第三部 第三章「ベルゲングリューンの光と闇」(12)
12
「クァグマイア!!」
古代エルフの女王、イングリドが黄金の髪をなびかせて魔法詠唱をした瞬間、火竜の足元がどろどろと溶け、大きな沼地を形成した。
「うわっ!! ゴブリンのねーちゃん、ワシらの王城になんちゅーことするんや!! 液状化してもうとるやんけ!!」
(ゴブリンのねーちゃん……。古代エルフの女王なんだけど……)
「ご心配なく。魔法の効果が切れれば元通りに戻りますわ」
イングリドが抗議するノームに答えた。
微笑んでいるけど、眉間に一瞬、ピシッと青筋が入ったような気がした。
「もう身体を起こして平気なの?」
「ええ、なんとか」
「ざんねん」
結局ミスティ先輩に膝枕してもらっていた僕は、身体を起こして戦況を観察している。
火竜のブレスの射程範囲内だし、油断はできない。
余裕をかましているのではなくて、動けないのだ。
キムたちが足止めを頑張ってくれたおかげで、火竜の前脚はノームたちの鎖で繋がれている。
右の前脚側をゴブリンたちが、左の前脚側をノームたちが必死に引っ張ってくれている。
『ルッ君のうんこの効果、テキメンだね』
「オレのうんこじゃねぇよ!!」
いや、そういうことじゃないんだけど。
「しっかし、大暴れやで!! ゴブリンのねーちゃんの魔法がなかったら、ワシらも吹き飛ばされとるとこや!!」
「いやいやしかしキミ、そらそうやと思わんか? 自分のクソを自分の鼻の穴に突っ込まれたらワシかて暴れるでしかし……」
「あの肉どろぼうを鉄砲玉に使ったことといい、親分の作戦は毎回えげつないな」
「誰が肉どろぼうだ! 俺の肉をパクったのはお前らだろ!!」
……どうやら、キムとノームの肉の確執はまだ続いているようだ。
ノームたちが言う通り、視界を奪われ、嗅覚まで奪われた火竜はやみくもに暴れ回っている。
その予測のつかない動きによる被害もバカにならず、正面から突撃を食らって吹き飛ばされた花京院は、戦線を離脱してアリサの治療を受けている。
『ノームとゴブリンのみんな、火竜の前脚の動きに注目するんだ。ヤツが右の前脚を振り上げたら、反対の左側にいるノームたちが一斉に左の前脚を引っ張って体勢を崩す。左の前脚を振り上げたら、ゴブリンたちが右の前脚を引っ張る。わかった?』
「へい、親分!!」
「グギャギャギャッ!!」
「……まっちゃんって、いつからゴブリンとしゃべれるようになったの?」
『あれ、そういえば、いつからだっけ』
『私を勝手に乗っ取った時からだ』
アウローラの恨みがましい声が頭に響いた。
「ふふっ、皆様はお気づきになりませんの?」
継続して土魔法を発動させながら、イングリドが言った。
「ベル様は先程から、ヴァイリス語を使っておりませんわよ」
「へ? 何言ってんの? 使ってるでしょ」
「ふむ……やはりそうであったか」
「私も、心地よい違和感を感じていたところだよ」
「えっ!? えっ!?」
ジルベールとギルサナスの反応に、ルッ君が振り返る。
「あらゆる生物に通じるといわれる『竜語』で語りかけておられます。……なんという僥倖でしょうか。永遠に近い時を過ごしてきましたが、人の身でそんなことができるのは、アウローラ様しかおりませんでしたのに」
「ってことは、竜語でルッ君のうんこがどうとか言ってたのか」
イングリドの言葉をキムが台無しにした。
『来るよ! ノーム軍団、引いて!』
「よっしゃー行ったるでぇー!! お前ら引けよー!! そーりゃー!!」
「「「「「「そーりゃー!!」」」」」」
「そーりゃー!!」
「「「「「「そーりゃー!!」」」」」」
