歪
昔書いたのが出てきたので供養
誤字脱字あると思うのであったらごめんなさい
月末の学校帰りのアスファルトの道は、少したのしい。スキップなんかもしてしまう。ランドセルを背負いなおして少女はクリーム色の建物へ急ぐ。建物への道中の曲がり角、昼寝中の猫、急な上り坂でさえも愛しく感じる。建物の門の前で少年が大きく手を振っている。普段はないお向かいに少女は心をさらに弾ませ足を回転させる。少年の顔がはっきり見えるまで近づくと、様子がおかしいことに気が付いた。少年は大きく口を開けて眉の尻を釣り上げて声を出さずに何かを言っている。何かがあったのだと察した少女は急いで立ち止まり来た道を戻る。少年のもとへ来るときに猫を見つけた公園へと向かう。一刻も早く家のそばを離れるように足早に進む。
何かあった時には公園で落ち合うことになっていたが、今までそうなったことはなかった。すぐに来るわけはないとわかっていながらも人が通るたびに少年ではないかと確認してしまう。そわそわしながらしばらく待っていると少年がやってきた。
「いやーごめんごめん。お母さんがまずいもの忘れたらしくて取りに帰ってて」
少年曰く自分らとは無関係らしいと知り肩の荷を降ろした。
少女と少年は学校の話だとか他愛のないことを話す。もう2時間ほど話しただろうか、いつも通り変える流れとなる。しかしこの日は違った。少女は意を決してずっと言いたかったことを口に出した。
「私もおかあさんに会ってみたい」
しかし少年は時期がと言って答えるのを渋って結局答えずに解散となった。
翌日からはまた退屈な日常が始まる。あれから一週間ほど経ったころ、少女はおばさんと買い物に出ていた。その時少女はスーパーで女の人と買い物をする少年の姿を見かけた。少女は会話をするのをあんなにも思い描いたはずなのに少女は少年たちに話しかけることができなかった。
意気消沈していた少年も少年たちの買い物をする場所が分かったためそれから毎日スーパーへ通った。するとついにスーパーで彼らを見つけた。次の週もその曜日に彼らが来ているのを見つけた。
そうこうするとまた月末がやってきた。今日は家に母親がいないようで、家に上げてもらえた。スーパーで見かけたことは話さずにいつも通りとりとめのないことを話して終わった。
少女はスーパーではなく少年の家に張り込むようになった。すると少年の母親が仕事から帰る時間が分かった。そしてそのあとスポーツジムに通う日があることも知った。そして何よりも少年が少女にいくつも嘘をついていることを知った。しかしそれは少女にとっては些細なことになり果てていた少女は毎日必死に彼女を追った。
少女は月末にも少年とは会わなくなった。
しばらくすると少年の母は周りを気にするそぶりをするようになった。それからさらに数日たつと彼女が帰るときは必ず知らない女の人が付き添うようになった。彼女らが日に日に仲良くなる様子を見て少女は焦燥感にかられた。
次の月末、少女は少年と会うことにした。少年は驚いたものの、すぐに少女を温かく家に温かく迎え入れた。いつも通り少女は少年と会話を楽しんだ後、いつも通り解散した。少女は少年に見送られ少し家に帰るふりをした後、ドアのわきに隠れた。しばらく待っていると少年の母親が帰って来た。少女は笑顔で彼女を出迎えた。
「おかえりなさい。お母さん」
彼女は少し困惑しながらも少年の友達だと思ったのだろう笑顔になって少女に連れられて家に入った。家に入ると少年が笑顔で玄関まで迎えに来た。少女の顔を見た瞬間少年の顔は真っ青に染まった。彼女が家の奥に入っていくと玄関には少年と少女だけが残った。少年が何を言っても少女は笑顔で家族だもの。というだけであった。
少年がどうしようかと考えていると彼女が顔をのぞかせた。夕飯を食べていきなさいと少女に言った。少女は変わらず笑顔でもちろん。と答えると手伝うよと言って台所まで急いだ。台所へ行くと少女たちは料理を始めた。料理を盛り付けるだけという完成間近、少女は徐に包丁を振り上げた。彼女は気づいていない。一気に振り下ろし彼女の首に刺した。血が飛び散り彼女は気を失ったが首は取れていない。少女は何とか格闘して彼女の首を切り落とすとその首をテーブルの上に優しく置いた。首の周りは血がたまっている。少年はその時初めて彼女の行動に気づき声も出ずただ目と口を大きく開いている。少女は血の付いたままの手で料理を盛り付けるとテーブルの上に置いた。少年は泣きながら必死に少女に謝っているが、少女にはどうでもよいことだった。少女は少年に料理を食べるように言ったが少年は聞く耳を持っていない。少女は仕方がないので少年の体も落とすことにした。
少女は少年と母親と食事を楽しんだ後、姿勢よく椅子に座り首を切って笑顔で死んだ。