part4
アラームの音で目が覚めた。
少し気だるい足取りでリビングまで向かう。
キッチンには凛人が立っていた。
「おはよう。」
そう声をかけた。
「おはよう、朝ご飯もうすぐだから待ってて。」
にこりと笑いかけ、忙しそうに手を動かしていた。
申し訳なさを感じたので私も手伝う事にした。
朝ご飯を済ませた後は身支度等を全て終わらせた。
昨日買ったパジャマから、きちんとした服に着替え、昨日買ったものを全てまとめて凛人の車に詰め込んだ。
間もなくして凛人が事務所まで車で送ってくれた。
車の中では特に会話をした訳でもなく、車の中で聞こえていたのは音楽だけだった。
マネージャーには、事務所に向かっている事を知らせた。
事務所に着くと、マネージャー型待っていてくれていた。
車を降り、荷物を下ろす。
「いいよ、鈴音ちゃん。俺がやるから。」
そう言うと、あっという間に全て下ろしてくれた。
その後はしっかり凛人にお礼を言い、凛人の車が見えなくなるまで見送った。
とりあえず、マネージャーが荷物を事務所に運ぼうと言ったので両手に大荷物を抱え、私専用の作業部屋に運び入れた。
ついでに作業部屋で、今までの事をしっかり報告した。
マネージャーは今の状況や今後の動きについて話してくれた。
私が脱退等する事は無いとのことだ。
よかった安堵する私を見てマネージャーは何も言わずに私を抱きしめた。
私には家族と言えるような家族は居なかった。
けれども、マネージャーが今まで私と家族同然のような存在だった。
その温もりで、自然と涙が溢れる。
「鈴音、私はあなたがいじめをするような子じゃ無いって一番分かってる。だから大丈夫。」
一番私が欲していた言葉をマネージャーは全てくれた。