火竜が右の前脚を大きく振り上げるのに合わせて、ボンゴルのおっさんが、お手製の拡声器のようなものを使って号令すると、ノームたちがそれに呼応しながら鎖を引き始める。
その隣で、ヤッサンが号令に合わせて、鉄鍋を棒で「ちゃっかちゃん、ちゃっかちゃん」と、独特のリズムで叩いていた。
「いや、お前も引っ張れよ……」
キムがツッコんだ。
『いい感じだけど、もう少しペースを早くできない? 土魔法のおかげでだいぶ動きが遅くなってるけど、できればもっとヤツの体勢を崩したいんだ』
「よっしゃー!! お前ら、気合いいれてくどー!!!」
「「「「「「うおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」」」
なんだかよくわからないが、ボンゴルのおっさんがそう宣言するとノームたちの士気が一気に高揚した。
ヤッサンが鉄鍋を叩くリズムが「ちゃかちゃんちゃかちゃんちゃかちゃんちゃかちゃん」と早くなり、それに合わせて……。
「そーりゃそーりゃそーりゃそーりゃ!!」
「「「「「「そーりゃそーりゃそーりゃそーりゃ!!」」」」」」
「そーりゃそーりゃそーりゃそーりゃ!!」
「「「「「「そーりゃそーりゃそーりゃそーりゃ!!」」」」」」
ノームたちがものすごいテンションで鎖を引き始め、ユキイ爺さんがいつのまにかヤッサンの隣で横笛を吹き始め、どこからともなく太鼓の音まで聞こえ始めた。
『ナニコレ……』
突然始まったノームたちのハイテンションに、みんなは絶好のチャンスにも関わらず、ぽかーんと口を開けていた。
たぶん、僕もそうなっていることだろう。
「おお、すげぇっ!!! 火竜が攻撃できてねぇぞ!! よろめいてやがる!」
「……なんでかしら……、このリズムを聴いてるとなんだかカラダがウズウズしてきちゃうんだケド……」
「おお、ムキムキの姐さん、わかっとるやないけ!! これがノームの伝統行事、だんじり祭りや!!! 毎年秋になると、このリズムでドデカい重機を引いてトンネル掘りまくるんや!!」
ジョセフィーヌがノリノリになって、パレードの時に使っていたホイッスルを吹き始めた。
なんでそんなものを持ち歩いているんだ。
ノームたちに牽引されて、軸となる左の前脚を崩された火竜は、右の前脚での攻撃をあきらめ、後ろ足を大きく踏みしめる。
『マズい! 飛ぶ気だ!! ノーム軍団、ゴブリン軍団、両方引っ張って!!』
「ゴブリンのあんちゃん方も準備はええかー!! やり回しじゃー!!!」
「グギャギャギャギャッ!!」
『やり回しってナニ……』
「ほいっせーの!!!!」
跳躍しようと関節を折り曲げた瞬間にボンゴルのおっさんが号令すると、ノームたちは鎖を引っ張ったまま、一斉に直角にターンする。
『おおっ、うまい!!』
ゴブリンたちもそれに倣って、右の前脚を引っ張ったままターンすると、後脚が崩れ、体重を支えきれなくなった火竜の体躯が大きく前傾しはじめる。
「ほいっさーほいっさーほいっさーほいっさー!!」
「「「「「「ほいっさーほいっさーほいっさーほいっさー!!」」」」」」
『ッ!? あぶない!! 下がって!!』
火竜が前傾した勢いにまかせて首をねじり、大きな口を開けてゴブリンたちに喰らいつこうとする。
イングリドに対する忠義の厚さからか、あれだけ素直に指示に従ってくれていたゴブリンたちは僕の避難指示にだけは従わず、火竜の巨大な顎が眼前に迫っているのに一心不乱に鎖を引き続けている。
(バカ! そんなことしなくていいんだよ!!)
数秒先に予想される甚大な犠牲に、僕が心の中で叫んだその瞬間。
バチィ――ッ!!!!
