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コスプレ系女子の異世界布教!? ~ 駄豚と巡る異世界行脚 ~  作者: アレグロ
コスプレ系女子の異世界転生!?
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05・私達の信仰はこれからだ!だってまだ始まってすらいないんだもん。


「いやマジ、調子のってサーセンした…拙者みたいな生ゴミが生きててごめんなさい…」


あの後、心がくだけ散ったポルケリウスは空間の隅(?)で膝を抱えて踞ってしまった。


間違った事は言っていないつもりだが、こうも凹まれると弱い者イジメみたいで流石に居たたまれなくなってくる。


「ハァ…私めごとき駄神が…ハァ…ケイト様と同じ空気を吸って申し訳ありません…ハァ…どうか、この卑しき豚めをもっと蔑み罵って下され…ハァ…」


…本当に凹んでるんだよね?


「……悪かったわよ。私もちょっと言い過ぎた。殺されたばっかで精神的に不安定になってたかも…」


へんじがない ただの だぶたの ようだ


「…あぁもう!解ったわよ!話くらいなら聞いてあげるから、とにかく顔を上げなさ」

「mjd!?」


食いぎみに食い付いてきた。

本当に反省しているのだろうか。


「あ、ウソウソ!拙者海よりも高ーく山よりも深ーく反省しておりますぞ!ただ何せ、拙者も自身の存在消滅が掛かっている身でして、必死に成らざるを得ないと申しますか…なのでどーかお目こぼしを!!せめてお話だけでも!!お願い!先っちょだけ!!先っちょだけでいいから!!」


私の視線に気付いたのか、慌てて弁明を始めるポルケリウス。


そんな彼の話の中に、一つ引っ掛かる所があった。


「消滅ってどういう意味?」


「え?文字通りの意味ですぞ?信仰する人間を失った神は、その存在を保つ事が出来なくなるのです」


何でもない事のように話すポルケリウス


「そんなあっさり……ちなみに、アンタが消えるとどうなるワケ?」


ポルケリウスは顎に蹄を当ててんーと考えた後、


「そりゃまぁ、世界から拙者の神力ゴッドちからが無くなるワケですから、拙者の司る物、つまる所は衣服関連が徐々に衰退して行く事となりましょうな。ちなみに予測最終到達地点は葉っぱ一枚となっております」


「それって一大事じゃないの!?」


あっけらかんと、とんでもない事を言い放った。



「んーまぁ、それも自然の摂理かなーとは思いますがね。ほら、アニメとかでもマイナーでニッチなジャンルは衰退して行く物ですしおすし」


「そんな簡単に言わないでよ!!服がなくなったら困るじゃない!!」


これから先の人類史において、正装が葉っぱ一枚とか冗談じゃない!


「そう言われますてもなー。こればーっかりは拙者にもどうしようもないですからなー。あー、誰か助けてくれないかなー」


棒読みセリフでちらっちらっとこちらの顔を伺うポルケリウス。


「ぐっ…」


「誰かが拙者の信仰を集めるお手伝いをしてくれれば、拙者消えずに済むのになー。いやー大変だわー。拙者が消えたらSEKAI NO FUKU NO OWARIだわー」


この駄豚……


「あぁ!もう!!手伝えばいいんでしょ!!手伝えば!!」


「ktkr!!ケイト殿ならば必ずやそう言って下さると拙者信じておりましたぞ!」


白々しくそうすり寄ってくる駄豚ポルケリウスを片手で押し戻す。したり顔止めろ。



何はともあれ、世界の衣服の命運は何故か私に託されてしまったらしい。

それでいいの!?私しがないコスプレイヤーなんだけど!?


「……はぁ…どうしてこうなった」


兎に角、一人の理性有る人間として、そして一人の服好きとして、洋服の未来と人類の尊厳を守らなくては。



「…で?私は何をすればいいワケ?信仰を集めろって言われたって、私信者やる前に死んじゃってるんだけど?」


「ご安心召めされよ!信徒となって頂けるとあらば、上への申せ…げふんげふん!拙者のゴッドパゥワァにて見事ケイト殿を蘇生させて見せましょうぞ!」


ふんす!と三度胸を張るポルケリウス。


ん!?ちょっと待って。


「え!?私生き返れるの!?」


「モチのロン!ふっかつのじゅもん不要、失敗して灰になる事などもありませぬぞ!」


「ふ、ふーん…そうなんだ………」


突然の話で寝耳に水だが、決して悪い話ではない。


一応自分の人生に納得はしているつもりだが、それはそれ、これはこれだ。

まだまだやりたいことも、作りたい服も山ほど残っているんだから。


生き返れると言うのであれば、喜んで生き返ろう。


「では改めまして……どうです?拙者に協力してくれますかな?」


そう言って、ポルケリウスは蹄を前に差し出してくる。


「…仕方ない。服の未来の為だもんね」


私はその豚足を手に取る。

契約成立の握手だ。


ぶひひ、とニヤケるポルケリウスに釣られて私も笑顔を返した。


次の瞬間、私達の身体が神の祝福っぽい、神秘的で神聖な感じの淡い光に包まれて行く。


あぁ、これで生き返れるんだ。











「……あ、そうだ。言い忘れてましたが、生き返れると申しましてもケイト殿の元居た世界に戻る事は出来ませぬぞ?」


「はぁ!?」


身体を包み込む光がどんどん強くなっていく中、駄豚ポルケリウスがふと思い出したかの様に最後にとんでもない事を言い残した。



ちょっと待て!


私そんなの聞いてないんだけど!!



ケイトは めのまえが まっしろに なった。


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