘った。
「私に用って、何?」
呆れているのか、面倒なのか、その両方から来るものなのか、彼女の表情は酷くつまらなさそう目をしている。
分かっている。自分如きが、彼女に告白をするなど分不相応だと言うことは。
だが、それでも僕は彼女に告白をしなければならない。
だから言うのだ、好きだと。この想いを届けるのだ。
「す、好きです!僕と付き合ってくd―――」
「無理」
勇気を振り絞った言葉は、たったの二文字で捻じ伏せられた。
分かっていたはずが、僕の心は血まみれのハリセンボンのような見た目になっているに違いない。
「……はぁ」
大きな溜め息を吐きながら、彼女は鬱陶しそうに場を立ち去る。
そんな彼女の背中を見ることしか出来ない僕は、自分の無力さに膝を突かされてしまう。
「今日もダメだったか……」
これで告白は3度目、彼女もいい加減に僕に呆れているのかもしれない。
「いや、ここで諦めたら意味がないじゃないか…!」
僕は何としてでも、この告白を成功させたい。それだけ彼女を想っているからだ。
例え愛想を尽かれずとも、嫌われようとも、この想いを彼女に届けることを止めたくない。
あの日、彼女に優しさに触れた僕が、僕だけがイジメを受けている彼女を救えるのだから。