「っ!?」
まるで竜の横っ面をひっぱたくかのように、ゴブリン達の側面に素早く回り込んだヒルダ先輩が、帯電した特殊警棒を火竜の巨大な角の下にあるエラのあたりに叩きつけた。
火竜がひるんだ隙に、ヒルダ先輩は特殊警棒から手を離してその身体を半回転させ、今度は胸のホルスターのトンファーを裏拳の要領で振り抜いた。
ガキン――ッ!!!!
強烈な冷気をまとったトンファーの先端が触れた瞬間、火竜の巨大な角が凍りつき、まるで氷柱のようにボキリと折れた。
「うおおおお……、か、かっけぇ……」
キムがうめいた。
まったく同感だ。
「フッ、見事な忠義立てだが、我らの盟主はそういうノリは好まん。今後、我らとうまくやっていきたいのなら、教育方針を見直したほうが良いのではないか?」
「……ええ、そのようですわね」
ヒルダ先輩が素早くステップアウトしてからそう告げると、イングリドは素直にうなずいた。
何千年も生きた古代エルフの女王を相手にこの言いよう、さすがはヒルダ先輩である。
(って、今は感心している場合じゃない!)
跳躍を妨害され、苦し紛れの反撃も封じられた火竜は、明らかにひるんでいる。
『今だ!! ユキ、渾身の一発を!!』
「まっかせて!!!」
待ってましたとばかりにユキが素早くステップインして、前傾した火竜の腹部深くに入り込み、半身のサウスポー、つまり右足を前に構え、そのつま先を踏みしめる。
「シュッッッ!!!」
口で言ったのか、それとも空気を切る音なのか、わからなかった。
地面を踏みしめた反作用の力を、螺旋の動きで膝に送り込み、膝から腰、腰から背中、背中から肩に力を送り、ユキの驚くほど柔らかい肩甲骨が縦に回転して、その力を余すところなく肘に送り込む。
ぎっちりと脇を締めていた肘が開くのと同時に、腕が内側に捻るように回転して、送り込まれた力がその頂点である拳の先に集中する。
そして、その拳が腹部……ではなく、前傾した火竜の……。
『アゴっ!!??』
ビシィィィィィィィンッ!!!!!
火竜の顎先ではなく、その奥にある空間を打ち抜くように打ち込まれたユキの必殺のコークスクリュー・ブローがクリーンヒットする。
…………。
火竜は動かない。
『ユキ……?』
本当はすぐに後ろに飛び下がって反撃に備えるべきなのに、ユキは打ち抜いたフォロースルーを決めた姿勢のまま、その場を離れない。
ズゥゥゥゥゥゥンッ!!!
少し遅れて、ユキの必殺のコークスクリューをアゴに直撃した火竜は、後ろ脚を踏みしめる力をへなへなと失い、まるでスローモーションのようにぐらぁ、と体勢を左側に崩した。
「ユ、ユキ……すごい……」
メルが感嘆の声を上げる。
「ド、ドラゴンも、脳震盪を起こすのか……」
ヴェンツェルがつぶやいた。
「ぐえぇ……」
なぜかブッチャーはドン引きしたようにユキを見ている。
自分が食らうところを想像したのだろうか。
(ドラゴン相手に、パンチで脳震盪、か……)
僕はアサヒと出会った当時のことを思い出していた。
冒険者志望なのに、なぜか掃除魔法の習得に全振りして、おまけに拳闘者スタイルの格闘家なんていうマイナーすぎる戦闘技能に特化した、態度最悪なウチの専属メイド。
彼女が得意の右ストレートからの左アッパー、続いて左フックというコンビネーションを披露してくれた時、僕は、
「すごいけど、これで、ドラゴンとかとどうやって戦うの?」
って尋ねたのだった。
(アサヒに見せてやりたかったなぁ。アサヒ直伝の技で、ユキがドラゴンに脳震盪起こさせたって)
「ベル様、クァグマイアの効力がそろそろ切れてしまいます。今のうちにトドメを……」
