■付録:登場人物紹介&設定解説■その一
【登場人物紹介】その一
*ネタバレではない範囲の基本的な設定のみ載せています*
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■眞柴 空覇<マシバ・カラハ>■
身長一九二センチ、誕生日は四月十三日。二十九歳。
瞳の色は漆黒。切れ長の眼、整った精悍な顔立ち。
髪の色は艶のある黒で、長めの前髪は左分け、後ろは肩より少し下程度の長さ。全体的にはストレートだが、左耳上から伸びた一房だけが強い癖が付いている。
肌の色は浅黒い。骨格が大きめの細マッチョ体型。
好きな物は辛い食べ物、酒、煙草。趣味は麻雀。特技は歌、エレキベース。
中学の頃にあやかしに家族を殺された為、父の知人だったアガナ・アミダが後見人となりアミダの寺で育った。以後は学業のかたわらあやかしを狩る毎日を過ごす。
大學院を卒業した後は『組織』の正式な構成員となるが、様々な事情により組織を脱退、フリーの術士となり『眞柴特殊探偵事務所』を立ち上げた。
現在は『組織』からの下請け仕事をこなしつつ、民間からの怪異に纏わる依頼などの解決に勤しむ日々である。
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■ドーラ・チャン・ドール■
身長一五八センチ、誕生日は八月二十四日。十八歳。
瞳の色は明るいグレー。僅かに青みや紫を帯び、角度によっては銀色に見える。
髪の色は銀色。腰まであるロングストレート、前髪は薄め。眉や睫毛も髪と同じ色。
肌の色はとても白い。すらりと手足が長く、バランスの良い体型。完璧なプロポーションに加え、顔の造作も整った美少女。
好きな物はスイーツ、可愛い物、動物。歌うのが密かな趣味だが、恥ずかしくて人前で披露した事は無い。
対魔組織『ヴァルハラ』に所属する術士。彼女の血は『癒やしの血』と呼ばれ、怪我や病気を治す力を有している。
その能力の所為で家族にも気味悪がられ虐待を受け、また病院や検査機関でもモルモットのように扱われてきた。能力の話を聞き付けた『組織』が彼女を保護し、術士として育て上げた。
その育成環境の所為か、精神年齢はやや幼く、一般常識に些か疎い面がある。若干天然。
現在は組織からの出向という形でカラハの助手として働いている。
*キャラの年齢は物語開始時点(皇紀二六七七年三月)のものとなります。
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【ちょこっと設定解説】
■皇紀・皇国■
この世界の日本は国独自の暦として皇紀<コウキ>を採用している。皇紀は西暦に六六〇を加えた年数となり、この物語では皇紀二六七七年(西暦二〇一七年)が舞台となっている。
またこの世界の日本は正式名称を日本皇国<ニホンコウコク>という。通常の略称は日本であるが、年齢の高い者や愛国的な思想を持つ者は「皇国」と呼ぶ場合がある。
■対魔組織『ヴァルハラ』■
『ヴァルハラ』は全世界規模の超国家的な対魔組織である。
怪異、あやかし、魔物、邪神、反道徳的な術者など、人に仇なすあらゆる『負』の存在を殲滅するのを目的とした機関であり、その目的から、通常なら反目し合っている宗教・宗派同士の者であっても協力しなければならないという強固な取り決めがなされている。
全世界に十二の支部があり、対魔を目的とする術士・能力者の殆どがこの組織に属している。一般にはその存在を隠しているが、支部が無い国家であっても元首クラスの人物はその活動を認知し支援も怠らない事が義務として課せられている。
術士・能力者以外にも、活動を支援するサポートスタッフ、専用の医療機関、事務方、組織自体の運営に携わる構成員など、かなりの数の人員が関わっており、その活動は財団『ウルザブルン』によって支えられている。
また、正式な構成員以外にも支部から遠い地方などに於いては、フリーの術士や団体などに仕事を委託する事もある。
■『ヴァルハラ』日本皇国支部■
別名『極東支部』。世界中に点在する十二の支部の一つで、日本皇国に存在するもの。
表向きは皇居の地下に支部の本部が存在する事になっているがそれはダミーで、実際は富士の樹海内に大規模な敷地を有している。
また国内で極東支部は大きく二つに分かれている。極東支部はそのものであると同時に『東支局』と呼ばれ、東日本を統括する支局の役割も兼ねている。
一方西日本側は『西支局』が統括し、ある程度独自の裁量で運営されている。西支局の表の本部は京都御所地下であるが、本物の本部は淡路島に存在している。
またこれとは別に、沖縄には特別な支局が設置されている。これは太平洋に幾つもの強力な霊的地場が存在する為である。更に、北海道にも独自の支局が存在する。各支局の下には幾つもの分所や分局があり、特に高校や大学には部活の名を借りた分所が配置されている場合が多い。
そして近年、皇国は霊的・対魔の意味において希有な場所となっている。
他の国ではその国や地方独自の信仰・伝承に基づいた能力者が殆どなのに対し、皇国では神道・仏教や昔ながらのあやかしに加え、古今東西の神話や宗教に基づいた能力者が無秩序に顕現するのだ。
それは恐らく、どんな物でも柔軟に取り入れる日本人の性質に起因するものであり、またゲームやアニメなどのサブカルチャーが他文化の神話伝承などを加速度的に浸透させたのが要因となったのは間違い無いであろう。
*この物語はフィクションです。
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