終焉
〜旧N社、フロント〜
倒れたまま動かないシャルをよそに俺はエレベーターに乗る。急げ、ボスに加勢しなければ。
ボスの異能は反射能力。だが、ギガユーギの異能は能力一時無効化。無効化されては、肉弾戦になってしまう。ボスは肉弾戦の経験がないため、多分負けてしまうだろう。最悪な結果になる前に加勢し、ギガユーギを討たなくては。
社長室の前に来た。この先にボスがーーー
銃声が響いた。流石に動揺が隠せず、俺は慌てて扉を開ける。そこにはーーー
荒い息を吹き、壁にもたれているギガユーギと、…………胸から大量の血を流したまま動かない、我らがボス、ベテルがいた。
「ボス‼︎‼︎‼︎」
急いでボスのもとに駆け寄った。
脈を見る、生きている…
「………か…?」
ボスが口を開いた。何を言ったかはわからないが、多分、俺の名前だ。
「ああ、そうだ。ボス、大丈夫か?」
「………お前を次期ボスに任命しようと、思う…」
ボスが俺の肩を叩いた。眩暈がする。今すぐにでも倒れてしまいそうなくらい。
ギガユーギにさらなる憎悪が出来た。先代ギルだけでなく、現ベテルまでもーー
俺は、ボスの最期の命令に従うことにした。新たなるボスとしての、最初の仕事ーーー
銃声が響いた。ギガユーギの額から血が噴出する。最初の仕事、先先代のボスと、先代ボスの仇打ちーーー
先代ベテルと、ギガユーギの死体を見て、俺は組織に入ってからの始めての涙を流したーーー