『了解!』
僕たちは、ずいぶん強くなった。
でも、まだまだ半人前だ。
……一番未熟な僕がそう言ったら、みんなにボロクソ言われそうだけど。
ジルベールの槍斧でも、メルの剣技でも、ゾフィアやエレインの弓でも、テレサの強烈な鞭攻撃でも、花京院やジョセフィーヌの膂力でも、キムの突進力でも、ギルサナスの暗黒剣でも、ルッ君の隠密スキルでも、ヴェンツェルの知謀や分析能力、魔法でも、アーデルハイドの連続魔法でも、オールバックくんの攻撃魔法でも、ヒルダ先輩の制圧術でも、ミスティ先輩の天雷の斧でも……。
残念ながら、今の僕たちでは、この硬い鱗と分厚い皮膚に覆われた火竜に一撃でトドメを刺すことは難しいだろう。
でも……。
彼なら。
『ミヤザワくん、出番だよ』
「えっ!? ぼ、僕?!」
ミヤザワくんがうわずった声を上げる。
『ミヤザワくんのことだから、あれから、ずっとイメージしてたんでしょ』
「う、うん……、でも……」
炎のイメージしかできないミヤザワくんにしたアドバイス。
炎しかイメージできないのなら、無理に氷のイメージなんてしなくていい。
ただ、「炎の反対」というイメージをすればいい。
あれはきっと僕じゃなくて、死にかけて予備エネルギーのように使ってしまったアウローラの知識が混じって言ったことだと思うんだけど。
だからこそ、確信がある。
アーデルハイドのようにいくつもの魔法陣を展開するような器用なことは、彼にはできない。
オールバックくんのように、攻防一体の魔法運用をすることも、彼にはできない。
アリサのように神聖魔法を駆使することはできないし、ヴェンツェルのように、初級魔法ながら多岐にわたる魔法を使ったり、支援に特化した魔法を使うこともできない。
でも、一つの魔法の単体火力だけでいえば、おそらく僕たちの中でミヤザワくんの右に出る者はいないだろう。
『大丈夫。ミヤザワくんなら絶対にできるよ』
僕がそう言うと、ミヤザワくんは不安そうにしながらも、
「やってみる」
と答えた。
『よし、みんな、ミヤザワくんの前を空けて、火竜に総攻撃だ!』
「へへっ、ミヤザワくんの出番、ないかもだぜ!!」
「こら、調子に乗らないの! あなた、まだ完治できてないのよ?」
意気揚々と戦線に復帰した花京院に、アリサが釘を刺した。
「万物の根源に告ぐ……。紅蓮の炎を身に宿し……」
「ん? それは火属性魔法の詠唱では……」
『しーっ、いいからいいから』
「ぐえぐえ」
怪訝そうにミヤザワくんに声をかけるヴェンツェルを僕が制止すると、ブッチャーがそうだとばかりに偉そうに顔を上げた。
「っ、なんですの……!?」
「我がバルテレミーの術式展開に似ているが、これは……」
詠唱を続けるミヤザワくんの前に浮かび上がった物体を見て、後方にいるアーデルハイドとオールバックくんが声を上げる。
鏡面加工をした球体のようなものが、ミヤザワくんの杖の先にぷかぷかと浮かんでいた。
その球体は、ミヤザワくんの詠唱に合わせて流体のようにぶよぶよと形を変えたり、再び球体に戻ったりしている。
『ミヤザワくん、行っけぇぇぇぇっ!!!!』
「炎の槍ッッ!!!」
ミヤザワくんがそう叫ぶのと同時に杖を振りかざすと、球体のような物体が火竜の方にゆっくりと飛んでいく。
その球体に向かって、杖の先から遅れて発生した極太の炎が、まさに投擲槍のように、すさまじい勢いで飛び出した。
これがミヤザワくんが新しく覚えた火属性魔法、炎の槍だ。
ミヤザワくんが放った炎の槍は、火球魔法とは比較にならないほどの初速ですぐさま球体に追いついて、貫通する。
