表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コスプレ系女子の異世界布教!? ~ 駄豚と巡る異世界行脚 ~  作者: アレグロ
コスプレ系女子の異世界転生!?
4/53

04・ふくの神?いいえふくの神です


「いやー、拙者名も無き端神であるからして、誰かに頼られたり信仰を受ける事なと滅多にありませぬ故。いやー嬉しかったなー!」


困惑する私を余所に、ポルケリウスは嬉しそうにぶひひ、とニヤケている。


「……えっと。話についていけてないんだけど……私、アンタを信仰したことなんてあったっけ?」


「ええ!?ヒドゥイ!!あれほど拙者の事を求めて下さったではありませぬか!!昨日の夜だって寝かせてくれなかったのにぃ!!忘れたとは言わせませんぞ!!」


酷い、拙者とは遊びだったのね、拙者の御利益からだだけが目当てだったのね……などと人聞きの悪い事を喚き散らしながらヨヨヨ…とその場に泣き崩れるポルケリウス。乙女座りで。


「いや、だから私、神様に祈った事なんて……ん?」


ちょっとまて。


昨日の夜?



「えっと……一つ確認なんだけど……アンタって《の神》…なのよね?」


「そうですぞぉ…いかにも拙者この世全ての衣服を司る、由緒正しき《の神》にござるよぉ…」


「え?」


「え?」


………《》の…神?


「……あ!?あーあー!!うん!確かに私、アンタの事を信仰してたかも!」


そうだ、確かに私は服の神ポルケリウスを頼った。


「この衣装なかなか完成しなくて、昨日の夜も泣きながら『コスプレの神様助けて~』って祈ってたっけ!」


具体的にはコスプレ衣装のイベント締め切りに対しての神頼みという形で。


そうすると、毎回不思議と完成が早くなる気がするのだ。


「そっか!あれアンタのおかげだったんだ!!」


「…その通り!拙者微力ではありますが、いつも陰ながら紫煙させて頂いた次第です!!」


私の言葉に自信を取り戻したのか、ポルケリウスはみるみる内に元気を取り戻しふんす!と胸を張る。


「うん!いつもありがとうね」


「いえいえ!」


「………」


「………」


だが不自然な沈黙の後、キョトンとした表情でこちらを見つめてくる。


「え?終わり?」


「え?」


「え?」


私はしっかりと日頃の感謝を伝えた。なのに一体何が不満なのだろうか。


「いやそこは、日頃のお礼として拙者に協力してくれる流れじゃないのかなーと、拙者これこのように思ったりなんかしちゃう訳なのですがー」


控えめな態度で、だが確固たる意思を持っておずおずとそう切り出す。


「その、拙者としても、普段お手伝いをしているわけで…ねぇ?ホラ、拙者曲がりなりにもゴッドなワケですしぃ?」


まるで私が間違っているかの如く。さもそれが当然かの如く。


その態度に少々カチンときた。


「…いや、そのりくつはおかしくない?」


「ぶひ?」


そう、こちらにだって言い分はある。


「だってさっきアンタ言ったわよね?神様と人間は相互関係だって。私が信仰?したおかげで、アンタは力が貰えてた訳なのよね?言わばwin-winじゃない?」


「え、ええまあ…」


「だったら、話はそこで終わりじゃない」


「で、ですがそのぅ……」


目に見えて意気消沈するポルケリウス。だが私のバトルフェイズはまだ終了していない。


「それに、神様が信徒に信仰の強要するのも何が違わない?信仰って個人の自由でしょ?」


「…あ、いや……」


「第一、私別にアンタの信者ってワケじゃないし。アンタの存在だって今はじめて知ったワケだし。それを勝手に信者扱いするのはおかしくない?そりゃいつも助けて貰ってたのは感謝してるわよ?でもそれと信仰心は別問題じゃないの。なのに死んだからって勝手にこんな場所に連れてきていきなり言うこと聞けはおかしくない?おかしいでしょ?そもそも信仰って言うのは…」


「もう止めてぇ!!拙者のライフポイントはとっくに0にござるぅ!!」



とうとうポルケリウスから泣きが入った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