part5
「悪りぃな、遅くなった。」
はぁはぁと息を切らしながら、勢いよく車の扉を開けた。よっぽど走ったのだろう。お疲れ様とでもかけるべきかと思ったが、自分の柄では無い。
「大丈夫だけど、それよりその大量の荷物は何?」
気になっていた荷物のことを聞くと、何やら嬉しそうに答えた。
「お前、自分の誕生日も忘れたのか?」
やれやれと首を振る。
「あー、そうだったかも。。」
忙しくて、そんなことすら気にする暇もなかった。
「これは、お前へのプレゼントだってさ。」
「誰から?俺、こんなもの貰う相手なんかいないのに。」
深いため息をつきながら、マネージャーは言った。
「テレビ局からだよ。」
あぁ、なるほどと相槌を打つ。
「ちなみに何が入ってんの?」
「自分で、開けな〜。」
ほらよといくつかの箱と袋を渡してきた。
「ていうか、車出すからな。忘れ物ねーよな?」
「うん大丈夫。」
マネージャーの方は見向きもせずに、適当に返事をし、箱についているシールを丁寧に剥がしていた。
何が入っているのだろうか。出来れば、もったいない物だといいが。
丁寧に開けるとそこには、綺麗なブレスレットが入っていた、ブランド物だ。
手にとってつけてみようかと思ったが、自分の右手には去年鈴音からもらったブレスレットがきらりと光っていた。
まぁ別に今つけなくてもいいか。そう思い、また箱に丁寧にしまう。
そのほかの物の全て開けたが、特に気にいるものも無く全て丁寧に戻してしまった。
「マネージャー次なんだっけ?」
「次は昼番組だよ。リアルタイムの。」
スマホで時間を見てみると、10時を回っていた。
「そっか。」
と返事をして、スマホに目を移す。特にする事も無かったので、久しぶりに鈴音のミュージックビデオでも見ようと思い、アプリを起動して再生する。
やっぱり鈴音は可愛かった。鈴音はグループのリーダーでセンター的な存在なのか、やはり他の人よりもパートが多いような気がした。だから最近は忙しかったのかと納得した。
「そろそろ降りる準備をしろよー。」
その一言で、スマホの電源を慌てて切り、荷物をまとめる。
テレビ許可の駐車場に入り、車を降りる。
また仕事か。そう思いつつも意外と昼番組は好きだったりするので、まだいい方だ。と自分に言い聞かせて、テレビ局の中に入った。