その瞬間、目がくらむほど煌々と燃え盛っていた炎がかき消え、球体から青白い冷気のオーラが漂い始めた。
「おお……属性が反転しているのか……?!」
ヴェンツェルがうめいた。
だが……。
じゅっ……。
「えっ」
花京院か、誰かがつぶやいた。
炎の槍を飲み込んだ球体は、冷気らしいものを一瞬だけ発したが、そのまま、アサヒが吸った魔法タバコに水をかけたように、小さい蒸発音と共に球体ごとかき消えてしまった。
「「「「「「「……」」」」」」」
しぃぃぃぃぃん……。
なんともいえない、沈黙が漂う。
ミヤザワくんになんと声をかければいいか、誰もがわからずにいると、その沈黙が耐えられなかったのか、ミヤザワくんがうつむきながら言葉を発した。
「ごめんね……。やっぱり、僕じゃダメだったみたい」
「ぐえ! ぐえぐえ!」
ミヤザワくんが頭を下げる。
でも、ブッチャーだけが、そんなミヤザワくんに何かを言いたげに、彼の足元でぱたぱたと小さな翼を動かしている。
ズゥゥゥゥゥゥン――!!!!
そんなミヤザワくんとブッチャーの様子を見ていたから、僕もみんなも、ソレに気付くのが少し遅れた。
あれほど暴れまわっていた火竜が、その巨大な体躯を地面に沈み込ませて、そのまま動かなくなったのだ。
「へ? ……へ?」
ルッ君が、動かなくなった火竜におそるおそる近づいて、それから僕たちの方を見上げた。
「あ、あの……、し、死んでるんだけど」
「ェ……」
ユキが声にならない声をあげた。
「あれ……やっぱり、オレ、倒しちゃった?」
「あんたは勢い余ってすっ転んでたじゃないのよ」
ジョセフィーヌが花京院にツッコんだ。
「ふむ……、そもそも、致命傷が見当たらんな」
ジルベールが屍となった火竜をくまなく観察しながら言った。
「……それって……どういうこと?」
「……これは仮説なのだが……、おそらく、間違いないと思う」
同じく火竜を観察していたヴェンツェルが、ためらいがちに、だが、確信を持ったように言った。
「氷属性の魔法は、一般的にはその名の通り、氷を発生させるものだ。オールバックくんのアイスウォールのように属性防壁として使うものや、アイスボルトのように攻撃手段として使うものなど、その用途が違うだけで、どれも同じ性質のものだ」
みんな、火竜の撃破に歓喜するのも忘れて、ヴェンツェルの話を静かに聞いている。
「だが、氷魔法には別の特殊な系統がある。体内の血液を瞬時に凝固させ、心臓を止めてしまう、いわゆる即死魔法と呼ばれるような魔法などが、それに該当する……」
「そ、即死……魔法……」
アーデルハイドが。
次いでオールバックくんが。
それから、他のみんなが、おそるおそるミヤザワくんの方を見た。
「えっ……えっ……、い、いや、僕はそんな魔法使ったつもりは……」
「ぐえ!!」
あわてて否定しようとするミヤザワくんとは対照的に、ブッチャーが得意げな表情でみんなに向かって一吠えした。
「き、きっと、何かの間違いだよ。ほら、ユキの攻撃が後から効いたとか、イングリドさんの魔法とか……」
みんなのビビリまくったリアクションに、少し半泣きになりながら弁明するミヤザワくん。
そんなミヤザワくんにトドメを刺すように、彼の魔法情報票に2つの称号が表示された。
・即死魔法使い
・竜殺し
かくして、ヴァイリス士官学校は、34期生で、史上初めて、在学中に「竜殺し」の称号を獲得した生徒を輩出することになった。
爆炎のミヤザワ。
炎の魔神ミヤザワ。
そんな異名で呼ばれていたミヤザワくんは、この日から、もうひとつ異名を増やした。
死神ミヤザワと。




