part5
やっと涙が収まったのを見かねたマネージャーが、社長室に行くように指示した。
私のためにずっと待ってくれていたのだろう。
「わかった。ありがとう。」
それだけ言うと、私は社長室まで向かった。
大体の内容は分かりきっている。
いじめ疑惑の事だろう。けれど私はそんな事していない。自分で一番わかっている。
やましい事は何もない。そう自分に言い聞かせて社長室に入った。
「失礼します。」
社長が社長室の奥の椅子に腰掛け、こちらをチラリと見つめる。
「鈴音、今回の件について何か言う事はあるか?」
重たい雰囲気の中社長から話をふってきた。
「私は、いじめなんかしていません。今までも、これからも、。」
それを聞くと、社長がそうかとだけ言う。
「下がっていい。それと鈴音はまだdreamsに居たいか?」
私は少し怖くなった。メンバーからどう思われているのか。
しかし、dreamsを捨てる事なんてできない。そう思い首を縦に振った。
「わかった。」
とだけ言われて、社長室を後にした。
その瞬間全ての緊張が解けて足が震えていた。
その後は、マネージャーが迎えにきてくれて、一緒にスタジオまで向かい明日の音楽番組の練習をする事にした。
その後はメンバーとの話し合いの予定だ。
先が思いやられるが、やるしかない。
自分の頬を叩き気合を入れた。