part3
その後何分かたって、メイクが終わったので共演者の楽屋に挨拶をしに行く。
めんどくさい女のところには基本挨拶は行かない。
今回のドラマの共演者はめんどくさい女が多すぎる。
すぐ終わるだろ。数人に挨拶すりゃ終わる。
何人か回って最後に一番仲のいい、俳優の楽屋をノックする。
「りんくんいるー?失礼しまーす。」
いつもの通り、挨拶をする。
「どうぞー、勝手に入って。ってもう入ってるし。」
りんはこっちにちらっと視線を向ける。
りんはかっこいい。そんなカッコいい顔が少しにやりとしていた。
「最近どーなんだよ。その、、すずちゃんと。」
ぼそっと周りのスタッフさんに聞こえないように聞いてきた。まるで思春期の高校生みたいだ。いい大人なのに。りんには鈴音との関係は、一年ほど前に打ち明けていた。というか、勘付かれていたらしく、問い詰められてめんどくさくなり折れたのだ。
「うん、まぁ、いい感じ。」
多分、今顔は真っ赤だろう。鈴音のことになると、自分でも分かるほどに顔が熱い。
「そっかぁ。」
ニヤニヤとしながら自分を見てくる。
「そーゆうお前は彼女出来たのかよ。」
必死に何か言わないとと思い、ぶっきらぼうに聞いてみた。
「えっ、それ聞いちゃう?」
口を大きく開けて、笑いながら言う。
「もちろん、出来るはずねーだろ笑」
りんは俺より何倍もイケメンだし、今を代表するような俳優なのに、至って真面目なのがなんかうん。見合っていない。
「やっぱ、そーだよな。りんにはまだ早い。」
でもやっぱり不自然だよなー。とか思いつつ、自分に彼女をいることを隠すような奴ではない。
なら好きな人でも、、?でもこの凛人という人間は落とせない人は居ないんじゃないかと思うほどの完璧人間だ。危険な恋とか、そういう系か。?
なら相談にでも乗ってあげたほうがいいのか。はたまたそっとしておいたほうがいいのか、そんなことを考えてるうちに咄嗟に聞いてしまった。
「好きな人とかは居ねーの?」
その瞬間りんの瞳孔が少し揺れたように感じた。
図星だろう。どんな人なんだろうか。
「別に居ねーよ笑いい人居ればいいんだけどなー。まぁ、今は仕事一筋で行くよ。」
なんか、すごく嘘をついているように感じたが、あまり深く聞かないようにした。
まぁ、そこから何分か鈴音の話だったり、仕事の話だったり、いつも通りに会話していたが、ふと時計をみて、りんが
「そろそろ、」
と言いかけた瞬間にマネージャーが呼びにきた。
「そろそろ撮影だぞー。」
行かなきゃか、そう思い椅子から腰をあげて、りんとスタジオの方に歩き出した。