査問-回顧[スピンオフ?]
[分からないんだ、何も覚えてないんだ]
[所属と階級を]
<特殊作戦軍第7統合特殊作戦開発グループ・エコー分遣隊チーム5。佐山亮大尉です>
[佐山大尉、貴官は何故ここに呼ばれたか分かるかね……?]
<いえ、分かりません>
(私達はあなたが先日の件について何か知っていると考えています)
<先日の件とは?>
[オペレーション・フォール。君達エコー分遣隊チーム5が担当した作戦だ]
(そこで起きた事について私達は知りたいのです)
[オペレーション・フォールで敵味方問わず生還者は君だけだった。ナイトストーカーズが回収に向かった際に君は血の海に一人で立っていたそうじゃないか]
(加えてその場には直径1000メートルのクレーターが形成されていました)
[あの日、あの場で何があった?]
<覚えていません>
(佐山大尉、返答次第ではあなたの処分も変わってきますが?)
<僕は処分されるのですか?>
(まだ何とも)
<処分されても構いません。ですが覚えてない物をどう言葉にすれば良いか、僕はその術を知りません>
(そうですか)
[佐山大尉、オペレーション・フォールと同日に作戦エリアで大規模な空間の歪みを航空宇宙軍の衛星が捉えた。歪みを捉えた時刻は丁度チーム5の生体反応と通信が途絶えた時刻と一致する。これについては?]
<分かりません>
[そうか………セラピーを受けるように]
<了解しました。中佐一つ宜しいですか?>
[何だね?]
<遺体は……回収されましたか?>
[遺体は回収されてない。いや遺体は確認出来なかった]
<そうですか……次官補、僕の処分はいつ決まりますか?>
(未定です。情報が少なく事実確認が取れてませんし、あなたはまだ軍法に背いた訳ではありません)
<そうですか>
[退室したまえ、すぐにセラピーへ行け]
<失礼します>




