ふりかえりはしない
「ふりかえりはしない」
君と別れて半年
アパートを引っ越す朝
思わぬところから
現れいでた
きみの思い出
忘れる努力は呆気なく破壊され
割れたガラスみたいに
心のなかにきみの破片が
散らばってゆく
出逢いから楽しかったこと
別れるまでのつらく重い日々
もうすんだことなのに
思い出の破片が見つかったから
もしかしたらと
悲しい希望が芽生えてくる
つきあった日々の2倍
忘れるための時間はいるんだと
誰かが言ってたっけ
ぼくは思い出を
ぼくの気持ちとともに
カナヅチで粉々に
打ち砕く
心には新しいガラスをいれた
もうふりかえらない