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愛の重い男たち  作者: 岬葵
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再会

森元君と夕食をとりながら先程の件を伝えておいた。「ああ、今回の対談の依頼も連絡早かったですからね」

「やっぱり叔父様絡みだったんだ!」

「まぁ、映画の前予告にはどこかの番組に出る必要があったので今回は予想の範囲ですよ。しばらくは今回の無理なスケジュールを盾に断れますし、結果オーライです。」

「でもなんだか気分が落ち込んだわ」

「だったらリリちゃんに髪を切ってもらったらどうですか?

「なるほど!いいわねそれ」早速連絡を入れてみる。「もしもし、波瑠さん帰ってたんですね。お帰りなさい。」携帯から元気な声が聞こえきた。私は早速予定を聞いて予約を入れた。

「波瑠さんと連絡取れて良かったです。来月から1ヶ月くらい仕事で京都に行きっぱなしなんです!詳しくはサロンで話ますね!では来週末お待ちしています。楽しみです。」ふふふ、リリちゃんと話すと電話でも元気になるわ!食事会の前の時間に予約が取れたからカットのついでにセットもしてもらおうかしら!あの家族に会うなら心の充電をしておかないとね。



食事会に指定されたのは老舗のフレンチレストランだ。普段より少しお洒落に気を使い上は白地にレース柄スカート部分は藍色のフレアスカートになっている上品なワンピースを着た。首元には1粒の真珠、周りにダイヤがデザインされたシンプルなネックレス。耳には小さな真珠が3粒付いたピアスを合わせた。髪はリリちゃんにお任せして緩い編み込みアップスタイルにしてもらった。ワンピースととても合っていてリリちゃんの腕に感心した。

「失礼します。遅くなりました。」室内に入ると顔をぱっと明るくした颯太が私の側にきて椅子を引いてくれた。

「波瑠ちゃん久しぶり。ますます綺麗になるね!」颯太は波瑠の隣に座ってご機嫌だ。食事会は気を張っていた割には拍子抜けするくらい穏やかで平和に過ぎて行った。上海の取材旅行の話や今書き上げている本の内容に映画化される原作の話と以外と盛り上がり楽しむ事ができていた。

最後のスイーツを食べている時優里亜が話だした。「そうだ。優里亜ね来年から今担当している音楽番組とスポーツ番組の選手インタビューを任される事になるの」女性アナにとってどちらも花形の仕事らしくご機嫌だ。

「11月には日本に帰国してくるメジャーの高梨涼太に対談するのよ!高梨涼太って素敵よねー。今から楽しみで仕方がないの!ほんとパパには感謝だわ」叔父は娘の喜ぶ顔を見て目を細めて喜んでいる。颯太を見ると苦笑いだ。

「でも姉さん、対談の仕事が先に決まってたアナが怒っていたよ。急に選び直しはないって!」

「そうなの?でも私の方が映えるから仕方ないんじゃない。ねーパパ!」叔父は首を縦に何度も頷いた。(親子そっくりだわ)私は話を合わせる程度に微笑んだ。颯太に後日ゆっくり話たいからと飲みに誘われたので森元君も一緒でよければと返事をした。食事が済み店を出ると叔父と颯太はテレビ局に戻るらしく迎えの車がレストラン前に到着していた。私と優里亜はレストランにタクシーを手配してもらう間ラウンジで待つ事にした。5分くらいした時突然優里亜が歩いてくる団体の1人に声をかけた。

「こんばんは。グレージュのRIKUTOさんじゃないですか?」

「、、、」相手は優里亜に興味が無さそうで無言のようだ。それでも優里亜は話かける「いきなりすみません。私JPテレビのアナウンサーで渡瀬優里亜と申します。先日MTの歌番組ではお世話になりました」そこで誰か理解したようで「どうも」と冷たい静かな声が聞こえた。そんな対応が気になりわたしはちらっと優里亜のいる方に目をむける。びっくりする事にそこには大人の色気を放つ陸斗が10人くらいの人に囲まれ立っていた。突然の再会に驚き息を呑んだ。陸斗の方も私に気付き一瞬目を開いたがすぐにもと通りに戻っていた。先程は冷たくあしらった陸斗が何故か優里亜に優しく話かけた。

「JPテレビのアナウンサーさんでしたね」

「はい!優里亜です」優しい声になった事が嬉しいのか優里亜は笑顔だ。

「もうお帰りですか?これからもう一軒みんなで行こうと話てたんですがせっかくの出会いなのでご一緒にどうですか?」

「はい。是非参加したいです!」優里亜は笑顔で即答した。(明日の仕事は大丈夫なのかしら?)そっと優里亜の心配をした。

「そちらのお嬢さんもご一緒しますよね」陸斗は含みのある笑顔で私に話かけてくる。

「、、、え〜っと、あ、私は明日仕事が早くてですね、、、せっかくですが、、、えん」

「雨悲来ゆま  先生ですよね  ファンなんです」断ろうとした私の言葉を押し切り妖艶な笑みで話し出す陸斗に頷くしか選択できなかった。

「ぜひっ、、、う、うれしいですっ」背中から冷や汗がたらりと垂れたのがわかった。

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