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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ストロングなアイツ!

素面雪姫~どれだけお酒を飲んでも絶対に酔わないストロング過ぎる私をベロベロにさせてみなさい~

作者: 原案・監修:しいたけ 作:Kei.ThaWest

しいたけ先生から頂いた原案の面影がほとんどありません(笑)

 ~~~~~魔女side~~~~~


「鏡よ鏡、この世で一番美しいのはだぁれ?」


 ストロングゼロを飲み過ぎて酩酊した魔女は壁に向かってそう問いかけました。もちろん壁は何も答えてはくれません。


「あっ! これは壁じゃった! 鏡はこっち。鏡よ鏡、この世で一番ナイスバディーなのはだぁれ?」


 深酒して視界が回っている魔女は次にたぬきの置物に向かって問いかけましたがたぬきは無言でした。


「おっと! これはたぬきの置物か。三度目の正直じゃ。鏡よ鏡……」


 飲み過ぎてだいぶ眠くなってきた魔女は怪しい呂律で生きたまま蝋人形にされた少女に向かって問いかけました。しかし少女は答えてくれません。魔女は眠ってしまいました。魔女の夢の中ではピンク色の恐竜が祝いのボンテージを着てファラオみたいに暴れ回っていました……。



 ~~~~~姫side~~~~~



「こんなお酒では全く酔えませんわ! 蝋人形になりなさい!」


 グラスを叩き割って、酒を薦めてきた商人を魔法で蝋人形にしているのは、素面(しらふ)雪姫(ゆきひめ)。どんな酒を飲んでも絶対に酔わない酒豪です。

 素面雪姫はかつて魔女に毒入りのストロングゼロを飲まされたことがありましたが、その時既に体の70%がアルコールでできていた彼女にはそもそも毒が効かず、眠りに落ちることもなく魔女を拳で叩きのめした後、魔女の一人娘を魔法で蝋人形にしてしまったのでした。



 ~~~~~王子様side~~~~~



「ばぶぅ、ばぶぅ~、おちっこ、出ちゃったの~」


 最愛の姫と悲劇的な別れをして精神崩壊してしまった王子様は幼児退行してしまいました。この日も侍女にオムツを交換してもらいます。最早エルドラドは目前です。



 ~~~~~執事side~~~~~



「王子……痛ましや」


 執事がハンカチで目尻を拭います。

 王子はすっかり廃人。



 ~~~~~7人の小人side~~~~~



「シクシク……姫様ぁ……」


 小人達は蝋人形にされた白雪姫を囲み、この日も悲しみにくれていました。彼らのまわりにはストロングゼロの空き缶が散乱していて酷い有り様です。

 白雪姫は素面雪姫の策略によって蝋人形にされ、永遠の眠りについてしまいました。もはや王子がキスをしても元には戻らないでしょう。


「こうなったらあの素面雪姫に復讐しよう」


 小人の一人が言いました。


「しかし、どうやってあの素面雪姫を倒す?」


「山のように大きい酒樽に酒をなみなみと注いで、それを飲むのに夢中になっている隙に首を切り落とすのはどうだろう?」

「いや、酒と偽って青酸カリを飲ませたらいいんじゃないか?」

「それよりアメリカさんに頼んで爆撃機を差し向けては?」

「ホモに襲わせるのはどうだろう?」


 喧々諤々の議論は平行線のまま、結論が出ません。


「いっそ、魔女の力を借りるというのは?」


「いやいや、魔女はもう廃人だぞ。王子様も廃人だし、素面雪姫を討伐する為に差し向けられた英雄パーティーもこの前廃人にされたと聞く」


「どうすればいいんだ……何か打つ手は無いのか」


「一つだけ、考えがある……」


 小人の一人がおもむろに口を開きます。


「何だ?」


「ガリア帝国にいるとされる伝説の聖人……あの方に頼もう」


「ガリア帝国!?」

「ガリア帝国だとっ!?」


 小人たちはみな、驚きの声を上げます。


「……やむを得んか」


 こうして小人たちは最後の望みをかけ、ガリア帝国へと向かったのでした。



 そして月日は流れ……


 ~~~~~姫side~~~~~



「もはやこの世界に、私を酔わせることの出来るお酒はありませんこと?」


 城に最後に残された執事をも蝋人形に変え、素面雪姫はため息をつきます。


 そこへ、7人の小人たちがやってきました。


「素面雪姫! お前に蝋人形にされた者達の恨み、今こそ晴らすべし!」


 小人たちは恭しく(かしず)きます。彼らの後ろから一人の人物が歩み出てきました。その手に一本のアルミ缶を持っています。


「ほほぅ、この全身の85%がアルコールで構成されている私を酔わせることの出来る酒でも見つけてきたのかしら?」


「左様、ストロングゼロすら超えるストロングを、ご覧にいれましょう」


 謎の人物はアルミ缶を素面雪姫に差し出します。この人物こそ、小人たちが遥々ガリア帝国から呼び寄せた大聖人、その名も━━(サン)ガリア! ストロングゼロを超えるアルコール度数12%のスーパーストロングを手に、遂に最終決戦の地へとやってきたのです。


「スーパーストロングでございます」


「スーパーストロング? 果たしてどこがスーパーなのかしら? どれ、私に飲ませてみなさい」


 グビッ、グビッ


 素面雪姫は一息でスーパーストロング500ml缶を飲み干してしまいました。


「グワーッ! 酔ったッ!」


 素面雪姫はそう叫ぶと椅子から転げ落ち、サスペンスドラマのように階段をごろごろ転がって頭部を蝋人形に強打、ポラリスが素面雪姫の頭の上をクルクルと回り、死んでしまいました。



 めでたしめでたし。

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― 新着の感想 ―
[一言] 角刈りや! 虎刈りや! サンガリア! ♪イチ、ニイィ、サンガリア(笑)
2020/05/19 05:46 退会済み
管理
[一言] 登場人物のほとんどが二次会・三次会で悪酔いしたような様相を呈していて目も当てられませぬ……!!(笑) あと、ラストが蒲田行進曲を彷彿とさせられる感じでなんとなくアリだなと思いました(感涙)…
[一言] 読ませていただきました。 どうしてこうなった感が、とても面白かったです。 これでは、アダムの林檎も出番無しっすね。 と言うイミフな事を言ってみる
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