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夢見の悪い幻想録  作者: ごまみりん
53/85

地獄の業火

三人称?


[焼き尽くす怒り]



佐山亮と風見幽香がスキマに消えてからその場にいた面々は立ち尽くしていた。


あの男――佐山亮の抱える闇の一端を垣間見たからだ。


彼の語る現実は確かに正しかった。博麗霊夢は彼に突き付けられた現実に震え、聖白蓮は彼の闇の深さに戸惑っていた。


あの男は私達の想像を絶する物を見て、触れてきたのだと彼女達は分かってしまった。


命蓮寺の面々は雲居一輪を取り返した。僅かだが息がまだある。


「早く、一輪を永遠亭へ……」


命蓮寺の面々が同胞の心配をしている時、博麗霊夢は彼が最後に残した言葉が気になっていた。


「(地獄の門は開かれた………)」

八雲紫の左腕とも言われるあの男がこんなにもあっさりと殺害対象を置いて引き下がるとは思えない。


その時何処からとも無く、大気が震えるような、地響きのような音が聞こえてきた。音はこちらへと近づいているようだった。


「何……この音………?」


「これは………飛行機?」


元々外の世界にいた東風谷早苗はその音の正体が飛行機なのではないかと推測した。


「飛行機……?何だそりゃ?」


霧雨魔理沙が東風谷早苗に飛行機の説明を求めている時、博麗霊夢は嫌な予感を感じていた。彼女はこの音が好きでは無かった。まるで、地の底から響いてくるかのような…………



「………!?皆、結界を張って!!」


博麗霊夢は何かが自分達へ向かい放たれたような気がして、結界を貼った。それに呼応して東風谷早苗、聖白蓮が結界を張る。


瞬間、彼女達がいた場所は爆発した。爆炎が彼女達を覆い隠し、結界を軋ませる。凄まじい熱が彼女達を襲い、木々を焼き、地を穿つ。


煙が晴れるとそこには何も無かった。木は燃えて無くなり、そこ一帯だけ開けた地形になっていた。


「今のは………ミサイル?でも何で幻想郷にミサイルが……」


東風谷早苗が茫然としていた。

「おう早苗無事だったか……」


「皆無事……?」


博麗霊夢、霧雨魔理沙が起き上がり安否を確認する。あのような爆発にも関わらず軽傷で済んだのは一重に東風谷早苗の奇跡の力の加護と言った所か。普通なら焼け死んでいるだろう。


しかし全員無事という訳では無かった。


「村紗!大丈夫か!?村紗!!」

寅丸星の声が響く。声の先では村紗水蜜が倒れたまま動いていない。酷い火傷を負い、意識を失っている。


「早く、村紗と一輪を永遠亭へ!!」


「そうね……行きましょう!!」

彼女達は永遠亭へ向けて飛び立って行った。















八雲邸・にとりの工房



「ヘルファイアミサイル命中したよ」


「相手の損害は?」


「事前に結界を張ったみたい…………、けど村紗水蜜が重傷を負ったよ」


「雲居一輪は殺せなかったか…………まぁ、いい。UAVのテストも終わった。上出来だろう」


「外の世界のMQ-9 リーパーを真似してみたんだ。これで拠点攻撃も楽になるね」


「そうだな、でも空爆ばかりじゃ僕の仕事が無くなるから程々にな………、僕は紫さんに報告してくる」




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